スイフトの買取 ~『デュアルジェット』の導入で査定価格も上昇~

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2013年の改良で「デュアルジェット」が話題になったスイフトは、これによる「低燃費イメージの向上」で、改良前の車種の査定・買取もやや有利になりました。

一方で、主力市場のインドと日本の両方でリコールが相次ぐなど、査定のマイナスとなる事件も多く起きています。

こうした改良・リコールがスイフトの中古車の査定に与えた影響、現在の中古車の相場などを紹介していきます。

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スイフトの中古車の価格相場(モデル別一覧)

現時点におけるスイフトの中古車市場での相場は、下のようになっています。

・2000年モデル…3~70万円
・2004年モデル…16~155万円
・2010年モデル…60~239万円

(2014年5月17日のカーセンサーnetでのデータ)

2010年モデルの新車価格化は125~184万円です。発売後すぐに入手した方の場合は、いま4年落ちですが、最安値同士を比べると「125万→60万」で約50%となっています。

ということは買取価格はそれを下回って大体30%台になるはずで、このデータだけを見ると、スイフトのリセールバリューはやや低いと言えます。

なお、MSN自動車のデータによれば、スイフト・スポーツの3年落ちの買取価格が「最大40%~56%」ということなので、上記のような4年落ちの場合の数字も、妥当な範囲かと思います。

2013年のマイナーチェンジはスイフトの査定にどう影響したか?

2013年のスイフトのマイナーチェンジは、中古車市場での査定にも当然大きく影響しました。

今回のスイフトの改良では「デュアルジェットエンジン」という、技術が導入されています。これは省エネ技術の一つですが、記事の終盤で詳しく解説します。

実は、この技術は2010年の時点ですでに日産のジュークに導入されており、これが世界初でした。(日産公式サイト、2010年4月の記事より)

初めて導入したのは日産でも、ジュークの影響力がスイフトほどなかったことと、スイフトが「デュアルジェットエンジン」というわかりやすいネーミングを採用したことで、「スイフトが世界初」という扱いを受け、話題になりました。

これによってスイフト全体のイメージがよくなり、2013年のモデルはまだ中古車市場に出ていないものの、現状出回っているモデルが通常よりもよく売れるようになり、査定や買取に出すユーザーにとっても有利になったわけです。

スイフトのリコールが買取に与えた影響

スイフトは比較的リコールの多い車種で、これは中古車の買取にも少なからず影響しています。

特にスイフトのリコールが多いのはインドです。「インドのリコールは関係ないだろ」と思われるかも知れませんが、スイフトの場合は非常に関係があります。

というのは、スイフトの販売の約45%はインドなのです。日本はわずか13%で、スズキからしたら「むしろ日本のリコールの方が関係ない」くらいなのです。(あくまで規模の大小のたとえですが)

幸いにも、インド市場の動きは一般ユーザーにはそれほど伝わっていないので、インドのリコールでスイフトのイメージが落ち、買取価格が下がる、ということにはなっていません。

しかし、スズキの本社・ディーラーにとっては、当然痛手なので、彼らの下取りでの査定価格は安くなるということです。(余力がなくなっているので)

ディーラーの下取りの査定価格が安くなるということは、中古業者の買取価格も安くできるということです。

「この買取価格でいやなら、ディーラーの下取りへどうぞ。あちらの査定も安いですけどね」と言えるからです。

というように、スイフトの「インドでのリコール」は、実は見えないところでさりげなく、日本の中古車市場の査定・買取にも影響しているんですね。

「グローバル化の波」は、私たちのマイカーの買取や査定にも、着実に影響を与えているわけです。

スイフトスポーツのビッグマイナーチェンジはいつか?

スイフトの派生車種であるスポーツも、そろそろ大きめのマイナーチェンジがあると見られています。

現行の3代目にマイナーチェンジしたのが2011年なので、すでに3年経っており、去年の2013年から「そろそろマイナーチェンジするのでは?」という声がファンの間で強くなっています。

今のところスズキの公式アナウンスはありませんが、実は、マイナーチェンジの大まかな時期を知る方法はあります。それは「スズキのディーラーに新車を買いに行く」ということです。

・「マイナーチェンジ後の車を買いたい」と告げる

いきなり「マイナーチェンジの時期を教えて下さい」と言っても、企業秘密なので当然無理です。

そこで、まずは普通に新車購入の相談をして、スイフトスポーツはあくまで「一つの候補」として話を進めます。そして「マイナーチェンジ後の車を考えている」と伝えましょう。

「リセール時の買取価格を考えて、マイナーチェンジ後の車を選ぶ」というのはごく普通の判断ですから、ディーラーも当然理解してくれます。

そして、その情報を伝えることで新車を買ってもらえるなら、大まかな時期までは、喜んで教えてくれるでしょう。

そこから2~3ヶ月程度前後したとしても、車を査定に出すタイミングを計るくらいなら、それで十分です。もしマイナーチェンジが近づいているようなら、当然急いで査定に出しましょう。

(なお、この情報をもらったからと言って、新車を確実に買わなければいけないわけではありません。ディーラー側もこの程度の情報を教えただけで買ってもらえるとは思っていないでしょうし、問題のない範囲で教えてくれているわけなので、新車を買わなくても気にする必要はないのです)

デュアルジェットエンジンの仕組み

これは「ガソリンを噴射する装置(インジェクター)が2本ある」というものです。インジェクターは「ガソリンを霧状にして」送り出す装置です。

インジェクターは、2本の「吸気ボート」につながっています。つまり「1つのインジェクターで、2本のポート」にガソリンを送ります。

そのために、インジェクターの「噴出口」の「真ん中にフタ」をします。たとえて言うなら、ホースで水を撒く時に、水を2つに分けたいと「真ん中を指で押す」のと同じです。

これで「ガソリンを2つに分ける」ことはできるのですが、「真ん中にフタ」をするやり方は、ガソリンを送る効率が悪くなります。つまり「ムダが出る」ということです。

そこで、「真ん中にフタをしなくても、最初から2本のインジェクターがあればいいんじゃない?」という発想が生まれるわけです。1本のインジェクターで、1つの吸気ポートを相手にする、というやり方ですね。

これだとインジェクターの噴出口から吸気ポートまで、「フタ」のような障害物が何もなく直結します。そのため、効率がよくなるわけです。

そのような技術を、スイフトが2013年のモデルチェンジで採用し、話題となったわけです。先に実用化したのは日産でも、それをメジャーにしたというスズキとスイフトの功績はやはり大きいでしょう。

まとめ

以上、スイフトの買取や査定に関わる情報を紹介しました。

スイフトは、派生車種のスポーツが世界のラリー大会(WRC)で数々の勲章を手にするなど「走りの喜び」を追求する方々にとっても愛すべき車です。

この車種が進化していくことは、今後の自動車業界にとって、ビジネスだけではない利益をもたらしてくれるでしょう。

また、海外での販売がほとんどを占める車種でもあり、スイフトの活躍は、海外での日本のイメージを高めることにも直結すると言えます。そうした点でも、今後の活躍に日本人として期待したい車種の一つです。

中古車市場での動向も見守りつつ、そうした広い視野も持って、スイフトの成長を応援したいものです。

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