自動車保険の等級は乗り換えても引き継げる財産です

自動車保険における「等級」とは、自動車保険に加入しているひとの「事故実績」を20段階で表している制度のことです。事故を起こさず保険を使わなければ等級はあがっていき、等級が高いほど保険料の割引率が大きくなります。

等級は各保険会社に共通の制度ですから、会社を乗り換えたとしてもその実績は引き継がれます。

料金をどうやって決めているのか

自動車保険の掛け金は様々な要素で決定されます。ベースになるのは、車の種類、年式、型式(グレード)、運転する人の条件、保険の利用状況です。

これに加えて、年間の走行距離、車を主に何に使っているのか、主にどの地域で使うのか、使用者の免許証の色などの条件が料金を左右します。

これらの条件を会社ごとの基準で精査して、事故を起こして保険を多用しそうな人には高額の掛け金を、保険を使うことがなさそうな、会社にとってリスクの小さい人には低額の掛け金が割り振られるように決められています。

等級とはなんだろう

この中で、事故実績を測る基準として等級制度が採用されています。事故実績といっても、実際に起こしてきた事故をカウントしているわけではなく(それには警察の協力が必要になります)、自動車保険を使ったか、使わなかったかを20段階の等級で現します。

等級にはノンフリート等級とフリート等級があります。

ノンフリート等級は9台以下の自動車所有者を対象にした契約で使われます。一般の人が加入するのはこのノンフリート契約です。フリート契約は、10台以上の自動車に対して交わされる契約のことです。法人向の契約といえます。

ノンフリート等級は、新規契約では基本的に6等級から開始されます。契約日から1年間事故を起こさなければ(自動車保険を使わなければ)、次の年の契約更新の時に1等級あがります。等級があがればあがるほど掛け金の割引率が大きくなります。

事故を起こしてしまうと(自動車保険を使うと)、次の年から3等級もおちてしまいます。等級がおちれば割引率が小さくなり、同じ条件でも掛け金が高くなります。元の等級に戻すためには3年間事故を起こさず、保険を使わないようにしなくてはいけません。

20等級なら最高で63%料金が割引されます。逆に始終事故を起こして保険を使ってしまい3等級以下になると料金は割り増しされていってしまうのです。3等級で12%、2等級で28%、1等級では64%も割高になります。

引き継ぎをして実績を無駄にしない

この等級は保険会社間で共通の基準ですから、会社を乗り換えてもそのまま引き継ぐことが出来ます。無事故で長年培ってきた実績をそのまま次の会社の契約でも生かすことが出来るわけです。

契約している会社を乗り換えたとき、契約期間が満了していると等級の引き継ぎには1週間の猶予期間しかありません。せっかくの等級を無駄にしないために会社を乗り換えるときは余裕を持って早めに手続きを始めるようにしてください。

家族間の譲渡は可能?

等級は家族間でも引き継ぐ(譲渡する)ことが可能です。契約者の配偶者、同居の契約者の親族、同居の配偶者の親族であれば可能です。実子であっても同居していない場合は引き継ぎの対象になりません。

等級を譲渡したいときは、その旨を保険会社の担当者に伝えましょう。

契約者が譲渡する対象の車へ車両入替を行い、その後、譲渡させたい人に名義を書き換えればOKです。入れ替えた車両に乗らないのであれば廃車手続きを行い、継続して乗り続けるときは新規に契約します。

新規加入なので6等級からになりますが、自分自身しか乗らない条件付けや年齢制限をあげたり、ゴールド免許の割引などの特約を適用すればかなり低い金額で補償を継続することが出来るはずです。

自動車保険はあくまでも何かあったときの安心を得るための手段です。一生使わずに済めばそれに越したことはありません。そうやって培ってきた等級は会社を乗り替えても、契約の名義人が変わっても実績として残っていきます。

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