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アコースィックギターを身体のように操る「トミー・エマニュエル」とは?

あなたは、ソロギタリストと呼ばれる方々をご存知ですか?それはアコースティックギターのみで楽曲を完結させるギタリストを主にさします。

アコースティックギターにはリズムセクション、メロディ、コード感とさまざまな要素があり、まさに「小さな楽団」があの小さいボディに詰まっていると思います。

そんな楽団(アコースティックギター)を自分の身体のように操るギタリストがいます。彼の名は「トミー・エマニュエル」オーストラリア出身のギタリストです。

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トミー・エマニュエルってどんな人物?

最初にふれた通りオーストラリア出身のギタリストです。グラミー賞にも二度ノミネートされている母国では国宝クラスの人物です。

幼少期からプロと共に活動するほどの環境、腕前を持っており、10歳ではすでにプロだったようです。兄もおり現在プロのギタリストで恐ろしいほどの腕前を持っていますが、弟のトミーの方が上手いと筆者は思います。

Youtubeにアップされている兄弟でのセッションを見ていただければなんとなく納得していただけるかもしれないです。

興味のある方はYoutubeで「Tommy and Phil Emmanuel – Irish and Scottish Medley」で検索してみてください。すぐ彼のプレイに魅了されると思います。

一年中ほとんどステージに立っているようで、来日ツアーもたびたび行っています。筆者も過去に見に行きました。

カントリー系ギタリストの神様「チェット・アトキンス」から「Certified Guiter Player(C.G.P)」と呼ばれる称号を受けている一人で、CDなどでの名前の表記は常に「Tommy Emmanuel C.G.P」と表記されています。

ようするに「世界で一番上手いギタリストの一人」と言われているわけです。

ソロギターの教科書と言っても過言ではない作品群

筆者が初めて彼の曲に出会ったのはニコニコ動画でした。

しかも本人の演奏ではなく、今ではすっかり有名になってしまったニコニコソロギタリストの一人「おさむらいさん」氏の演奏でした。あまりの美しさに慌てて曲名を調べました。

娘の名前から曲名をつけられた「Angelina」は、まさにソロギターの教科書の1つなのではないかと筆者は思います。

美しいメロディ、絶えず動くが不快ではない美しいベースライン、部屋が明るくなるようなコードワーク、今まで想像したこともなかったハーモニクスプレイと当時の僕に凄まじい衝撃を与えてくれました。

その後友人のギタリストとトミーの作品にどっぷりハマり名盤「Only」に出会いました。
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全曲名曲で、やさしいメロディと超人的なセンスで組み立てられた楽曲は、誰にも真似できません。まさに「オンリー」なアルバムです。歌なしの曲でこれほど感動できるのかと筆者は感じました。

そして筆者に衝撃を与えた楽曲「Angelina」が収録されたアルバム「Endless Road」です。
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こちらも「Angelina」はじめ表題曲でもある「Endless Road」といった美メロ楽曲もありますが、カントリ-色の強いアルバムだなと筆者は感じます。

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「Only」などでも聴くことのできる、いわゆる「ギャロピング奏法」「ハイブリットピッキング奏法」などの超絶テクニックを「Only」以上に惜しげもなくサラッと速いテンポで弾いていて、あまりの凄さに笑いたい人にオススメです。

そしてこちらはベストアルバム(二枚組み)です。
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片方のディスクは「アコギメイン」もう片方は「エレキメイン」となっています。これだけソロギターソロギターと言っていますが、こちらではエレキギターでのプレイ、バンドアンサンブルでのプレイも聴くことができます。

スティービー・レイヴォーンのプレイに重点を置いた「stevie’s blues」、エレキでの速弾きが聴ける「determination」、彼のもう一人の娘アマンダの名前がついた「amanda’s room」がオススメです。

CD以上の感動に出会える来日公演

あたりまえですが、ただでさえギターが上手い彼の「ショー」は、CDとは比べ物にならないほどの感動を与えてくれます。老若男女みな笑顔になる、まさしく「エンターテイナー」です。

MC用のマイクをドラムのブラシで叩きだしたり、凄まじいリズム感でアコースティックギターをコンガのように叩いたり、見る者を飽きさせない数々のアクションは家のコンポでは決して味わえません。

筆者は5年程前の公演に行ったのですが、その時は前座がなんとあのジャズギタリスト「渡辺 香津美」氏と、前々座に「井草 聖二」氏というすごく豪華なものでした。なんと昨年8月にも来日公演を行っていたようです。今年も来てくださいと祈るばかりです。

会場の規模もそんなに大きくないからか、チケットの値段もクラプトンの公演の大体半額ほどです。ぜひ、この記事を読んでいただいている方にも「アコースティックギターの神様 トミー・エマニュエル」のショーを見ていただきたいです。筆者ももう一度、いやもう二度、三度と足を運びたいものです。

トミー・エマニュエルの感性を人々に伝える機材たち

そんなトミー・エマニュエルの「使用機材」に少し触れたいと思います。

大体有名な方が使用するアコースティックギターといえば「マーティンギター」「ギブソン」あたりを思い浮かべるのではないでしょうか。

しかし、彼の使用するアコースティックギターは「メイトン」というオーストラリアの老舗ブランドのギターを使用しています。彼のシグネイチャーモデルも出ています。
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しかもこのギターはエレキアコースティックギターとなっています。アコースティックギターなのに最初からピックアップ、プリアンプが搭載されており、アンプ出力が可能です。値段的なお話をすると一般的な「マーティン D-28」よりも高い30万オーバー。まさに憧れのギターです。

ピックアップはコンデンサーマイクタイプが入っているようで、ライブなどではサウンドホールにはハウリング防止のゴムカバーをしていることが多いです。弦高は可能な限り低く設定しているようです。

Youtubeの動画などでも確認できるアンプは「AER BINGO」というアンプです。現在このアンプはレアな品物になってきており、後継機でもある「ART Compact60/3」に立場を譲ったようです。値段はそこそこします。

ピックは「サムピック」や普通のピックなど曲に合わせて使い分けてます。エフェクターはほぼ無く、リバーブなどの空間系を巧みに操っています。

このように「トミー・エマニュエル」は非常にシンプルな機材で、己の腕前と曲で表現を行っています。ギターは歪みがなくなっていくほど難しく、自分の下手さが目立つものだと筆者は思っています。

純粋に木のボディから音を奏でる「アコースティックギター」。そしてそれ一つで多彩な楽曲を奏でる「ソロギタリスト」。アコースティックギターの良さ、魅力がもっともっと広まることを願っています。

ライター:takahiro

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