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ギタリストがベースをマスターしたいならドナルド・ダック・ダンを聴け

ギタリストの人の中には、バンドで曲を書いている人もたくさんいると思います。自分が書いた曲のアレンジを考えているうちに、ベースをもっと本格的に覚えたいなんて思ったそこのあなた!そんな時に聴いてほしいのが「ドナルド・“ダック”・ダン」のベースです。

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“ダック”はディズニーのドナルドにちなんで付けられたニックネームです

岡本No125 02▲PBが基本ですが、ジャズベを弾くこともありました。

ドナルド・ダック・ダンは1941年アメリカ出身に生まれたソウル・ミュージックのベースプレイヤーです。

彼は1960年代からソウルミュージックの名門レーベル、「スタックス・レコード」の専属プレイヤーとして契約。ハウスバンドであるブッカー・T&ザ・MG’sにルイ・スタインバーグの後釜として参加してからが活躍の始まりです。

主にサポートしたアーティストはオーティス・レディング、サム&デイブ、ウィルソン・ピケットといった超有名どころをはじめ、アイザック・ヘイズ、エディ・フロイド、カーラ・トーマス、そして3大キングの1人アルバート・キングまで。

このメンツを見ておわかりの通り、当時のスタックスレコードの主要メンバーはすべて彼のベースで歌っていたと言っても良いでしょう。レコーディングはもちろんツアーのサポートもおこないました。

1970年代からはスタックスを離れますが、それ以降はますます多岐にわたるミュージシャンとの活動をおこないました。それまでに残した名演があまりにも有名で引く手あまただったんです。

ボブ・ディラン30周年特別コンサートでの演奏は有名ですね

岡本No125 03

▲左隅にほらっ!ハウスバンドとしてボブディランコンサートを支えてたんです。

フレディ・キング、デュアン・オールマン、ロッド・スチュワート、ボブ・ディラン、エリック・クラプトン、ニール・ヤング、そして日本の誇るソウルマン、忌野清志郎まで。みんな彼の丸くて太い、本物のソウルを知っている低音に魅せられたんでしょう。

彼のすごいところは、単独のセッションミュージシャンのみならずブッカー・T&ザ・MG’s、ブルース・ブラザーズなどのバンド活動でも活躍したことです。この辺りはすべて相棒のギタリスト、スティーブ・クロッパーの活動と重なっています。

2012年5月にエディ・フロイド、スティーヴ・クロッパーらとコットンクラブ、ブルーノート東京で日本公演をおこなった彼は全公演終了翌日の5月13日朝、宿泊先の都内ホテルで亡くなっているところを発見されました。

スティーヴ・クロッパーが悲しみの報告をfacebook上でおこない、全世界の音楽ファンが喪に服しました。享年70歳でした。まだまだ活躍できた年齢です。

彼のプレイが大好きだった僕は、ある時から日本人の某ベースプレイヤーの方がやっている教室にレッスンを受けに通い出しました。

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御茶ノ水で1万8千円で買ったグレコのプレジションベースで練習しました

岡本No125 04▲散々悩んだ末に購入したのはグレコのフェニックス。結構レアですよ。

その方もR&Bプレイヤーであり、教えるスタイルは指弾きのみでした。そこで最初に課題曲としてリクエストしたのがサム&デイブの「ソウルマン」。もちろんドナルド・ダック・ダンが弾いている曲です。ブルース・ブラザーズでもやってる有名な曲ですね。

弦の太さには戸惑いますし相当力は使いますが、同じ弦楽器ですから左手の運指はさほど難しくありません。問題は右手の使い方でしょう。簡単にピック弾きするくらいはどんなギタリストでもできると思いますが、指で弾くことはまったく別の難しさがありました。

ドナルド・ダック・ダンのプレイを映像で見ると、相当思いっ切り弦を右指でひっぱりあげています。これを真似してしまうと、普段ピックを持ち細い弦を弾いている軟弱なギタリストである我々はあっという間に指を怪我してしまいます。気をつけましょう。

親指を置くフィンガーレストを御茶ノ水で買い、楽器に装着した僕はドナルド・ダック・ダンになりきって「ソウルマン」を流しながら練習しました。

彼のフレーズは実にシンプルです。だいたいひとつのフレーズを繰り返して曲を追っていくパターンが多く、たまにオブリガードを入れることもありますが、決して難しいことはやりません。

シンプルながらもノリを出すのが難しい!

岡本No125 05▲タブ譜しか見たことがない怠け者には5線譜はつらい!?

「ソウルマン」はコードに沿って単純なフレーズを弾いて行き、サビではエイトビートを刻みます。そしてキメフレーズがあって冒頭に戻る、という繰り返しです。後半に半音上がる転調があるので多少開放弦が等の難しさはあるかもしれませんが、おおむね簡単です。

しかし最初のうちはなかなか体がついていきません。リズムはわかっているし気持ちは弾けているのですが、やはり右指がもつれてついていけなくなるのです。また、太い弦に力を使うため体力的に曲のテンポからも遅れてしまいがちです。う~ん、情けない!

しかしギタリストがベースを指弾きで覚える際にこれ以上シンプルでリズミカル、なおかついい曲はありません。そしてそのオリジナル演奏者であるドナルド・ダック・ダンの演奏をよく聴くことをおすすめします。

文・okamoto

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