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ジョン・レノンと桑田佳祐に見るボーカリストが弾くギターの魅力

バンドでボーカルを担当している方の中には、サイドギターを兼任している方もいらっしゃるのではないでしょうか?かつてのジョン・レノンや桑田佳祐のように、ギタリストがいるバンドにいながら、たまにソロを弾いたりするとかっこいいですよ。

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ザ・ビートルズ時代中盤から個性が際立ってきたジョン・レノンのギター

▲初期のザ・ビートルズから比べるとかなり変化のあったジョン・レノン。

ザ・ビートルズは全員がボーカリストということもあり、ジョン・レノンもギタリストに専念することもありました。ザ・ビートルズ時代のジョン・レノンのギターで印象的なのが「Happiness is a Warm Gun」です。

清廉な出だしからマイナーでダウナーな旋律にうつる前半から、サビで唐突に雰囲気がかわり明るい曲調になる、じつにこの時期のザ・ビートルズらしい実験性に満ちた楽曲です。

この中でジョン・レノンが弾いているギターは前半のひずませたコード弾きで狂気の一端を感じさせています。歌いながらギターでも主張している感じです。

ザ・ビートルズのアルバム『Abbey Road』に収録されている「I Want You(She’s So Heavy)」では、ボーカルのメロディにあわせてリフを弾いていますが、歌う感情が高まるのにつれてギターも激しさを増してきます。

また、サビで「Heavy~」とコーラスを重ねていく部分では重たい音を8分音符でしっかり置いていくように弾いています。これがかなり「Heavy」な感じをかもし出しています。

さらに途中からラテン調になり「Taboo」のような妖しいサウンドに変化していきますが、ギターソロはメインの旋律をなぞっていますので、かなりメロディがお気に入りだったのではないでしょうか。ここでもジョン・レノンのギターは狂気を感じさせます。

「The End」で弾いてるギターがジョン・レノン最大の名演だと思います

ソロになってからの演奏風景▲ソロになってからはますます個性的なギターを聴かせてくれました。

ちなみに『Abbey Road』では後半のメドレーの最後、「The End」でポール・マッカートニー、ジョージ・ハリソンと3人でギターソロを回していきますが、ジョン・レノンの弾いているパートははっきりとわかるほど特徴的な音とフレーズですので聴いてみましょう。

そんなジョン・レノンの狂気に満ちたギターが極まったのが、ソロになってからの「Cold turkey」です。直訳すると「冷たい七面鳥」ですが、要するにドラッグで禁断症状が出ている状態を歌っている曲です。

冒頭からディストーションを効かせたギターで繰り返されるダブルチョーキングのリフが強烈に耳にこびりつきます。曲の内容とあいまって、終盤ボーカルは徐々に叫んだりわめいたり、精神崩壊的な表現になっていきます。

こうした精神状態を表現する手段のひとつとして、ひずませたギターの音色とテープの逆回転などを利用していたジョン・レノン。ドラッグの影響もあるとはいえ、ギタリストとしてもかなりの才能があったのではないでしょうか?

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エリック・クラプトンやローウェル・ジョージにあこがれた桑田佳祐

オーバーオール姿のローウェル・ジョージ▲ローウェル・ジョージのトレードマークはオーバーオールです。桑田佳祐は真似したことあるのでしょうか?

ジョン・レノンのようにギターをあくまでも曲の中の効果音として考えているような弾きかたもあれば、ブルージーなギタリストとしての顔をときおり垣間みせるのがサザンオールスターズの桑田佳祐です。

桑田佳祐の場合は学生時代からエリック・クラプトンやリトル・フィートのローウェル・ジョージに代表されるブルース系ギタリストへの憧れが強かったようです。

1982年におこなわれた初の武道館ライブの映像でもブルージーな曲「タバコロードにセクシーばあちゃん」(なんてタイトルだ!?)でシンプルなソロを聴かせています。

当時の桑田佳祐のメインギターはピックガードをはずした青いテレキャスターでした。その後もテレキャスターをメインで使っているところをみると、かなりのお気に入りのようですね。桑田佳祐といえばテレキャスターというイメージの方も多いはずです。

1980年代のサザンオールスターズの活動休止時期に結成したKUWATA BANDでは、スタジオミュージシャン出身のテクニックを持つメインギタリスト河内淳一がいたにもかかわらずソロもかなり弾いていました。

KUWATA BANDでのギタープレイに関しては桑田佳祐本人が語っており「淳坊に、練習するから頼むから弾かせてくれといって」ソロを弾いていたことを冗談めかして話していました。

「Smoke on the Water」でのソロプレイをバンドスコアでボッコボコにされてました

ディープ・パープルのプレイ姿▲曲作りの才能だったら間違いなく桑田佳祐の勝ちです!

しかしやはりスタジオミュージシャンと比較してしまうと桑田佳祐のテクニックは心もとなく、活動終了後に出たライブアルバムのバンドスコアの中の解説で酷評されていたのを覚えています。

KUWATA BANDの最初のツアーのオープニング曲ディープ・パープルの「Smoke on the Water」では、エンディングで桑田佳祐が延々とアドリブを弾くのですが、バンドスコアに書かれたその部分の解説は「これは真似しない方が良いでしょう」でした。(笑)

とはいえ、現在にいたるまでの活動でテクニックをみがいた桑田佳祐。ライブではあいかわらずブルースを基調とした音を聴かせています。

ジョン・レノンと桑田佳祐という2人の天才ミュージシャンが奏でるギターはボーカリストがギターで表現する上でおおいに参考になるのではないでしょうか。

文・okamoto

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