中古車の買取相場が動く要因は?~高値で売却するためのポイント~

中古車の買取価格の変動には、いくつかの要因があります。予測不可能なものも一部ありますが、ほとんどは大まかな予測が可能で、これを知ることで買取価格の変動も予想できます。

ここでは、その要因のうち主なものを5つ紹介します。

1.自車種のモデルチェンジ・マイナーチェンジ
2.競合の新車のヒット
3. 災害、ガソリン代の値上がり、自動車関連の税制の改正など
4.急激な景気の悪化
5.(ヒットしている新車を買う場合)数年後の買取が確実に不利

以下、それぞれ詳しく解説していきます。

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1.モデルチェンジ・マイナーチェンジで買取価格が下がる

一番予測しやすい要因は、「その車種のモデルチェンジやマイナーチェンジによって買取価格が下がる」というもの。これで買取価格が下がる理由は2つあります。

(1)旧型のモデルが中古市場に多く流れる

まず、新しいモデルが販売されると、それまで旧型に乗っていたユーザーが、新型に乗り換えることが多くなります。これにより、中古市場に流れる旧型の中古の在庫が増加。

「供給が増えた分、買取価格も落ちる」というわけです。これは、その新型が「売れれば売れるほど」よく起きます。

つまり、旧型を買取に出す人にとって、一番の脅威は「新型が売れること」。マイナーチェンジやモデルチェンジは、むしろ失敗してくれた方が、旧型を買取に出す側にとってはありがたいわけです。

(2)新型の登場によって、旧型のイメージが落ちる

仮に「乗り換えユーザーがゼロ」だったとしても、新型が登場すれば旧型のイメージが落ちます。イメージが落ちれば、当然査定価格も安くなります。

「必ずしも新型がいいとは限らない」という声もあるでしょう。たしかに、デザインや走り心地に強いこだわりを持つマニアの方の場合、そういうことも多いです。

しかし、細かい違いを意識していない一般ユーザーの場合は、基本的に「新型の方がいい」のが常識なので、価値も新型の方が高くなります。

相対的に旧型の価値は落ちて、査定価格も下がってしまうわけです。

以上、2つの理由によってモデルチェンジ・マイナーチェンジは旧型の買取を安くする原因となります。

このため、特に値段の高いものの場合、これらの改良を短い間隔ですると「自分の車の価値を落とされた」として、反発するユーザーもいるのです。

2.同じタイプの競合の、新車がヒットする

たとえば軽自動車を売却したい場合、同じタイプの新車がヒットするとマイナスになります。その新車を買う人は、軽自動車に乗っていた人が多く、これまで乗っていた車を中古で売りに出すからです。

こうなると中古市場に流れる軽自動車の数が増え、市場は供給過剰状態になります。これによって、査定価格も下がるというわけです。

また「新車が」と書きましたが「ライバルの中古がヒットしても、影響が出るのでは?」と思う方もいるかも知れません。

たしかにそうですが、特定の車種の「中古だけ」がヒットするということはまずありません。新車がヒットすれば、その車種のイメージがよくなり、中古も売れるようになる、ということはあるでしょう。

しかし、これは結局「新車のヒット」によるものです。このため、競合のヒットからの影響については「新車がヒットした場合」に、ほぼ限定されるわけです。

3.ガソリン代の値上げ、自動車税の改正、災害など

ユーザーに「燃費の重要さ」を意識させる「イベント」が起きると、中古の査定にも変化が起きます。「燃費のいいもの」は高く査定され、「燃費の悪いもの」は安く査定されるわけです。

具体的にはガソリン代の値上げ、自動車関連の税法の改正、災害などがあげられます。たとえば2014年の4月には消費税の増税と「温暖化対策税」の導入が重なり、ガソリン代が大きく値上がりしました。

これによって今まで以上に「低燃費」を意識するユーザーが増え、軽自動車・コンパクトカー・ハイブリッドなどの人気が中古市場でも高まりました。

「災害」に関しては、言うまでもなく東日本大震災のような事件が大きく影響します。震災後のガソリン高によって、軽自動車・コンパクトカーなどの低燃費なジャンルが人気となったのはご存知の通りです。

「関連の税法」については、現時点では「重量」「排気量」などいろいろな要素によって税金が決まっています。

この税法が改正されて「ボディが大きいと、税金が高くなる」などの事態となると、軽自動車・コンパクトカーなどはさらに人気となります。

こうした法改正はそうそう起きるものではありませんが、仮に起きた場合、確実に中古市場の相場を動かす要因となります。

4.高級車の場合、景気の悪化で買取価格が落ちる

高級車の場合は、景気が悪化すると買取価格が落ちます。

特に2008年のリーマン・ショックのように「突然襲ってくる」景気変動は要注意。長期的な景気の悪化と違い、こうしたケースは予想がつかないからです。

実際、この時期に買われたベンツやBMWなどがすぐに売りに出され、まだ新品同然の1年落ちなのに、数百万円安い価格で売られている、というケースが多く見られました。

羽振りのよかった方々がこれらのブランドに手を出し、直後のリーマン・ショックで打撃を受けて売りに出した、ということが想像できますが、何ともお気の毒なケースです。

一方、コンパクトカーなどのジャンルの場合、不景気でもそれほど大きな影響を受けることはまれです。

しかし、BMWやベンツのようなブランドは、絵画や骨董品などと同じく「生活に必要のない贅沢品」です。不況時にはそれなりの打撃を受けるということを覚悟して、買うようにするべきでしょう。

5.人気の新車を買うと、数年後の買取で不利に

人気の新車を買う方は、「これだけ人気があれば、中古で買取に出す時も高く売れるだろう」と思っていることが多いでしょう。しかし実際は逆で、ヒットしている場合、数年後の査定では逆に不利になります。

理由は、上記で触れたように「供給過剰」になるからです。1年~2年のうちは、まだその車を査定に出さないユーザーが多いので、査定で大きく不利になることもないでしょう。

しかし、「最初の車検」の3年目が近づくと、売りに出すユーザーが急速に増加。大ヒットしていた分、このユーザーの人数も多くなり、これで一気に査定価格が下がるというわけです。

もちろん、人気である以上いい性能・デザインということであり、それが欲しくなるのは自然でしょう。

そのため、それを買うこと自体はもちろんいいのですが、数年後の査定で不利になることが多い、ということだけは意識した方がいいかと思います。

(逆に言えば、1~2年程度で、価値が高いうちに売りに出すならOKということです)

査定価格の変動を予測して、その前に売却に出そう

以上、査定価格が下がる主な要因を5つ紹介しましたが、これらによって査定の変動を事前に予測していれば、早めに売却に出すことが可能です。

「景気の急激な悪化」「災害」などは予想できませんが、その他のケースは日頃から情報収集をしていることで予想できます。チェックすべき項目をあらためて箇条書きすると、下記のようになります。

・自分の車種の今後のモデルチェンジ・マイナーチェンジの予定
・ライバル車種の今後の動向(モデルチェンジや、全く新しい新車の登場など)
・ガソリン代や車両価格が上がるような税法改正の予定
(ボディが大きい&エコでないタイプが不利になる法改正が多い)

そして、日頃からチェックしなくても「常に起きるセオリー」として、「ヒットした新車は、数年後の査定で不利」という「やや意外な事実」もしっかり押さえておきましょう。

これらのポイントを押さえていることで、より有利で快適なカーライフを送ることができます。

雑誌などを買わなくてもネット上の情報のみで十分チェックできる内容なので、ぜひ意識していただけたらと思います。

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