レクサスLSの査定 ~高級車の中で、最も買取価格の高い車種~

レクサスLSは競合車のベンツ・Sクラスなどを超えて、高級車の中でも特に高値で査定・買取をしてもらえる車種です。

Sクラスの買取価格を4~8%上回っており、高級車の中ではもっとも高額査定が期待できる車種、と言えるでしょう。

ここでは、レクサスLSの現在の中古車の相場と、2012年のマイナーチェンジなど、今後の査定に影響を与えるであろう情報を紹介していきます。

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レクサスLSの中古車市場での価格相場

レクサスLSの中古車の価格は、157~1062万円が相場となっています。最安値と最高値の差が激しいのは、2006年から現在まで8年間のすべての年式が入っているためです。

平均価格は「334.9万円」で、平均の年式(登録年)は「2007年」です。では、このレクサスLSの中古車の価格が、他の高級車と比較して高いのかどうか、ライバル車種と比較してみましょう。

レクサスLSの買取価格を、ライバル車種と比較する

レクサスLSのライバル車種は、メルセデス・ベンツのSクラス、BMWの7シリーズなどが主なものです。これらの買取価格とレクサスLSの買取価格を比較します。

ガリバー自動車研究所のデータでは、3年後の買取価格は下記のようになっています。(新車の何%の価格で買取してもらえるか、というデータです。以下、一覧)

・レクサスLS…58~64%
・Sクラス…54~58%
・7シリーズ…33~35%

これを見ると、BMWの7シリーズとの買取価格の差は、圧倒的なことがわかります。新車ではライバルである7シリーズも、中古車で比較すると、レクサスLSの敵ではないわけです。

一方、ベンツのSクラスの買取価格は、レクサスLSにかなり近くなっています。ただ、このレベルの高級車になると、査定の価格が1%違うだけでも、6~10万円の差が出ます。(1000万円の1%は10万円なので)

それが、4~8%違うということは、単純計算で24~80万円の査定価格の差になる、ということです。

高級車の査定価格のパーセンテージは、一般車とはまったく違う感覚で見る必要があることが、この計算でもわかります。

2012年の「メジャーチェンジ」がレクサスLSの査定に与える影響

2012年、レクサスLSは「メジャーチェンジ」を行いました。これは日本ではマイナーチェンジと呼ばれていますが、アメリカではそれよりワンランク上の改良である「メジャーチェンジ」に位置づけられています。

これが日本の中古車市場に与える影響ですが、他の一般的な車種のマイナーチェンジほどは大きくないと言えます。

というのは、普通の車種と違って1000万円前後のレクサスLSは、「新しいのが出た」という理由で簡単に乗り換えられるものではないからです。

そのため、マイナーチェンジをしてもすぐに市場が動くことはなく、他の車種ほど査定価格が変化することはないと言えます。

ただ、旧型の価値が落ちるのはたしかなので、「査定への影響はゼロ」というわけでもありません。とりあえず「他の車種ほど慌てる必要はない」ということです。

レクサスLSの中古は、なぜ高く査定されるのか?

先のガリバーのデータでもわかるように、レクサスLSの中古車は、競合車種の中でもひときわ高く査定されています。

その理由について、鈴木詳一氏(ガリバー自動車研究所所長)は「品質トラブルが少ないこと」をあげています。

これは日本人だとさらっと聞き流してしまう言葉ですが、海外では大きな意味を持ちます。日本では「車は壊れないのが当たり前」ですが、海外ではそうではないからです。

特に中古車の場合は品質の心配が大きくなりますから、「品質トラブルが少ない」ということは、十分高額査定の理由になるのです。

・トヨタの販売の大部分は海外である

上記の話を読んで「いや、海外のことは関係ないからね」と思った方もいるかも知れません。しかし、車に詳しい方はご存知でしょうが、いまトヨタ車の約8割は海外で売れているのです。

