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不動産査定Campus~マンションや不動産の売却のお役立ち情報

表参道の不動産売却 ~東京有数の売り手市場だが不況に注意

ファッションやグルメなど、あらゆる方面で日本の最先端を行く表参道は不動産の売却においても巨大な金額が動く土地です。

そんな表参道も、リーマン・ショック以後は地価・賃料ともに落ち込んでいましたが、2013年秋頃から回復し始めました。

ここでは、表参道の不動産売却する際に役に立つと思われる情報に触れてみたいと思います。

住宅、マンションは東京でも有数の売り手市場

表参道の不動産市場は東京でも屈指の売り手市場です。リーマン・ショック直後など、一時的に買い手市場となることもありましたが、基本的には常に売り手市場です。

1LDKで20万円が普通という家賃の高さや、昭和40年代の古いマンションが中心部に多く残っていることを見ても、それがわかります。つまり、これだけ築年が古い建物でも、十分買い手がつくということです。

ファミリー向けの分譲マンションの最低価格も8000万円~1億円程度で、賃貸、分譲ともに不動産の価値そのものが非常に高い土地だといえます。

このように、すでに物件を持っていて、それを売却する人にとっては有利な土地といえますが、デメリットもあります。それは不況の影響を受けやすいということです。

不況の影響を受けやすい ~リーマン・ショックで地価が6割安に~

表参道のような「セレブのための街」は、商品でいうなら宝飾品や絵画のようなものです。

景気が上向いていて、お金に余裕のある人が多い時には売れますが、景気が悪くなればあっという間に買い手がいなくなってしまいます。

実際、2008年のリーマン・ショック直後には、表参道の地価は最大で6割も下がってしまいました。つまり1億の土地が4000万円になってしまったということです。

この時期は東京の各地で地価が大幅に下がりましたが、その中でも表参道はもっとも下がった地域で「不況に弱い」というこの地域の特徴を改めて印象付けました。

2013年秋から回復傾向

この地域は銀座などと並んでリーマン・ショック以後、しばらく家賃や地価の低迷が続いていました。

しかし、「日経不動産マーケット情報」によれば、2013年9月には表参道・銀座の賃料ははっきりと回復し始めています。

渋谷・池袋など周辺の繁華街がまだ回復していない中で、表参道や銀座の底力を見せつける形となりました。

店舗物件に関しても、1坪当たりの賃料が平均4万円まで戻り、それまでしばしば見られた坪単価3万円レベルの物件は見られなくなりました。

他の各種調査でも表参道への出店意欲は増加傾向にあることが見られ、今後も賃料は上向いていくと期待されています。

こうして不動産の価格が上がり始めたことを考えると、「もう少し待って、さらに値上がりしてから売却する」という判断もアリだと言えます。

もちろん必ず上がるという保証はありませんが、現在の日本全体の動向を見る限り、何らかの災害などが起きない限りはしばらく安定しそう、と多くの方が感じているでしょう。

そのため表参道の不動産売却においては「さらなる値上がりを待つ」という選択は間違いではないと思います。その場合も、不動産会社に査定を依頼して現時点における売却価格の目安はつかんでおくといいでしょう。

表参道の不動産の動向 ~駐車場・空き地が増加~

ここ数年の表参道は、以前よりも空き地や駐車場が目立っています。

アベノミクスでいくらか景気が回復したといっても、まだまだ経済は不安定であり、分譲マンションなどを建てることをリスクと感じるオーナーも多いということでしょう。

もちろん景気さえ回復すれば、ほかではあり得ないほどの高額で不動産を売却できる土地ですし、もう少し経済が安定したら、これらの空き地にもまたマンションが建ち始めることでしょう。

そうすると競合が増えるということになりますが、景気が回復するということは、自分の所有物件も今より高く売却できるということです。

そう考えると、景気の回復を待って売却するのがいいか、その前に売却するのがいいか迷うところですが、これはやはりケース・バイ・ケースで判断するしかないのでしょう。

その判断材料として、現時点で売却したらいくらになるのか把握しておくことは大事で、そのためにもいくつかの不動産会社に査定をしてもらうといいでしょう。

表参道に住む予算がない人々の物件選びの動向

「表参道に住みたいけどとても予算がない」という方は多くいます。そうした方々の物件選びの動向なども把握しておくと、表参道の不動産を売却する上でプラスになると思います。

予算はないけど、できるだけこの近辺に住んで、このエリアの空気に日々触れていたいという方は、外苑西通り沿いを選ぶことが多いようです。

町名で言うと「西麻布2丁目」あたりですが、このあたりもエリアとしては表参道に分類されますし、実際歩いてみるとすぐ中心部にたどり着きます。

「毎日表参道の街を歩きたいけど、高額な家賃を払ってまで住むほどじゃない」という方にとっては、この周辺がベストの選択と言えるでしょう。

こうした「表参道のやや外れの場所」に不動産を持っている方は、あえてこうした場所を選ぶ方々の動向を把握することで、より適切な売却ができるようになります。

とくに景気が悪化して中心部に住めない人が多くなった時には、建物のグレードさえ高ければ、こうした「外れのエリア」はチャンスです。一応表参道ですし、建物さえおしゃれであれば、住む人として「格好がつく」からです。

不動産をうまく売却するためには、常にこうした買い手の「心理」を把握することが大切です。

表参道の不動産は、景気がいいうちに売却した方がいい

とくにリーマン・ショック後の「6割安」などの事例を見ると、表参道の不動産は景気がいいうちに売却した方がいい、といえます。

当たり前ですがずっと好景気が続く国はなく、少なくとも5年に1度程度のペースで、リーマン・ショックや震災のような「大事件」が起こるものです。

もちろん、そうして一時的に落ち込んでもまた回復するまで待つ、という選択もあるでしょう。しかし、その間にも固定資産税などを払わなくてはいけません。

何らかの理由で不動産を現金化したいという時も、景気が落ち込んでいるタイミングだったら、それができないわけです。

先程、もう少し値上がりするまで待つのもアリというお話をしましたが、手堅く考えるならば、早めに売却して現金化しておくという考え方も重要です。

まとめ

繰り返しになりますが、表参道における不動産というのは、宝飾品や骨董品、絵画のようなものなのです。ただ単に生活するだけならあえて必要なものではありませんので、生活が第一の不景気の際には、その価値は極端に落ちてしまいます。

反面、骨董品、絵画のように「付加価値」によって値段が決まるため、人間が価値を感じさえすればいくらでも値段が上がるということで、他の地域ではあり得ないほどの価格にもなりえます。

そのため、表参道の不動産市場は常に「投機的」と言われているわけです。

他の土地で不動産を売却しても、家電製品の処分などとほとんど変わらない「買った時より安いお金をもらって終わり」という取引になりがちですが、表参道の場合は、逆に買った時より高くなることもあり得るからです。

特にリーマン・ショック直後の6割安の時に買った人は、それが10割まで回復したら、6割分まるまる利益となるということです。そうしたダイナミックな取引ができるのは、この土地の大きな強みと言えるでしょう。

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