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ジェームス・ジェマーソンを一流ベーシストたちがリスペクトする理由

1960~70年にかけて全米を席巻した「モータウンサウンド」をボトムで支えた一人のベーシストがいます。彼の名は「ジェームス・ジェマーソン」です。

1936年に生まれたジェマーソンは、近代ミュージックシーンにおいて最も影響のあるベーシストとして知られていて、没後17年の2000年にロックの殿堂入りを果たしています。

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意外と知らない?モータウンとは

モータウン
若い世代の方たちには馴染みが薄いかも知れない音楽関連の言葉に「モータウン」があります。

このモータウンとは、アメリカ北部のデトロイトで発祥したレコードレーベルで、もともとは当時隆盛を誇った自動車産業で知られたデトロイトの通称であった「Motor town」を略した言葉から命名されたのです。

「モータウン」レーベルは、1959年にベリー・ゴーディ・ジュニアによって設立されて、ブラックミュージックやソウルミュージックのレコード中心にして大成功したレコード会社です。

この「モータウン」は、マーヴィン・ゲイ、テンプテーションズ、ダイアナ・ロスを中心としたスプリームス、マイケル・ジャクソンの兄弟で結成されたジャクソン5、そしてスティーヴィー・ワンダー、等々、名だたるアーティストを輩出しています。

黒人音楽でありながら、そのポップで斬新なサウンドは全米を熱狂させますが、そのサウンドの核ともいえるのがジェームス・ジェマーソンのべースだったのです。

一聴して彼だとわかる革新的なベースライン

ほとんどのレコーディングが行われていた場所
当時の「モータウン」は優れたスタジオミュージシャンが集められたユニット、「ファンク・ブラザース (The Funk Brothers) 」によって、ほとんどのレコーディングが行われていました。

まだ、現代のようにレコードに参加したミュージシャンのクレジットがされていなかった時代です。それまでのR&Bのベースラインといえば、おもにルート中心のシンプルなものでした。

リズムを支えるために基本的なパターンに経過音を加えるといったベースが主流だった時代に、ファンク・ブラザースの中心的メンバーだったジェームス・ジェマーソンは革新的なベースラインで独特の「モータウン」サウンドを作り出していきます。

シンコペーションを多用しながら当時では革新的ともいえる彼のソウルフルなベースラインは、多くのシンガーの歌をある時は力強く支え、ある時は激しく挑発するかのように縦横無人にグルーヴしています。

その当時のベースではあまり見られなかった、強拍と弱拍が結びつくシンコペーションはジェマーソンのベースプレーの大きな特徴といえます。加えて、斬新なフレージングはその後の多くのベーシストに大きな影響を与えていくことになります。

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そのプレイを聴くことのできる代表曲


彼がモータウンでプレーした曲は膨大な数になります。前述したアーティストの他には、グラディス・ナイト&ザ・ピップス、スモーキー・ロビンソン&ザ・ミラクルズ、フォー・トップス、マーサ&ザ・ヴァンデラス、等のレコードにも数多く名演が残されていますが、ジェマーソン信者の筆者が特に大好きな彼のベースプレーをいくつか挙げてみます。

まず、ダイアナ・ロス&スプリームスとテンプテーションズという当時の二つのビッググループによるジョイントで1968年のリリースされた「I’m Gonna Make You Love Me 」 です。

静かに始まるイントロから次第にリズミックになるAメロ、そして彼の真骨頂ともいえるアプローチが見られるサビのフレージングは何度聞いても飽きることのない素晴らしいプレーといえるでしょう。

この曲は1970年頃にダイアナ・ロスとスティーヴィー・ワンダーとのバージョンでも聴くことができます。

次は1970年にリリースされたマーヴィン・ゲイの「What’s going on」が名曲として有名ですが、ここでのジェマーソンのベースラインは後の多くのベーシストに影響を与えたといわれるほどです。いわゆる「跳ねた16ビート」の典型的なベースラインは、実はこの「What’s going on」でのジェマーソンのベースラインが原点になっているのです。

そして、筆者がジェマーソンのプレーで一番好きなのがダイアナ・ロスの「Ain’t No Mountain High Enough」になります。

この曲の盛り上がって行く後半の斬新なフレージングは、ダイアナ・ロスのボーカルを食って(下品な表現ですみません)しまうほどなのです。

「Ain’t No Mountain High Enough」はもともと、マーヴィン・ゲイとタミー・テレルのヴァージョンでヒットしたもののカバーですが、日本ではこのダイアナ・ロスの方が有名になっています。

独特の奏法と使用機材

使用機材
もともとはアップライトベースの奏者であったジェマーソンは、ほとんどすべての曲を人差し指一本のみで弾いていて、当時のミュージシャン仲間から、彼の人差し指には尊敬を込めて「ザ・フック」という愛称まで付いていたといわれています。

彼独特の開放弦とシンコペーションを多用したプレースタイルは、人差し指一本といえどもタッチは強く、指板の一部がえぐれる程に弾いていたとも伝えられています。

ジェマーソンが登場するまでは、R&Bではコードに沿ったルート主体のベースプレーが主流でしたが、彼が初めて曲中で印象に残るリフのフレーズを生み出しています。高い弦高にセッティングしたフラットワンド弦を相当長い期間に渡って使用していた(一説には生涯、弦を交換しなかったとも)そうですが、それが逆に彼の弾むような音色を生み出していたのです。

使用楽器はマイクカバーを付けたままのフェンダーのプレジションベースを生涯に渡って愛用していたそうですが、残念ながら晩年に盗難にあい、現在でも行方不明とされています。

永遠の存在感

存在感たっぷり
彼のプレーは現在の一流のベーシストたちのプレーに大きな影響を与えています。彼を尊敬するベーシストは、チャック・レイニー、マーカス・ミラー、故ジャコ・パストリアス、ウイル・リー、ジョン・ポール・ジョーンズ、等々…。数え上げられないほどです。

ベースの「オールドスクール」としての名を欲しいままにするジェームス・ジェマーソンの存在感は永遠なのです。

By JJ

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