つまり、トヨタやレクサスLSの開発に影響を与えるのは、むしろ日本よりも海外の動向の方なのです。(実際、2012年のマイナーチェンジ後のモデルも、先に北米で販売されました)

・途上国で「中古の中古」のレクサスLSが売れる

途上国で日本車の評価が高いのは、いまさら説明不要ですが、その中でもトヨタは最上位に入っています。

たとえばカンボジアの首都・プノンペンを歩いていると「トヨタのシェアが5割」と言ってもいいくらい、トヨタ車ばかりを見かけます。

「20年落ちの車両」と聞いても信じられるような古いものも多く「中古の中古」でも、日本車やトヨタ車は途上国で十分価値があることを感じます。

そして「中古の中古」(場合によってはさらに中古)でも売るためには、「最初の品質が相当よくないといけない」わけです。BMWやベンツでは、おそらくこうした「使い回し」には耐えられないでしょう。

一方、レクサスLSは耐えられるので、「中古の中古」で買う人すら「まだ、俺が乗った後も売れるな」と考えて、買ってくれるわけです。

「品質がいい」ということは「いつまでも買取価格がつく」という大きな利点があるのですね。「最後まで値段がつく」=「最初の買取価格が高くなってもいい」ということです。

1回目の売却の舞台こそ日本でも、その後古くなって途上国なども転々とする可能性を考えると、「品質」がいかに査定で大きな武器となるかわかるでしょう。

レクサスLSのブランド価値について

上記ように、途上国などでは品質が評価されているものの、ブランドや格式にこだわるヨーロッパでは、レクサスLSの人気はいまいちです。

中国での人気についても、アナリストの中西孝樹氏は「ベンツやBMWは高くて買えないので、手が届くレクサスに乗っている人が多い」と指摘しており、「高級ブランド」には程遠い状態だといえます。
(2013年10月21日のMSN産経ニュースより)

唯一成功しているのはアメリカですが、これもレクサスのトップで、トヨタ専務の伊勢清貴氏自身が「ブランドが評価されたわけではない」という趣旨の発言をされています。

*「アメリカは『良いものを良い』として買う市場。だから受け入れられた」と発言。(引用元は同上)

・日本でのブランド価値も弱い

外国の話に限らず、レクサスのブランドは日本でもまだ弱いと言えます。

もともと人間は、身近なものにはあまり価値を感じないので仕方ないかも知れませんが、「どんな車でも乗っていい」と言われたら、レクサスよりベンツやBMWなどの外車を選ぶ人の方が多いでしょう。

2012年のマイナーチェンジの際も、それまでのモデルについて、産経Bizの記事も「年配のまじめな退職者が乗るイメージ」と表現しています。(2012年10月21日の記事より)

これはもちろんマイナーチェンジを褒める記事なのですが、それでも以前のモデルについて主要メディアがこうした表現をするくらい、「レクサスのブランドは、いまひとつ劣る」わけです。

トヨタはもちろんこのイメージの打開を図っていますし、それが成功すれば、中古車市場での価値も上がっていくことでしょう。

まとめ

このようにブランド価値がいまいちなレクサスですが、よく考えると、まだこのブランドが登場してから、25年しか経っていないのです。

BMWやベンツなどの海外メーカーが100年以上かけてそのブランドを築いてきたのに対し、レクサスはまだ4分の1の歴史しかないわけです。

そのハンディを背負いながらでも、すでにベンツやBMWと比較されるレベルになっているのですから、これは冷静に考えればすごいことかも知れません。

日本勢の大衆車の世界での人気に比べると、やや見劣りがするというだけで、ここまでのレクサス、トヨタの成長はかなりの健闘と言うこともできるでしょう。

もちろん、トヨタはこの程度では満足していないでしょうし、日本の自動車ファンで外国車好きの方でも、レクサスがBMWやベンツを超えたりしたら、何だかんだで嬉しい人が多いでしょう。

日本と世界の自動車市場の成長のためにも、トヨタには今後もこのブランドを育てていってもらいたいものです。

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