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ミュージッククリエイターが認めたベリンガーのコスパとサウンド

ミュージッククリエイターの間に大きな衝撃を与えた激安ブランドべリンガー。

今や音楽の道に足を踏み入れた初心者が一度は手にするのがベリンガー製品と言い切ってしまっても過言ではないでしょう。作りこそチープではありますが、そのコストパフォーマンスは業界随一を誇ります。

今回はベリンガー製品の歴史に触れると共に、同社製品の楽しみ方を紹介します。

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そもそもベリンガーってどんなブランドなの?

SONY DSC▲同社はさまざまな音響機器を低価格で販売している。

Ms40というモニタースピーカー▲Ms40というモニタースピーカー。デジタルIO搭載ながらペアで1万円弱。(画像1)

今や音楽をやっている人間に、「ベリンガー」というブランドを知らない方はいないでしょう。少なくとも始めたばかりの初心者時代に一度は触れているはずです。同社は低価格帯のラインナップが充実しており、入門用に最適の機材が多いのです。

筆者もDTM初心者の頃、画像1のMs40というモニタースピーカーを使っていました。「音の良さ」などわからない時代でしたが、安くても良い音がすると評判で購入した記憶があります。

ペアで1万円弱ということもあり、購入してから4年以上は使いました。同社製品が優秀だと気づいたのがこの頃です。

そもそも、あなたは「ベリンガーの生い立ち」について知っているでしょうか?意外と知られていない、同社の歴史を紹介したいと思います。

創設者の「ユーリ・ベリンガー」は1961年にスイスで生まれました。彼は音大でピアノを学び、プロのピアニストとして活動していました。

音響機器メーカーの創設者は何かしらの形で音楽に携わっていたことが多いですよね。

「フェンダー」を作ったレオ・フェンダーは音響修理を行っていましたし「ギブソン」のオーヴィル・ヘンリー・ギブソンはマンドリン制作をはじめたのが創設のきっかけです。

ユーリは大学の備品が非常にチープな作りだったことに気がつきます。あまりの貧層さに分解をしてみると、「原価の10倍」で販売していたことを見つけました。彼はこれをきっかけに「エフェクターの自作」に挑戦することになります。

彼が作ったエフェクターは売れました。そして起業することを決め、香港を拠点として製造をはじめます。

1997年、彼自信が香港に移り住み、品質管理の向上に努めましたが思ったような結果が出ず、それから中国の中山市(ちゅうざんし)にベリンガーシティという工場を作ります。

中国で製造しているものの、製造ラインの指揮を取っているのはユーリ自身であることから、低価格ながらも品質の良い機材を作れるようになったのです。そこには彼だけが持っている、独自のノウハウがあったに違いありません。

同社の生い立ちはこのような感じです。創設者がプロのピアニストだったとは驚きですよね。

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ベリンガー製品が低価格を実現している理由とは?

ギターエフェクター▲同社のギターエフェクター。本体はプラスティック製。

同社の製品の特徴として、「耐久性に問題がある製品」が多いことが挙げられます。たとえばギターエフェクターです。大半がプラスティック製なので、強く踏むとケース自体が割れてしまいそうな印象を受けます。

このような耐久性に問題がある機材は、プロはもちろん、アマチュアでも使うことを避けるでしょう。

また、「ハンダ付けの精度が悪い」のも目につきます。ネジを外して基板を見る必要がありますが、とにかく仕事が雑だと思います。「低価格の製品をたくさん売る」ことで利益を得るのでしょうが、「中国製だからな…」と言われてもしょうがないです。

そして、同社製品は「有名機材のコピー」が多いことも挙げられます。元々ある回路を元に設計するので、「開発費を削減」しているのです。0から作るより、1から作った方が時間も手間もかかりません。

ご覧のように、同社の悪いところばかり書きましたが、こういった「コスト削減」を重ねているから、「価格以上の音」がする音響機器を製造できているのです。実際に使ってみると、コストパフォーマンスの高さに驚く製品が多いですね。

コピー製品との付き合い方。安いなりに楽しむことができる

大人気商品のXM8500▲同社の大人気商品、XM8500。どこかで見たような名前だ。(画像2)

さっそくですが、画像2をご覧ください。同社が販売するダイナミックマイク、XM8500です。筆者もスカイプ用に使っており、1500円程度で購入できる激安製品です。

最初は「マイクのおもちゃかな?」と思っていたのですが、実際に使ってみると、1500円以上の活躍をしてくれます。カラオケの練習やスピーチなど、さまざまな場面で使われています。

さて、このXM8500。どこかで見たような商品名ですよね。これは業界標準のダイナミックマイク、SHUREの「SM58」のコピー製品です。

音はたしかに似ています。ただ、XM8500の方がこもりがちです。そんなマイクですが、自分なりに工夫して使っている人もいるようです。

代表的なのがマイクの「グリルボール内に不織布を敷き詰める」という方法です。XM8500特有のこもりは「低音が強い」ことが原因です。不織布を詰めることで、物理的に低音をカットするということですね。

周波数を調べてみると、「ほぼSM58と同等」の結果になりました。このように、ちょっとした工夫1つでコピーを本系に近付けることができるのです。

XM8500のように、「あと一歩」と感じる同社製品はたくさんあります。エフェクターなら電解コンデンサを取り換えるだけでも出音が違いますし、真空管内蔵マイクプリアンプなら、真空管を取り換えるだけでノイズが激減します。

コスト削減の部分を自分で埋めることで、本来持っている性能を十分に引き出すことができる訳ですね。これは低価格で購入できるベリンガーならではの楽しみ方だと筆者は考えています。

By黄昏症候群

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