© バンドやるZooh!~バンド好きの仲間が集まる総合情報ポータル All rights reserved.

速弾きソロが簡単に?~クラッシック奏者に学ぶ効率的なギター練習法

クラシック奏者の練習方法にせまる

クラシック奏者とそれ以外のジャンルの奏者の一番の違いは「譜面を使うか否か」です。クラシック奏者は作曲専攻などの方を除くとほとんどの場合が、あらかじめ書かれた譜面を使用します。

別の言い方をすると、クラシック奏者の方は「テクニックをあげる」ための練習を多くします。簡単な話、ジャズなどの専門の方がコード解析やダイアトニックスケールの練習をする時間に、クラシック奏者は譜面を弾ききるためのテクニックを付ける練習をするわけです。

クラシック奏者の方はテクニックに特化した練習をするための特殊な練習方法をいくつか持っています。今回はその方法を見てみて、ギターに応用できないかどうかを考えて見ましょう。

スポンサーリンク

テクニックをあげるための練習方法とは?

話はそれますが、運動選手がトレーニングをしているところを見たことはありますか?実際に見ていなくても、テレビなどで見る機会はあるのではないでしょうか?選手達はトレーニングジムで汗だくになりながら、必死の形相でトレーニングをしています。

そこまでやる必要あるのでしょうか?

失礼しました(笑)。ありますよね。あれは、「筋力を付けたいところに負荷をかけ続けることによって、筋力アップを図る」ためのものです。サッカー選手はキック力を付けるために「ボールを蹴り続ける」のではなく「ボールよりも重い負荷をかけ続ける」のです。

徐々にお気づきでしょうか?音楽に戻りましょう。

今回ご紹介するクラシック奏者の練習方法は「リズムを変化させて練習する」というものです。たとえば、有名なディープパープルのハイウェウスターの速弾きソロの部分。

あなたならどのように練習しますか?ゆっくりからはじめて徐々にテンポをあげる?クラシック奏者はこのようなときに、迷わず「リズムを変化させる練習」を始めます。驚くべきは、この練習を5分するだけで、弾けないフレーズが弾けるようになるのです。

では具体的にリズムの変化方法をご紹介します。変化は簡単。2種類しかありません。

八分音符の連続(図1)を考えましょう。

藤原篤No2 02

ひとつ目の変化は八分音符を”付点八分+十六分”に変えて練習(図2)する。

藤原篤No2 03

ふたつ目の変化は八分音符を”十六分+付点八分”に変えて練習(図3)する。

藤原篤No2 04

これだけです。ひとつにつき4~5回、メトロノームに合わせて練習すると、あら不思議。元のフレーズが弾けるようになります(騙されたと思ってやってみてください!!)。

スポンサーリンク

リズム変化練習の秘密。「なぜ弾けるようになる?」

リズムを変化させる練習方法はクラシック奏者ならだれでも知っている練習方法です。しかし、なぜこの練習が効果的なのか、については知らない奏者が多いでしょう。この理屈を理解することで、さまざまな状況に応用することができます。

上述したふたつのリズム。練習の目的は「連続した音符の練習を、2音ずつに分ける」ことにあります。Highway Starのソロはかなりの音数があり、一気に練習することはとても難しいでしょう。

しかし、始めの音と次の音の2音だけだったら?だれでも弾けますね。図2の練習は「2音目と3音目の練習」ちょっと休んで「4音目と5音目の練習」ちょっと休んで「6音目と7音目の練習」…を行っているのです。

同じく図3は「1音目と2音目」「3音目と4音目」…ですね。これらを別々に練習し、つなげることで、すべてのフレーズを繋げて弾くことができる、という理屈です。

ここで課題。「図2と図3の難易度が違う…」

さて。実際にやってみるとすぐに気づくと思いますが、図2のリズムに比べて図3のリズムの方が圧倒的に弾きにくいと思います。なぜでしょう?

秘密はピッキングにあります。図2はアップ→ダウンの繰り返しですね。それに対して図3はダウン→アップの繰り返しになるのです。「図3の方が難しい」ということは「アップピッキングの直前には一瞬の隙ができる」わけです。

多くの方が感じていることではないでしょうか?

人間の体の構造、はたまた重力の向きから考えて、ダウンよりもアップの方がピッキングの難易度は高くなります。

じつは、図2の練習を省略したところで、図3の練習を集中的に行うことで、飛躍的にピッキングが安定します。今回紹介している方法は、「アップピッキングの練習につながる」といっても過言ではないのです。

苦手なところに負荷をかける

ここで、運動選手の筋力トレーニングの話に戻ります。「苦手な部分にあえて負荷をかける」という概念をアップピッキングに応用すると、いろいろと見えてきませんか?じつはほんとうに紹介したい「ギタリストが見落としがち」な部分を鍛える練習方法は「オールアップの練習」です(図4)。オールダウンの練習をする人は多くいますが、オールアップの練習をする人は見たことがありません。

藤原篤No2 05

しかし、ここまで見てきたとおり、ほんとうに練習したいところはアップであり、その部分を集中的に練習していくことはとても重要です。

私も実際にやっていることですが、試しにライブ前のウォーミングアップなどで、「オールアップの刻み」練習を1分でもやってみてください(驚くほどテンポを落とさないとできないと思います)。本番でのピッキングのスムーズさには劇的な変化があることをお約束します。

今回は一例を取り出しているだけですが、「苦手な部分を取り出して集中的に負荷をかける」という概念さえ持っていれば、あとは自分の苦手な部分をみつけて自分なりの練習方法を工夫できると思います。

どうしても弾けないフレーズに直面してしまったら、そのフレーズをゆっくり弾くだけでなく、「弾けない原因は何か?」を探り、その部分を練習することを実践してみてください。

スポンサーリンク


  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

コメントは利用できません。

リッケンバッカーが好きなのはザ・ビートルズのファンだけじゃない!

ザ・ビートルズのメンバーが弾いていたことで有名なギター、リッケンバッカー。ザ・ビートルズのファンならずともオールドロックファンなら一度はあこ…

進化するギタリストのためのスマホアプリ~自動でチューニングOK!

いまや毎日の生活になくてはならないのがスマホです。せっかくのなので、音楽活動にも生かしてみませんか?今回は「ギタリストがスマホにぜひ入れてお…

オブリガードでカッコよく決めるならオーティス・レディングを聴くべし

ボーカルを活かす歌ものバンドで、ギターを弾くときにギタリストの腕の見せどころなのが曲のあいまに弾くオブリガードです。 でもどんなフレー…

ギターソロでお客さんの視線を釘付けに!~ソロが映えるインスト曲

ギタリストなら、一度はライブのステージで長いギターソロを聴かせたいものです。ゲイリー・ムーア、カルロス・サンタナ、B’zの松本孝弘まで、ギタ…

キース・リチャーズとチャーリー・ワッツにみるギタリストとドラマーの相性

バンドを組むときに一番重要なのは音楽的な相性の良し悪しです。ギタリストとして自分の個性をどれだけ表現できるか?は実はドラマーとの相性にかかっ…

ページ上部へ戻る