タントの査定 ~『雨漏り』などによる買取価格の下落に注意~

  • タントの査定 ~『雨漏り』などによる買取価格の下落に注意~ はコメントを受け付けていません

軽自動車の中でも人気車種であるタントは、震災・増税によるガソリン高を受けて、さらに査定での買取価格がアップしています。

しかし、一時期「雨漏り」の問題で買取価格が下がったこともあり、今後もこのような不測の事態が起こる可能性を想定する必要があります。

この記事では、派生車種である「タントエグゼ」も含めて、この車種の査定の参考となるような情報を紹介します。

kaitori01

order6

タントの中古車市場での価格相場(モデル別)

タントの中古車の価格相場をモデル別に一覧にすると下のようになります。

・2003年モデル…7~145万円
・2007年モデル…30~190万円
・2013年モデル…98~198万円

(2014年5月14日のカーセンサーnetのデータより)

これを見ると、2013年モデルはまだ1年しか経っていないということで、最安値でも100万円近くと非常に高くなっています。また、2014年からのガソリン高を受けて、今後もしばらく高値が続くと見られます。

ただ、後述する「雨漏り」のようなトラブルが起こると、新しいモデルであってもいきなり価格が下落する可能性があるので注意が必要です。

買取価格が最も高いのは「タントエグゼ」

タントの中でも「エグゼ」「カスタム」といくつかのタイプがありますが、最も買取価格が高くなるのは「エグゼ」です。

エグゼはSMAPの香取慎吾さんを起用したCMなどで一般の認知度も非常に高くなっており、ただ低燃費なだけではない、カーライフを楽しめる軽自動車として支持されています。

ただ、エグゼをタントと分類するかどうかは難しいところで、モデルとしてはタントとムーブの中間のような立場にあります。

評論家にも「タントという名前はついているが、完全に別の車だと考えた方がいい」と指摘されることもあり、カーセンサーnetなどの車両検索では、タントとは別で扱われることが多いです。

しかし、ダイハツが「タント」という名前を冠している以上、一応タントの仲間であることは間違いありません。

実際、通常のタントとエグゼを比較して買うユーザーは多いですから、タントの中古車市場での動向を考える上では、エグゼの動向も一緒に考えるべきでしょう。

・エグゼの買取価格はなぜ高いのか?

エグゼの買取価格が高くなる理由は、「ライバルがいない」からです。つまり「似たタイプが少ない」ということです。

たとえば自動車評論家の国沢光宏氏はAll Aboutの「絶妙な立ち位置のタントエグゼ」というタイトルの記事で、「ライバル車は存在しない」「ダイハツのオリジナルカテゴリー」と評価されています。(2010年1月22日の記事)

エグゼのカテゴリーにはっきりとした名前はないのですが、前述のように「ムーブと通常タントの中間」という立ち位置です。

それぞれの車種のユーザーで「あと一歩足りない」という微妙な不満を感じていたユーザーにとっては、まさに「ドンピシャリ」という車種になるのでしょう。

このように新車の市場でライバルがいないということは、中古車市場でも当然ライバルがいないということです。そのためエグゼは特に査定では有利となっています。

中古車のタントの懸念事項「雨漏り」

2014年5月現在、「タント」と検索すると、キーワードの候補で「雨漏り」と出てきます。そのくらいあちこちで雨漏りが報告されているわけですが、これは中古車市場にも当然影響を与えています。

当然のことですが、乗っている間に一度雨漏りが起きた車両は、当然買取価格も安くなってしまいます。雨漏りの程度にもよりますが、いわば「軽い水没車」ですから、査定価格が低くなるのは当然と言えるでしょう。

・「修復歴」がついて査定価格が下がる可能性も

中古車は「修復歴」があると査定価格が下がってしまいます。メーカーに原因がある雨漏りの場合、修復歴に含まれるかどうかは微妙なところですが、もし含まれたとしたらこれで買取価格にも影響が出てしまいます。

「ダイハツが悪いのに、何で買取価格が下がるんだ」と思われるかも知れませんし、この不満はもっともだと思います。

しかし、中古車の買取価格というのは、その修復の責任が誰にあるかなどはどうでもいいことで、「次のユーザーにとって、その中古車の価値があるか」が大事なんです。

悪いのがダイハツであろうが前のオーナーであろうが、「雨漏りしたことのある車」は、次のユーザーにとってはマイナスでしかないのです。

ですから、雨漏りの責任が誰にあろうと、発覚した時点でもうその車は安く査定されるしかないのです。

・雨漏りのニュースによって、売りに出されるタントが増えた

こうした事情から、雨漏りのニュースが流れた頃、タントを売りに出すオーナーが増えました。「まだ雨漏りしていないうちに、早く売ろう」ということです。

「自分が雨で濡れるのがイヤ」というより「雨漏りのせいで買取価格が下がるのがイヤ」というわけです。

そのため、この時期の中古車市場ではタントの価格が下がる傾向が見られました。在庫がいつもより増えたことに加え、ニュースを聞いて「本当に大丈夫か?」と思ったユーザーが買うのを控えたわけです。

新車ですら雨漏りしていたのですから、中古車でユーザーが不安に思うのは当然と言えるでしょう。

このようなニュースは査定の動向にも大きく影響します。事前に把握できるものではありませんが、突然の「イベント」によって査定価格が急落することもある、ということは想定しましょう。

こうしたことを想定すると「悪いイベントが起こらないうちに、早めに売却する」という選択肢も浮かぶことでしょう。そんな時は査定だけでも受けておくことをおすすめします。

査定を受けたからといってすぐに売却しないといけないわけではないので、「いま売って、他の車に乗り換えてもいいな」と思ったら、何か問題が起こる前にそうした選択をするのもアリだと言えます。

タント専門店の情報

タントの専門店は千葉県の市川市に「TANTO’S」というショップが存在します。今のところWEBに情報がアップされているのはこのショップさんのみです。

千葉県ということで、関東に住んでいる方は買取を依頼する候補に入れてもいいかも知れません。特にカスタマイズされたタントなど、ややマニア向けの車両の場合はこうした専門店の方が高額で買取してもらえるでしょう。

ただその場合も、他の店舗での査定価格も把握した方がいいので、やはり一括見積もりは利用することをおすすめします。

ダイハツ直営の中古車情報サイトでの買取

ダイハツ直営の中古車情報サイトは「U-CATCH」といいます。ここではタント以外にもミラ、ムーヴ、コペンなどすべてのダイハツの車種がそろっており、活発に売買されています。

ダイハツのユーザーが集まるということで、在庫の回転速度も早く、在庫コストがかからない分高く査定してもらえる可能性もあります。

必ずしも専門店の方が高くなるとは限りませんが、メールで簡易査定を受けるだけならほとんど手間はありません。情報の一つとして、こうした場所でも見積もりを取るのはいいことでしょう。

まとめ

タントに限らず、なんらかの不具合が見つかることによって、その車種の中古車市場での人気が急落するというのはよくあることです。

買い手の側からしたら、そういう時を狙って買えばむしろチャンスとも言えるのですが、売り手にとってはこうした不具合は、やはりピンチです。

このような不具合はいつ起こるか誰にもわかりませんから、そうした不測の事態が起こる前に、現時点で納得できる査定価格だったら売ってしまう、というのも一つの賢い選択だと言えるでしょう。

こうした「決断の仕方」というのは、中古の売買に限らず、人生のありとあらゆる場面で応用がきくものかも知れません。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
コメントは利用できません。

ページ上部へ戻る