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不動産査定Campus~マンションや不動産の売却のお役立ち情報

神戸のマンション査定においてミニバブルや阪神大震災の影響はあるか

リーマン・ショック前後に、日本の中でも特に不動産価格が乱高下した神戸市は、そのダメージからここ数年は、マンションの査定においても不調が続いていました。

しかし、近年は三宮駅周辺で大規模な再開発が進むなど、市場の復調の兆しも見られています。神戸市の不動産価格はなぜ乱高下したのか、そして今後どのように復調していくと見られているのか、この地域のマンション査定の参考になる情報を紹介してみたいと思います。

神戸市の不動産価格が乱高下した理由

神戸の不動産が乱高下した理由を元に、マンション査定におけるヒントを探ってみましょう。

まず、高騰したのは「ミニバブル」と呼ばれたリーマン・ショック前の時期です。この時期は神戸市に限らず日本の各地で不動産の価格が高騰していましたが、神戸はこの時期空港の開港が重なっていましたので、特にその影響を受けていました。

神戸空港のオープンは2006年でしたが、地域の歴史に残る一大イベントとミニバブルが重なったのですから、不動産価格が高騰したのも当然でしょう。この時期には、神戸市内中心部だけでも7つのホテルの建設が予定されていました。

年率20%超で上昇した2007年~08年

特に地価が激しく上昇した2007年~08年は、年率20%を超える上昇率でした。たとえば2006年に5億円だった土地は、07年には6億円になり、08年には7億200万円になっている、ということです。

事業用の土地であれば当然この程度では収まらない規模のものが多いです。この2年間に、この地域でどれだけの莫大な不動産マネーが動いたということが想像できるでしょう。

たとえばこの時期三宮センター街にある「三宮三和東洋ビル」は、83.9億円という巨額で取引されました。この時の取引利回りは純収益で4.4%という非常に高い数字で、ミニバブルの日本の中でも、神戸の市場は特に白熱していたことがわかります。

リーマン・ショックによる反動&急落

その後、日本全体がそうだったように、神戸の不動産市場もリーマン・ショックによって打撃を受けました。建設が計画されていた7つのホテルのうち、3つの計画が中止になったことも、その打撃の大きさを物語っています。

この「2度目のバブル崩壊」は、神戸の不動産市場に大きな教訓を残すと同時に、マンションの査定にも大きな影響をあたえました。

実需を伴う、堅実な投資に戻った神戸の不動産市場

現在の神戸の不動産市場は、実際の需要を伴った堅実な投資に戻っています。以前のように「投資用にマンションを買う」という投資家も少なくなりました。あくまで賃貸経営などの実態のある収益を計算できた時のみ、マンションを買うというスタイルです。

こうした流れにあっては、当然マンションの売買目的のための査定もミニバブル期ほどは活発になりません。賃貸経営のためのリサーチをするにはそれなりの時間がかかりますし、リサーチをした結果「買わない」という判断になることも当然あります。

このように、神戸でのマンション売買の流れが止まっている以上、当然不動産業者によるマンションの査定額自体も渋くなるでしょう。

しかし、実態のないバブル景気に踊らされてマンション投資に手を出し、取り返しのつかないほどの大打撃を受けることにくらべたら、手持ちのマンションの査定価格が渋くなることは、ある程度仕方のないことと考えるべきでしょう。

神戸市のマンション査定は今後どうなる?

これを予測するためには様々なデータ比較する必要がありますが、特に重要ないくつかのデータを見てみましょう。

今後の人口推移

この地域の人口はすでに減少傾向に入っています。2014年4月時点の人口は約154万人ですが、2020年には150万人、2030年には142万人、2035年には137万人と、かなりのペースで減少していくことが予想されています。(2008年の国立社会保障・人口問題研究所のデータより)

大都市で人口の減少が始まっている地域は、近隣ですと広島市などがありますが、神戸市の減少ペースはそれらの地域とくらべても早いものです。この点だけをみると、将来的にマンションの査定の評価が上昇することを期待する方にとっては、大きな不安材料となることでしょう。

神戸市の今後の高齢化率

これは他の大都市とほぼ同様です。上で紹介したデータで、老年人口割合は2020年に29.9%、2035年に34.4%になると見られており、他の大都市と同水準となっています。

そのため、この地域の高齢化率が他の地域にくらべて特別高くなるということはありませんが、将来のマンションの査定において不利な要因となることは間違いないでしょう。

高齢化は基本的に不動産市場にとって大きなマイナス要因となりますが、今の日本においてこの現状を打開するというのは困難であると考えられます。

プラス要素 ~三宮駅前の再開発計画~

次に神戸のマンション査定においてプラスとなりそうな要素を見ていきますと、三宮駅前の再開発が筆頭にあがります。県外の方はあまり知らないかも知れませんが、阪神大震災から19年が経過した2014年現在でも、震災後に建てられた仮設の低層ビルが、中心部のあちこちで見られます。

今回の再開発では、そうした仮設低層ビルを、本格的な商業ビルにする計画が進んでいます。中心となっているのは三宮ターミナルビル、神戸阪急ビル東館で、それぞれJR、阪急の三宮駅の駅ビルです。

2つの鉄道会社の駅ビルが同時に再開発され、超高層の複合商業ビルになるということで、この地域の不動産市場は現在大いに活気づいています。

もちろん、この2つのビルだけではなく、震災の傷跡を未だに残している仮設低層ビルを順次建て替えていくというのが、この三宮の再開発計画です。

つまり、この再開発は「当分の間続く」計画であり、少なくとも三宮駅周辺は、今後も不動産市場にとってのプラス要素が続くと見られます。この点は、マンションの査定においても明るい材料となるでしょう。

マンションの査定はいますぐ受けるべきか?

神戸にマンションを所有していて売却を考えている人は、いますぐに査定をすべきでしょうか?

今すぐに売るべきかどうかではなく、マンションの査定を受けるべきかどうかということであれば、答えは「YES」となります。

査定というのは、今売るとしたらいくらになるか、ということを知る手段であり、売るか売らないかはまた別問題だからです。なので、あまり深く考えないで、自分のマンションの価値がどのくらいあるのかを知るという軽い気持ちで査定を受けてみるといいでしょう。

もちろん、売却する気がまったくないのに冷やかしでマンションの査定だけを受けるというのは不動産業者にとっては迷惑です。

しかし、将来的に売る可能性があって、「売るかどうか、ひとまず査定価格を見てから決めたい」ということであれば不動産業者にとってもありがたいはずです。

マンションの耐震・防災が売却価格に与える影響

阪神大震災の被災地である神戸市は、当然マンションの耐震や防災についても全国のどこよりも敏感な地域です。耐震や防災に関して他の地域とやや異なる点は、築年数が古いマンションの場合、防災などの面で査定の材料として比較的マイナスになりにくいという点です。

なぜなら、神戸市で95年以前に建てられたマンションが今も残っているという事実があり、そのことは、つまり「阪神大震災レベルの震災に耐えられるマンション」ということを意味しているからです。

これは耐震性の高さの証明となり、築年数が古いことで防災面から査定が不利になる、ということは他の地域と比較すると少ないようです。

一般に防災面の不安は、古いマンションの査定では大きなマイナス原因の一つですが、それがないというだけでも、神戸市で古いマンションを所有している人にとってはプラスの材料となります。

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