コペンの買取査定~12年ぶりの新型が市場に与える影響

販売終了から復活し、2014年6月に後継車種「COPEN」が登場しました。この「復活劇」の話題性もあり、コペンの買取査定の動向に大きな変動が起きるかと思いきや、そうとは限らないようです。

COPENの発売日は2014年6月19日ですが、その後「受注好調」というニュースは聞かれません。

ここでは、そんな新型コペンが旧型の買取査定に与える影響と、現在の中古車市場での相場などを紹介します。

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中古車市場での価格相場を見てみましょう

コペンの中古車の価格は、2014年5月21日時点で、39~245万が相場となっています。
平均価格は、109.7万円で、平均の年式は、2005年となっています。(カーセンサーnetのデータより)

モデルごとの相場がないのは、コペンは2002年に登場して以来、一度もモデルチェンジをしていないからです。今回の新型コペンの登場を「モデルチェンジ」とすれば、実に12年ぶりのことになります。

新型が出た場合「固定ファンが乗り換えに走って、買取価格が下落」というのがよくある流れですが、冒頭に書いたように、いまのところそのような流れにはなっておらず、買取査定への影響もそれほどないようです。

しかし、別の方面見た場合に、買取査定に影響が出る可能性もあります。それは、新型の不人気でコペンの価値自体が下がり、中古車の買取価格も下がる、というものです。その可能性を見ていきましょう。

新型の不人気で、買取価格はどのくらい下がるか

新型コペンがこのまま売れなかった場合、当然ながら旧型の買取査定における評価はある程度落ちます。

どの程度落ちるかは、「不人気」の程度にもよりますし、競合車種が今後どれだけヒットするかにもよります。仮に「売れなかったら」という前提で、買取査定への影響をシミュレーション」してみましょう。

たとえば中古で「ちょっと変わった面白い軽自動車」を探している人がいるとします。この場合、コペンやスズキのハスラーなどを候補に挙げるでしょう。

車にある程度詳しい方なら「軽自動車なのに本格的なスポーツカーテイスト」というコペンの魅力も知っていますし、ハスラーなどの競合車種とも、冷静な比較ができます。

しかし、知識がまったくない方の場合、「とりあえず検索して評判を見る」というパターンが多くなるでしょう。

もし、コペンが売れなければ、ネットなどで評判を見た人が、検索して出てくる「コペン失敗」「コペン不人気」などのネガティブな表現を目にすることになるでしょう。

一方、ハスラーは大ヒットしているので、しばらくの間は「ハスラー、人気で6ヶ月待ち」「スズキの最速○○万台記録更新」のような、景気のいい内容の記事が並ぶでしょう。

となると、何も知らないユーザーは「コペンはあまりよくないらしい。ハスラーにしよう」という安易な判断をしがちです。

こうして中古車市場でもコペン以外の車を選ぶ人が増えると、自ずとコペンの販売価格を下げざるを得ず、買取価格も当然安くせざるを得ないのです。

このような理由により、新型コペンが失敗してしまうと、旧型の査定にも大きく響くということが言えるわけです。

また、逆に大量に売れた場合には、冒頭に書いたように、新型への乗り換え需要により旧型の買取価格が安くなる可能性があります。

結局のところ「新型はほどほどに売れてくれる」というのが、旧型を売りに出す立場からするとベターかも知れません。

新型コペンの受注状況と、旧型の査定への影響

実際、新型の受注状況はどうなのか、正確なデータが発表されていないので、わかっている事実を元に推定していきます。

参考になる記事の一つに、2014年5月16日に『みんカラ』にアップされたものがあります。新型コペンの受注開始から6日後、ダイハツのディーラーに取材を行った方の記事です。

その方の取材によれば、その時点で、取材した東京の大手ダイハツディーラーでは「まだ1台も受注できていない」とのこと。

もちろん、その時点で6日しか経っていませんし、一つの店舗だけなので、全体では新型コペンも売れているかも知れません。

しかし、注目したいのはダイハツが展開しているキャンペーンに「6月19日までの受注で、3万円分のオプションを無料プレゼント」というものがあることです。

マーケティングの一環かも知れませんが、大ヒットしている車種であれば、こうしたキャンペーンはしなくても売れるはずです。

たとえば先述のスズキ・ハスラーの場合は、同じ軽自動車のジャンルで、販売直後から「半年待ち」状態が長らく続いています。

売れすぎて生産が追いつかない状態なので、上のようなキャンペーンなど絶対にしないでしょう。

ダイハツがこのようなキャンペーンをしているということは、「少なくとも生産に影響するほど売れていない」ということが読み取れます。

もちろん、ハスラーは稀に見る大ヒット車種の一つなので、比較するのは酷かも知れません。ただ、コペンの場合「新型が大量に売れて、旧型の買取に影響が出る」という状況ではないことは確かのようです。

コペンは、中古車価格が高い割に、買取価格は安い?

加えて、コペンの買取価格は「中古車価格が高い割に安い」と言われます。つまり、直接的に言うと「中古業者が安く買い取る割に、高く売っている」ということ。

通常、高く売られている中古車は買取査定の段階でも高いはずなのですが、それを安く買い叩いている、ということです。

この状況を、自動車総合情報サイトの『自動車リサーチ』も「リセールバリューが中古車の販売価格と比較して、あまり高くない」とコメントしています。

他にも複数のメディアでこうした指摘が見られるため「コペンは販売価格の割に買取が安い」というのは、多く見られる傾向と考えて、間違いないでしょう。

現在コペンに乗っているユーザーはどうすればいいのか?

結論から言うと、まずは「新型の売れ行きを見る」ということです。

他の大ヒット車種のように、それに乗り換えるために多くの人々が手持ちの旧型を買取に出し、それで中古車市場があふれる、ということはいまのところなさそうです。

そうした事態が起きないのであれば、まだ売却を急ぐ必要はないので、しばらく様子を観察してもいいでしょう。ただ、その際も現時点での査定額だけは知っておくべきです。

当初売る気でいても「買取査定額を見て、しばらく売却はしないことにした」と気が変わることもよくある話です。

もちろん、査定の評価が思った以上に高かったら、そのまま売ってしまってもいいでしょう。

どちらに転んでも、査定そのものを受けること自体には何のデメリットもないわけですから、まずはネット上の一括査定サイトなどを利用してみるといいでしょう。

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