エクストレイルの買取 ~クロスオーバー化前のモデルは、早めの査定を~

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「本格SUV」の地位を保ち続けたエクストレイルも、2013年についにクロスオーバー化し、今後の中古車の査定・買取にも影響は必至と言えます。

2014年のスズキ・ハスラーの「軽SUV」というジャンルの大ヒットでもわかるように、今、本格SUVのニーズは急速に低下中。

まだファンの間で需要があるうちに、本格SUVのエクストレイルは、早めに買取に出した方がいいかも知れません。

ここではエクストレイルの中古車の価格相場を示しつつ、エクストレイルの査定・買取の動向に直結する「SUV市場の変化」をメインに紹介します。

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エクストレイルの中古車市場での価格相場(モデル別)

エクストレイルの中古車の価格の目安は下の通りです。

・2000年モデル…10~153万円
・2007年モデル…82~294万円
・2013年モデル…218~288万円

(2014年5月17日のカーセンサーnetのデータ)

このうち、クロスオーバー化前の2000年、2007年モデルは、今後の買取がかなり不利になることが予想されます。それについて詳しく書きます。

SUVのクロスオーバー化が、エクストレイルの査定に与える影響

SUVは今本格的に「クロスオーバー化」していますが、これはエクストレイルの査定にも当然影響を与えます。「クロスオーバー化」とは、簡単に言うと「街乗り向きのSUVになっている」ということです。

この流れはかなり前から始まっていたのですが、エクストレイルはその中でも数少ない「本格SUV」としての地位を保っていました。

しかし、それでは販売が厳しくなり、今回のモデルチェンジでとうとうクロスオーバー化したというわけです。

・旧型エクストレイルの査定・買取は不利になる可能性大

この流れを見ると、今後旧型エクストレイルの査定や買取は、不利になる可能性が大だと言えます。理由は、日産自身が「もう本格SUVは市場が求めていない」と判断しているためです。

当然ですが、日産は「売れる」と思う車を作ります。その日産が本格SUVをやめたということは、「本格SUVはもう売れない」と彼ら自身が判断した、ということです。

新車市場で売れないということは、もう中古車市場でも売れないということです。

そのため、「新しいモデルが出たから」という理由ではなく、「本格SUV自体がいらない」という理由で、旧型のエクストレイルが売れなくなるというわけです。

この流れはまだ中古車市場ではそれほど明確になっていませんが、はっきりする前に、旧型のエクストレイルは査定に出した方がいいでしょう。

現時点なら、旧型エクストレイルでも高額買取が可能

現時点なら、本格SUVの旧型エクストレイルでも、まだ高額で買取してもらえる可能性があります。

旧型、つまり2代目のエクストレイルは、モデルチェンジの直前でも「月間2000台前後」という、堅調なペースで売れていました。

つまり、「今ならまだ本格SUVファンもいる」=「今なら高額での買取も可能」というわけです。(*データは東洋経済オンライン、2013年12月12日の記事より)

・これだけファンがいるなら、今後もずっと高額査定は可能?

上の数字を見ると、「これだけファンがいるなら、今後も高額査定は可能ではないか?」と思う方もいるかも知れません。

たしかに東洋経済の記事でも、「エクストレイルは、他社から消えた本格SUVを求める層を惹きつけていた可能性がある」と指摘しています。

しかし、エクストレイルの査定や買取の動向は、この車種単独で決められるわけではありません。当然ながら「競合車種」の動向によって、エクストレイルの買取や査定も左右されてしまいます。

そして、その競合車種は「ある日突然、新しいジャンルから登場する」ということもあるのです。それが、2014年現在大ヒットしている、スズキのハスラーです。

「軽自動車SUV」の登場が市場に与える影響

スズキのハスラーが大ヒットしたのは「軽自動車SUV」という新たなジャンルを切り開いたためです。

「軽自動車を発展させてSUVにした」というもので、燃費の良さ、値段の安さ、駐車のしやすさなどの軽自動車のメリットを兼ね備えたSUVとして、今爆発的な人気を誇っています。

2014年3月時点で、新車が4ヶ月~6ヶ月待ちという状態なので、人気の白熱ぶりがわかるでしょう。

もちろん、SUVとしてのオフロードでの性能は、本格SUVと比較するとだいぶ劣りますが、そもそもオフロードを走る日本人が、世の中にどれほどいるでしょうか?

すぐに「いない」という結論が返ってくるでしょう。今どき田舎でも乗用車で土の上を走るケースはめったにありません。(せいぜい、空き地に駐車する時くらいです)

アウトドアに出かけることも、アクティブな人でも月に2回程度でしょうし、「年に1回もない」という人も多いはずです。

「だったらSUVに乗るな」と本格SUVマニアの方は思うかも知れませんが、「SUVの外見はかっこいい」と思っているユーザーが多いんですね。

たとえて言うなら、街中でエアジョーダンのバスケットシューズを履くようなもので「バスケはしないけど、バッシュはかっこいい」という感覚なのです。「ファッションとしてのSUV」と言ってもいいでしょう。

これまで、普通車のクロスオーバーSUVは価格が高かったので、「ファッションとして」手を出すには、少し敷居が高かったのです。

しかし、これがハスラーの登場で「簡単に手を出せるように」なったわけです。

まだ発売から半年経っていませんし、大部分が納車されていないので、街中で本格的にハスラーの数が増えるには至っていません。

しかし、徐々に納車され、大量にハスラーが走り始めると、「ファッションとしてのSUV」はますます定着する可能性があります。

「旧型のエクストレイルは早く売却した方がいい」と序盤で指摘した理由も、こうした状況を見ると理解していただけるかと思います。

本格SUVは間違いなく市場では「時代遅れ」になりつつあるのです。

まとめ ~もちろん、本格SUVが好きな人は乗るべき~

ここまでの文章を読んでいて、本格SUVが好きな方は、少し苦々しい思いもされたかも知れません。

実際、「自動車の多様性」ということを考えると、エクストレイルのような本格SUVこそ、もっと評価されるべきというのはたしかです。

ここまでお話ししてきたことはあくまで「市場の流れ」であり、別に「本格SUVがダメ」と言っているわけではありません。

むしろ、こういう状況だからこそ、自動車文化の幅の広さを保つためにも、本格SUVに乗り続けるSUVファンの方が必須だといえます。

もちろん、それは市場の流れに逆らうということですから、リセールバリューなど経済的な面では損をするかも知れません。

このあたりは、「鉄砲の時代にあえて剣を極めた宮本武蔵」の生き方と同じで、「美学と利益は、しばしば相反する」という結論になるでしょう。(一致するときもありますが)

「それでもSUVが好きなんだ」というこだわりを重視するか、家族を支える懐事情なども考えて、クロスオーバー化の流れに従うか、そもそもミニバンなどに移行するか、という選択になります。

これはもはや「車の選択」というよりも「人生の選択」に通じるものがあるかも知れません。

ある自動車評論家は私的なコラムで「車の買い方を見れば、その人の生き方がわかる」と語っていますが、これはたしかにその通りです。

最初から価格や機能性だけを見て軽自動車を選んだ方の場合「車の選び方=生き方」ということを、あまり意識する機会はないでしょう。

しかし、最初にエクストレイルのようなこだわりの強い車を選んだ方は、これを意識する機会も多いと言えます。

エクストレイルを売るか、乗り続けるか考えながら「自分はどういう風に生きていくのか(お金を使っていくのか)」ということを見つめ直すのも一興かも知れません。

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