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ギブソンにまつわる都市伝説を徹底検証してみました~噂は本当か?

世界でもっとも有名なギターメーカーの一つであるギブソンには都市伝説とも言うべきさまざまな噂があります。

ギブソンは他のギターメーカーと比較して、あまり多くの情報を外に出そうとはしません。ですので、その噂の答えを出すことはなかなかできないでしょう。

そこで、筆者はこれらの都市伝説を検証してみたいと考えました。

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松本孝弘がギブソンに選ばれた理由はジャパンマネー?

1999年、ギブソン社から日本人ギタリストである松本孝弘のシグネイチャーモデルを発表しました。

ジミーペイジ、スラッシュ、ザック・ワイルドなど、数えるほどしかいないシグネイチャーアーティストに日本人が加わったことで当時とても話題を呼びました。

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しかし、それ以降このような噂が流れました。

「松本孝弘がギブソンに選ばれた理由はジャパンマネーを期待してのもの」

確かに彼はギブソン社のあるアメリカではほとんど知られていませんので、筆者もいささか不自然さを感じたのを覚えています。

また、彼のモデルが大きくフューチャーされていたのは当時の輸入代理店である山野楽器が作成した日本向けのカタログだけで、アメリカでは本当に小さな扱いとなっていました。

筆者はこの都市伝説は事実であると考えています。当時、ギブソンは日本市場でやや苦境に立たされていました。

人気ブランドですので、もちろん売れてはいましたが、検品などのチェック体制が甘いことから不良品がとても多く、代理店や販売店と揉めることも多かったようです。

実際に、数年後には山野楽器はギブソンの取り扱いをやめていますし、国内最大の店舗数を誇る島村楽器は販売を中止しています。

この状況を打破するために、日本で人気の高いギタリストをリサーチし、シグネイチャーモデルを製作した…そう考える方が自然でしょう。

これはあくまで筆者の意見となりますが、ランディ・ローズやジョン・サイクス、ラリー・カールトンなど、もっとふさわしいギタリストがいたのではないかと思っています。

それでも、松本孝弘を選んだということは、明らかにジャパンマネーを意識していると思われてもしかたないでしょう。

結果として、日本国内でこのモデルは大ヒットしました。なのでギブソンの思惑は大当たりであったと言えるでしょう。

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レスポールの中身は空洞になっている?

70年代から80年代のレスポールはかなりの重量があり、中には5キロを超えるものもありました。実際に筆者が所有していた70年代後半のレスポールカスタムは5キロ近い重量がありました。

それに対して90年代の半ばから3キロ台の個体が徐々に多くなってきました。販売店などの説明では、近年では軽量で良質なマホガニーが使用されるようになったからであるとされていました。

しかし、同じ種類の材でこれほどまでに重さが違ってくるものなのでしょうか?そこに疑問を持った人たちの間で…

「レスポールの中身は空洞になっている」

という噂が巻き起こりました。

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結論から言えば、この噂は半分正解です。

90年代の後半から2000年代にかけて製作されたカスタムショップの一部のモデルには『チェンバードボディ』という新しい機構が採用されています。

これはマホガニーに小さな穴をあけ、軽量化したものです。そこに軽量な樹脂を詰め込むことによって、軽量でありながらソリッドなサウンドを実現する、という画期的な技術です。

この技術は2000年代後半、レギュラーラインの一部のモデルにも採用されていますので、この噂は本当である、とも言えるでしょう。

しかし、実際に90年代に木材の仕入先の変更などがあり、軽量な材の入手が可能となったのも事実です。ですので、半分正解、と言うのが正しいでしょう。

ギブソンギターはアメリカ製ではなく韓国製?

基本的にギブソンのギターはすべてアメリカで製造されています。大規模な工場がありますのでこれは間違いない事実でしょう。それなのに、こんなうわさがささやかれていました。

『ギブソンギターは韓国製』

この噂の発端はギブソンの廉価版であるエピフォンブランドのギターが韓国で製造されており、それがギブソンブランドでも販売されているのでは?というものです。

これに関しては筆者も疑問に思ったことがあります。廉価ブランドがオーヴィルからエピフォンに変更された90年代の後半、突然ギブソンの一部の製品が大幅に仕様変更されたのです。

特に塗装に関しての変更はギブソンファンに大きな衝撃を与えました。

これまでは伝統的なオールラッカーフィニッシュで塗装されていたにも関わらず、下地や外側のコートがポリウレタンに変更されたのです。

どちらの方が優れているとは一概には言えません。しかし、明らかにサウンドは変わってしまいますので、伝統のギブソンサウンドが失われてしまうということを意味します。

このポリウレタン塗装の廉価版を作っていたのが韓国工場でしたので、こんな噂がたってしまったのでしょう。

筆者はこの噂に関しては、かなり信憑性があると考えています。すべて海外で生産されていたとは思えませんが、パーツの一部や、製造工程の一部は本社工場以外で行われていたのではないでしょうか。

筆者がかつて所有していた98年製のレスポールはそれ以前のモデルとも、以降のモデルともボディシェイプも電気系パーツもすべて違ったものが使用されていました。もちろん、明らかにサウンドも違っていました。

韓国で製造されていたかどうかは別として、ギブソン以外の場所で作られていたのでは?という疑いを持つには十分すぎる材料でした。

少しギブソンに対して批判的な内容が多くなってしまいましたが、筆者がこのメーカーを嫌っているわけではありません。

レスポールをはじめとして、SGやES-335、175、フライングVなど多くのギブソンギターを使用してきました。そして、これらの素晴らしさもとても良く知っています。

しかし、好きだからこそ深く知ろうとすると疑問や疑惑も湧いてくるのです。そこについて、筆者なりに検証をしてみました。これも噂話の一つとして、楽しんでいただけたら幸いです。

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