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不動産査定Campus~マンションや不動産の売却のお役立ち情報

埼玉のマンション査定の今後 ~10年後の価値は7割減って本当?

埼玉県など首都圏のマンションは、今後の査定額が大きく下がることが懸念されています。今、新築で買った物件の価値が「10年後には7割減になっている」と指摘する専門家もいます。

ここでは、なぜそのような予測がされるのか、そうした状況下でマンションの査定を受けるベストのタイミングはあるのか、といった点を埼玉県の案件を例にまとめて解説してみたいと思います。

埼玉の新築マンションは、10年後は「7割減」?

首都圏郊外、つまり千葉や埼玉の新築マンションは、10年後には買った時の価格の3割まで価値が落ちている可能性があります。一般的なマンション査定の相場は「10年で5割減」なので、かなりの目減りと言えそうです。

埼玉ではマンションが供給過剰状態となっています。、千葉県や神奈川県(特に川崎市)はさらに過剰です。特に千葉県の供給過剰は「2000年代後半のミニバブル崩壊にも匹敵」とわれるほどで、関係者の多くが危機感を抱いています。

そのような供給過剰に加えて、埼玉県などの首都圏の人口が今後減少傾向に入ります。こうした状況も踏まえて、住宅ジャーナリストの榊淳司氏は「10年で7割減」の時代を「想像でも予想でもなく現実の話」と指摘しています。

すでに大手デベロッパーは、郊外での新築を避けている
「10年で7割減」が真実味を帯びてきた一つの事例として、大手デベロッパーが、すでに郊外でのマンションの新築を避けている、ということが挙げられます。この場合の「郊外」とは、「首都圏郊外」でなく、さいたま市や千葉市などをさします。

そうして郊外を避けて駅前に建てたマンションはどうかというと、千葉、神奈川は相当な苦戦を強いられています。もちろん埼玉もこれから例外ではなくなるでしょう。特に川崎(神奈川)では、駅から1分の高級マンションが販売から3年以上経っても売れ残っているという事態も起きています。

それほど首都圏のマンションの供給過剰は深刻であり、榊氏が指摘する「10年で7割減の時代にすでに入っている」というのは、かなり信ぴょう性が高くなってきていると言えるでしょう。

なぜ、そこまで供給過剰になるのか?

こうした供給過剰の話を聞いていると「なぜ、プロがそんなお粗末なことをするのか?」と思われるかも知れません。もちろん、デベロッパーも自信満々でマンションを新築したわけではなく、供給過剰になるリスクは、ある程度意識しています。

それでもこのようにマンションを建設するのは、「そうしないと仕事にならない」からです。デベロッパーが「絶対に成功する条件が整ってからマンションを建てる」という方針で仕事をしていたら、そもそもデベロッパーとしての仕事を放棄するに等しくなってしまうからです。

「マンションを建てて、売る」ことによって売上が上がるわけですら、まずは「マンションを建てる」ということをしなければ、仕事が発生しないわけです。

そのため、供給過剰になる恐れがあるとわかっていても、デベロッパーは成功の可能性に賭けてマンションを新築せざるを得ないのです。

こういったデベロッパーの供給過剰は、当然のことながらマンションの査定においては大きなマイナス要因になってきます。

いま買ったばかりのマンションが10年後に3割の査定額しかならないとしたら、それはショックでしょう。しかし、その可能性は十分にあるのです。

さいたま新都心の再開発は成功するか?

