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マーシャルのGUVNOR をモディファイしたら優等生になった!?

「どんなアンプもマーシャルサウンド」でお馴染み、ディストーションの名器GUVNORをモディファイしたらどうなるか・・・。

GUVNORはそのままでも素晴らしいペダルですが、筆者はやや音抜けが悪いと感じていたので、今回はその点を改善すべくモディファイに挑戦してみました。

はたして、どんなサウンドになるのでしょうか。

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GUVNORをモディファイすることの意味

マーシャルのGUVNOR▲今回は難易度の高い作業になりそうだ。(画像1)

GUVNORは、アンプメーカーのマーシャルが販売しているディストーションです。ギターアンプのイメージが強いので、意外と存在を知らない方が多いようです。

本製品の売りは、やはりマーシャルサウンドです。ブリティッシュサウンドとも呼ばれています。歪みの粒が細かいことが特徴で、このGUVNORはどんなギターアンプもマーシャルのようにしてしまうようです。

かなり興味があり買ってみたのですが、レビューにもあるように「音がこもる」印象を受けました。ただ、それ以外はほとんど満点に近いような、素晴らしいエフェクターです。

また、なんと言っても「安い」です。初心者にもオススメできますし、モディファイすればメイン歪みにも使えるのではないかと思いました。

さっそく中を開けてみると、少しだけ悩まされるポイントがあったので紹介しておきます。画像1をご覧ください。

一見普通の基板ですが、筆者の苦手な「部品の足曲げ」がされています。ハンダ部分を見てください。足が垂直ではなく横に倒れています。これはハンダ付けをする前に部品を固定するために行いますが、部品を外すときは厄介なものです。

ハンダを吸い取るだけでは取り外せません。かといって強引に外すと「基板のパターンが剥がれる」恐れがあります。パターンとは基板の上にある「濃い緑」部分で、それが剥がれると信号が通らなくなってしまいます。

作業は慎重に行わなければなりません。では、「使える音」にするため頑張りたいと思います。

GUVNORの改善点を挙げてみた。小さい部品の扱いにも注意。

オリジナルのコンデンサ▲オリジナルのコンデンサ。どうみても抵抗にしか見えない。(画像2)

GUVNORをモディファイするにあたって

・高音の調整
・歪みの粒をより細かく
・ゲインアップ
・バイパス音の改善
・ノイズ軽減

を目指すことにしました。今回は「定数の変更」もする予定なので、少々不安な作業になります。

定数変更とは、もともと実装されている部品の値を変えることです。たとえば470μfのコンデンサがあったとして、それを「47μf」に変えるといった具合です。

これはある意味危険な作業です。定数変更は、「音のバランス」が変わってしまうということにもなるからです。場合によってはバランスが崩壊してしまうこともありますので、事前に詳しく調べてから作業をしましょう。

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今回の場合は

「C22(470pf)→220pf」
「C9(100pf)→50pf」

という定数変更をすることにしました。Cとはコンデンサのことです。

C22は「高音を調整するコンデンサ」です。値を小さくすることで、オリジナルより高音が出るようにします。これは音抜けの悪さを改善する目的があります。

C9は「歪みの粒を調整するコンデンサ」です。値を小さくすると歪の量が増えるうえに細かくなります。ゲインアップを狙う目的です。

その他の部品は同じ定数ながら、オーディオ用の部品に交換することにしました。これはいつもの改造と同じです。

注意しなければならないのが、画像2に映っている「抵抗型のセラミックコンデンサ」です。はじめて見たタイプなのですが、かなり小さいので、値を読み取るのが困難です。

回路図から値を探さなければならないので、作業前に必ず用意しておきましょう。

オペアンプをソケットに。いろいろなタイプを試すことができる。

オペアンプ交換▲オペアンプのソケットを実装。挿し換えて音の変化を楽しむことができる。(画像3)

オペアンプの挿し替え▲実際にオペアンプを挿してみた。(画像4)

それでは作業開始です。作業自体はいつものモディファイとなんら変わりありません。ただ、前述のように注意しなければならないポイントがあるので、それだけは意識しておきます。

また今回は、オペアンプも交換することにしました。画像3をご覧ください。もともとオペアンプが実装されていた箇所に、ソケットを取りつけてみました。これにより、上からオペアンプを挿しこむだけで取りつけが可能です。

この部品はサウンドそのものを決める重要なものです。互換性のさえあれば、さまざまなタイプのオペアンプを挿し替え、音の変化を楽しむことができます。ソケット取りつけはエフェクター改造の基本なので、覚えておいた方が良いです。

オリジナルで実装されていたのは「TL072CP」というもの。それを取り外し、ソケットをつけて「TL082CP」を付けてみました。立体感があるサウンドを狙ったものです。

最後に定番のLED交換を行って、タイトル画像のようなGUVNORになりました。かなりの作業時間を要しましたが、無事に終わってホっとしました。

肝心のサウンドですが、まさに優等生という言葉がピッタリです。音抜けの悪さは改善され、シュワっとした気持ちの良い歪みになりました。音に厚みが出た印象を受けます。

そもそも抵抗型のセラミックコンデンサに問題があるようで、「古いマーシャルサウンドを再現」するために使われているようです。セラミックを使うことで、独特の「こもり」を演出しているわけです。

とはいえ、利用者側からすると音抜けの悪さは問題でしかありません。このモディファイに挑戦して、あなたのGUVNORも優等生に仕上げてみませんか?

By黄昏症候群

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