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不動産査定Campus~マンションや不動産の売却のお役立ち情報

兵庫県の不動産査定の動向~相次いだ再開発の失敗に学ぶ今後の動き

これまでの数々の再開発が「失敗だった」と指摘されている兵庫県は、今後の不動産査定においても先行きが不透明です。

兵庫県の再開発の何が「失敗」とされているのか。それを学ぶことでこれからの再開発の成否を占うこともでき、不動産査定で高評価を受けるタイミング知ることも出来るようになるでしょう。

ここでは、兵庫県で「失敗」とされている再開発の事例を紹介しつつ、兵庫の不動産の査定の参考になる情報を提供していきたいと思います。

神戸ハーバーランド ~「どんなテナントも失敗する」土地~

兵庫の再開発で最大の失敗の一つと言われるのが、「神戸ハーバーランド」です。1982年に工事を開始し10年後の1992年に完成したこの街は、登場時は「東のみなとみらい21、西のハーバーランド」と言われるほど注目されていました。

実際、神戸駅のすぐ側でのウォーターフロントは、交通の便、景観とも立地条件は抜群でした。

西武や阪急百貨店などの大手も勇んで出店し、神戸の一大商業地となるかと思いきや、これらのテナントも、後に続くテナントも、ことごとく赤字で撤退してしまいました。

駅とハーバーランドを分断する、国道と阪神高速

この失敗の原因は、神戸駅とハーバーランドの間に、阪神高速道路と国道2号線が走っている、ということです。

このため、遠回りして2階デッキを通るか、地下道を通って移動するしか手段がなく、その面倒くささゆえに人々の足を遠ざける結果となりました。

また、周辺の道路の整備もハーバーランドへの動線をまったく意識していないため、自動車でのアクセスも悪く、特に高速道の出口では事故も頻発しています。

このように、一見理想的な立地条件に見えても、実はものすごく集客をしにくい場所だったのですが、そのことにオープン当初は兵庫県の関係者を含め、誰も気づかなかったというわけです。

こういった前例がありますので、いま現在兵庫県で行われている再開発も、人の動線など基本的な部分を無視していないか注意する必要があります。

そうしたチェックをして「この再開発は成功する」と思えば、将来には兵庫県の不動産査定の評価も上がると判断していいでしょう。

空港島の95%が売れ残り。廃港の声も大きい神戸空港

神戸空港の開港は2006年ですが、すぐ近くに関西国際空港、伊丹空港がある中で、「本当に必要なのか?」という声は建設当初からありました。

実際、開港以来7年間赤字が続いており、利用者は予測の半分、取扱貨物量はピーク時の3分の1、着陸料収入は予測の3分の1と、どの数字を見ても予想を下回る結果となっています。

不動産に関していえば、造成した空港島の土地を売って借金を返済する予定でしたが、土地は5%しか売れておらず、借金はほとんど市の税金から返済している形です。

2009年には、前原前国交相や関西経済同友会の山中代表幹事などが、早くも「廃港」を提案するなど、開港3年ですでにその存在意義を疑問視されていました。

神戸空港は今後、兵庫の不動産査定にどう影響するか?

神戸空港が本当に廃港されるかどうかはさておき、兵庫県の関係者がその可能性も考慮して不動産市場を見ているということは間違いありません。

ということは、廃港の動きが少しでも見られたら、兵庫県の不動産査定の評価も一気に動くということです。

実際に廃港するかどうかが問題なのではなく、それに備えて事前に市場がどう動くかという点に注目することが大切です。つまり「廃港が決まったらすぐに市場が動く」ということが問題なのです。

不動産の査定を有利に運ぶためには、こうした問題については私情を捨てて、あくまで「市場はどう動くか?」だけを見る必要があります。そうした冷静な判断ができれば、不動産査定でもより有利な評価を受けることが可能になるでしょう。

過疎化する海の上の住宅街「ポートアイランド」

兵庫県(神戸市)を代表する繁華街は三宮ですが、そこから10分の湾岸に「ポートアイランド」があります。神戸市のシンボルとなることを期待された「海の上の住宅街」でしたが、いまは過疎化しています。

最大の原因は交通の不便さにあります。三宮までは電車で10分で出ることができますが、そこから大阪まで行くには計3回の乗り換えで50分かかります。

神戸に住む人々は、三宮で働く人も多いですが、大阪で働く人も多いです。つまり、この周辺に住宅地を造るなら、大阪へのアクセスを考えずしては成り立たないのです。

しかし、ポートアイランドはそれを無視して造ってしまいました。結果、マンションでもオフィス物件でも空室が多くなっており、「神戸の再開発失敗の代表例」として取り上げられています。

路線がJRなどに売却される?

このように不便になった原因は、神戸市がJRなどを使わず「自前の鉄道」を用意したことにあります。

もしJRなどの私鉄を呼び込んでいれば、「ポートアイランド―大阪直通の特急」のような車両が作られ、30分程度で大阪にアクセスできていた可能性もあります。

しかし、それをしなかったため、乗り換え回数が1回増え、乗り換えのために三宮駅でも長い距離を歩く、という状態になってしまったのです。

「神戸市が利益を独占しようとして失敗した」と専門家は指摘していますが、逆に言えば「いまからでもJRなどが来れば、ポートアイランドは栄える」という可能性もあります。

実際、この路線がJRなどに売却されるという話も持ち上がっており、実現したらポートアイランドを中心に、湾岸エリアの不動産も大きく変化が起きることでしょう。

兵庫の不動産査定にも当然大きな影響が出るので、このエリアに不動産を持っている方は、ぜひこれらの情報をチェックしたいものです。

兵庫県で不動産の査定を有利にするために

ここまで紹介したように、兵庫県の再開発は閣僚や財界人からも「失敗」と指摘される状況になっています。もちろん、中には成功した再開発もたくさんありますが、大規模なものがいくつか失敗しているというのは事実です。

これを不動産投資の面で考えてみると、再開発の流れにそのまま乗ってしまった場合は大きなマイナスですが、それに乗らなかった場合には、むしろプラスとなる場合があります。

というのは、県が仕掛けている再開発であれば、多くの人は「成功する」というイメージを抱き、それに乗って不動産を買うなどの行動を起こすからです。

そうして再開発をする地域では不動産の査定価格が上昇するわけですが、この時に売ってしまえば、高い査定価格のまま、利益を手にすることができます。

もちろん、再開発が成功すればその地域の物件の価値は上がり、「待ってから売った方がよかった」ということになるかも知れません。

しかし、兵庫県の場合はここまで紹介したように失敗事例が多いわけですから、その可能性を常に考慮して、将来を予測するべきでしょう。

結果的に失敗となる再開発も、そうしてうまく「利用」してしまえばむしろチャンスなのです。不動産に限らず投資というのは、「多くの人が買いたがっている時に売り、売りたがっている時に買う」という「人の逆」をやるのがポイントです。

再開発が成功すると信じて多くの人が「買い」に走っている状態のときははまさに「売る」べき時であり、再開発の失敗がわかり、多くの人が「売り」に走っている時は「買い」のチャンスなのです。

このような「投資の感覚」も持ちながら不動産査定のタイミングを計ると、それを知らない人にくらべてかなり有利になることでしょう。

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