このように、デベロッパーの計画が必ず成功するとは限りません。そして、これは県や市町村の再開発計画も同じです。

ということは、今現在起きているさいたま新都心の再開発などの計画も、「失敗する可能性もある」という前提で、マンションの査定のタイミングを考えるべきです。

再計画が最初から成功すると決まっているなら、地域の不動産の価値もあがり、それに伴いマンションの査定額もあがるということは容易に想像できます。

しかし、再計画に失敗して物件の供給過剰を招いたり、地域のイメージをダウンさせてしまったりすると、査定においてはマイナス評価となることも起こりうるわけです。

仮に再開発が成功しても、物件の条件によっては査定に有利になったり不利になったりします。それに加えて再開発という不確定要素が加わるとなると、マンションの査定そのものが博打となってしまいます。

マンションなどの不動産をベストのタイミングで売るということがいかに難しいか、こうしたことを考えるとよくわかると思います。不動産投資も株の売買と同様にリスクがあるということになります。

さいたま新都心が成功したら、マンションの査定はどうなるか?

「さいたま新都心」というのは、実は駅名です。さいたま市の街開きとともに誕生した駅で、JR宇都宮線・高崎線の双方を有しています。

今ではその名の通り埼玉県を代表するビジネス街となっており、今後はこれを住宅街、ショッピング街としても発展させる計画です。

2015年にはゴルフ練習場跡に大型の商業施設が完成する予定で、ほかにもさいたま市による都市公園の整備、さいたま赤十字病院の設置などが進められています。

これらがすべて成功したら、ビジネス街であるこの新都心が「住みやすい街」にもなり、マンションのニーズも高まることでしょう。ただ、同時に新築マンションもいくつか建設されるため、その新築物件がマンション査定にどれだけ影響を及ぼすかというのは判断が難しいところです。

新築物件と競い合う形になった場合、査定額が下がる可能性がありますし、競わない物件なら、地域が便利になることで、査定の評価は上がる可能性もあるとみていいでしょう。

このように、さいたま市の新都心の再開発が成功しても、それで恩恵を受けられるかどうかは、あくまでその物件の立地条件などで変わります。

そして、それらの条件などから推測したとしても、実際の査定額が自分の思った通りにならない可能性もあります。

また、取り扱う業者によっても評価は変わってきますので、実際にマンションの査定を受ける際には、1社でも多くの会社に査定額を出してもらうようにするといいでしょう。

今後の埼玉で査定を左右する材料

今後の埼玉でマンションの査定額をを左右する材料いついて解説してみたいと思います。

北陸新幹線の開業(2014年末)
北陸新幹線が2014年末に開業すると、東京と金沢が新幹線で結ばれ、埼玉県の大宮はその中継地点となります。

距離的にここで宿泊したり休憩したりするのにピッタリな場所であるため、大宮の商業にとっては大きくプラスになる可能性があります。

特に大宮はここを拠点として関東の各地にアクセスできるため、北陸の企業が関東に進出する際の拠点となることも想像でき、オフィス物件の査定も有利になる可能性があります。

東京オリンピックの招致(2013年~)
この影響は言うまでもないでしょう。これによって東京の地価や住宅の建設コストが高騰しているため、その恩恵が埼玉にも来ることになるでしょう。

すでに埼玉に物件を持っている人にとっては、東京での上昇に引きずられる形で、マンションの査定額が上がる可能性が高いので、今後が楽しみとなるでしょう。

逆にこれから住宅を建てる方にとっては、地価が上がること、建設コストが上がることがマイナス要因となることでしょう。

リニア新幹線の開業(2027年)
神奈川や名古屋には大きな影響を及ぼすリニア開業ですが、通過点でない埼玉にとっては、特に大きな影響はないと見られます。

開業当初は観光客も物珍しさでリニアに集中するでしょうが、それは一時的なもので、理由があって埼玉や北関東を訪れる観光客の数は、さほど変わらないと推測されます。

ということは、リニア開通によって逆に何かを奪われるということもないので、基本的には埼玉のマンション査定には影響がないと考えていいでしょう。しかし、東京が便利になることによって「埼玉→東京」といった形で、人口が流れてしまうという悪影響はあるかも知れません。

このように、埼玉の不動産市場が抱える不安要素、逆にプラスに働く要素はたくさんありますが、これらが自身の物件の査定にどう作用するか、しっかり分析した上で売却のタイミングを計るといいでしょう。

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