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「アラバキロックフェスティバル」の楽しみ方~東北地方最大の音楽祭

東北地方で最大級の音楽フェス、「アラバキロックフェスティバル」が今年も4月26日(土)・27日(日) みちのく公園北地区「エコ キャンプみちのく」にて開催されることが発表されました。現在の日本のロックシーンがよくわかるこのイベントの楽しみ方を教えます。

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杜の都仙台でおこなわれる年一度のお祭りに大勢の音楽ファンが訪れます。

画像2▲仙台駅周辺は落ち着いていて大人の街という感じ。

2001年から毎年仙台の郊外でゴールデン・ウィークの2日間に渡り開催されるこのイベントですが、2011年は東日本大震災の影響をモロに受けたため、春の開催は延期に。

それでも8月にはしっかりと開催されましたので、このイベントにかける主催者側の音楽への熱意は相当なものがあると思います。

僕は昨年初めて足を運びましたが、天候も良く広い大地でのんびりと音楽を聴いて過ごす一日は格別なものがありました。そこでまず昨年の様子をレポートします。

日程の関係上、2日目だけの参加となりましたので、東京都内に住む僕は新宿から0時頃出発するバスに乗り、翌日再びバスに乗る0泊2日の旅を選択しました。

まずここで高速バスについて気をつけて欲しいことを念のため。新宿西口には多数の深夜バスが列をなしていますので、早めに行って確認しないと現場でどのバスに乗るのか迷います。実際直前に迷ったお客さんの為に車内でしばらく待つはめに。気をつけましょうね。

深夜バスの中では携帯の光も隣の人の睡眠を邪魔してしまいますし、消灯しているので読書もできず。したがって、眠れないと暇で辛い!超眠い状態にしてから乗ることをおすすめします。

朝方5時に仙台駅にバスが到着して、7時から出発するシャトルバスの時間まで待ちます。とはいえ朝の5時ですから、いくら地方都市といえど周辺にさほど時間を潰せる場所はなさそうです。

しかたなく駅の売店あたりをうろうろしつつ、お腹が減ったので名物でも食べようかと思いきや、やはりどこも開いていませんから、仙台まで来たのに牛タンならぬ結局吉野家の牛丼で腹ごしらえです。トホホホホ。

7時過ぎにシャトルバス乗り場に到着するとすでに大勢行列をなしています。シャトルバスにはチケット代片道1200円が必要ですので、事前に購入してコンビニ等で発券しておくと良いでしょう。もちろん列に並んでいると売りに来てくれますから当日でも可です。

ほどなくしてバスに乗れまして、会場へは約50分ほどで到着しました。ところが開場時間は10時ですので、まだまだ入れません。まだ8時前ですが入口ゲートにはたくさんの人が待ちわびています。

早めに会場に着きすぎると寒さにふるえて待つことになりますから、ご注意を。

画像3▲天気が良いと日中は暑いくらいですからTシャツ姿の方が多いです。

4月末とはいえ、東北の山沿いですから少し曇り気味なこともあり冷え込みます。天候が良くても基本は厚着の方が良いと思います。冷たいアスファルトの地面に座り待つこと約2時間、ようやくゲートオープンです。

開場するといきなりド派手な服を着た箭内道彦が目の前に現れたので、急激に東北のフェスに来たことを意識しました。午前中から早くもフェス飯はどこも活気があります。またしてもすぐに腹ごしらえをしてしまいました。

やっぱりどこのフェスに参戦しても美味しいご飯を探してしまいます!

画像4▲普段なかなかお目にかかれない地方の名産についつい食べ過ぎちゃうんですよねぇ。

フェスで食べられるご飯は充実しておりさまざまですが、やはりここは東北ならではの食べ物を頂きたいところです。牛タン串、せんべい汁、玉こんにゃく、横手やきそば等々。いつも食べ物の話ばかりになってすみません(笑)。でもフェスの醍醐味なんですってば。

ライヴのステージは多数設けられていました。最大規模のメインステージ陸奥(みちのく)、鰰(はたはた)、津軽(つがる)、フェスの名称でもあり各ステージへの中心位置に設けている荒吐(あらばき)、花笠(はながさ)、磐越(ばんえつ)。

そして「東北ライブハウス大作戦」のステージも。最も震災の影響下での開催となるアラバキにおいて重要な意味を持ち、未来への希望をたくすステージでもあります。

若手から大御所まで、メジャー・インディーを問わず日本のロックミュージシャンたちがのびのびとパフォーマンスできる環境が準備されていると感じました。

この日のライブは秋田民謡の方々の元気な歌からはじまりました。こうした地域特有の文化を紹介するところも、音楽に貴賤はないという意思を感じさせてくれました。どんなことでも楽しんだもの勝ちですね。

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空が高く気持ちの良い天気の下で聴く音楽は格別です。

画像5▲家でじっくり聴くのと外で聴くのでは音の聴こえ方が違います。

そしてみちのくステージでの怒髪天のライブを待っていると、地元中学校のブラスバンドの演奏が始まりました。まあ朝イチで怒髪天というのもかなりコッテリしていますから、さわやかな気持ちになれる生徒たちの演奏は大歓迎。さあ本格的にライブが始まります!

朝から元気なバンドが観れるのも東北の大自然の中だからこそ

画像2
最大規模のステージ「みちのく」に元気よく飛び出してきたのは怒髪天。北海道出身の彼らは寒さに慣れているからオープニングに起用されたのでしょうか?いえいえ、もちろん冗談ですが、この元気さは東京の若手バンドにはなかなか出せないかも?

「昨日は天気が良くなかったけど、フラカンが帰ったから今日は晴れたね」と軽く毒を吐いたボーカルの増子直純ですが、実はフラワーカンパニーズはこの日の夜も出演するため、まだいました(笑)。しかし観客は大盛り上がりです。

正直あんまり曲が好きではなかったので(ごめんなさい)、途中で抜けて「はたはたステージ」に「0.8秒と衝撃」を観に行きました。はたはたステージは少し傾斜のあるエリアにあり、ステージ前で踊るファンが立てる砂埃がすごかった印象があります。

再びみちのくにもどり、大好きなサンボマスターのライブへ。オープニングSEのゴダイゴ「モンキーマジック」に乗りメンバーが登場し「トリのモンゴル800まで体力温存させようっていうあんたらの魂胆はわかってるんだ!」と叫ぶと大爆笑が起こります。

「俺も気持ちは同じだけどよ、やる時はやろうじゃないですか!」というボーカル山口隆のMCに曲を演奏する前から爆発的に盛り上がります。山口のステージングのうまさは日本のロック界有数です。

和田アキ子のカバー「あの鐘を鳴らすのはあなた」も含め大合唱のオンパレード。終演後「なんか泣いちゃったよ私」なんていう声も聞こえるエモさでした。

あちこちの演奏を観たいのですが、移動に時間を考えるとあまりたくさんは観れません。移動途中に遠藤ミチロウをチラ見しましたが「天国への扉」を日本語で歌ういつもの曲をやっていました。放送禁止用語ももちろん入っていましたが家族連れの前でもお構いなしです。

一番遠い「ばんえつ」に奥田民生を観に行ったのですが、物凄い人が集まっており、しかも本人は弾き語りの「ひとり股旅」スタイルのため、姿がまったく見えませんでした。

しかたなく「さすらい」を背中で聴きながら今来た道をもどります。すると反対側から続々と人がやってきます。次の「ばんえつ」の出番であるハナレグミ、岡村靖幸を観ようという人達のようです。人気者が続く場合は早めに行って場所取りが必要です。

原っぱに設置されたリングを眺めながら昼間からお酒を飲む幸せといったらありません。

画像3▲さすがにリングに勝手に上がる不届き者はいませんでした。

「はながさステージ」でのyanokamiを観るために歩いていると、原っぱにリングが組まれていました。東北で活動を続ける「みちのくプロレス」のリングです。夕方からプロレスもおこなわれるのが、アラバキロックフェスティバルの面白いところです。

リング横の地面に腰を下ろし、オーガニックな曲を流すDJを聴きながらお酒を飲んでいると和やかな気持ちになり、うとうとしてしまいました。しばらくして立ちあがると、隣にいた方に呼び止められました。携帯を置きっぱなしにしていました。危ない危ない。

矢野顕子はゲストにタブラ奏者のユザーンを迎え、エキサイティングな打楽器のリズムを爆笑トークと共にお届けして大喝采。続く七尾旅人のライブも大いに盛り上がりました。外に出ると少し日が落ち、フェスの雰囲気は落ち着いてきました。

日が暮れた頃に聴くロックはたまらなく切なくて感情を揺さぶります。

画像4▲本番直前にアーティスト自らサウンドチェックする姿も観れるのも楽しみ。

すっかり日が暮れた頃にあらばきステージでのザ・ピーズのライブを観た後は、最大のお目当てともいえる「忌野清志郎トリビュート」を待ちます。ステージの横には清志郎の象徴である「ヒトハタウサギ」の巨大バルーンが登場しました。

日中は暑いくらいの天気でしたが、夜になるとさすがに寒さが身にしみます。しかしライブはオカモトズ、黒猫チェルシーをはじめとする若手のエネルギッシュな演奏で盛り上がりました。

若手ミュージシャンが清志郎の楽曲を甦らせる演奏で仙台の夜を熱くさせました。

画像5▲夜空に煌々と輝き続ける巨大バルーンが観客を見守っていました。

他のステージでのライブはまだまだ残されていましたが、僕のフェスはここまで。20時頃に会場を早めに出たのでバスにもすぐに乗れました。仙台駅まで戻った時点で21時頃でした。

行きと同じく深夜バスに乗って仙台駅付近から新宿まで帰るはずだったのですが、時間に余裕があることと、行きに乗ったバスの辛さを思い出して思わず新幹線で帰宅してしまいました。

一日会場で過ごして思ったことは、欲張ってあちこち歩いていると、移動に時間がかかって結局中途半端なライブ鑑賞になってしまうことです。せっかく東北の素晴らしい自然に囲まれているんですから、のんびりライブを観ることをオススメします。

文・岡本貴之

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