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指板材から考えるギター選び~メイプル・ローズ・エボニーの音質の違い

ギター選びやベース選びで、ストラトやレスポールなど機種のタイプで選ぶのもいいですが、もう少し進んだ選び方として木材を考えていくのも面白いです。将来的にオーダーメイドの一本を作ろうと考えているのであれば、木材の知識も深めていきましょう。

楽器に使われている木材は、大きく3種類。ボディー材とネック材と指板材があります。どれもとても重要なのですが、今回は指板材を中心に王道の3種を考えていきたいと思います。

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最もポピュラーなローズウッドは広く使い回しやすい指板材

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ローズウッドは、指板材として、フェンダー系列をはじめ、もっともポピュラーで多くの楽器に使われている指板です。ローズウッドという名前がついていますが、実際はバラの木ではありません。名前の由来は、バラのような香りを放つことからと言われています。

ローズ指板は、もっとも多くの楽器に使用されていることから、なじみやすい指板材と言えます。音質は、ほかのメイプルやエボニーと比べるとウォームで、音の立ち上がりもゆるやかです。

ローズウッドの木目の傾向として、手入れをおこたると白い筋のような線が木目に現れます。見栄えからして、これを嫌う人も多いです。木肌は焦げ茶色から赤茶色で、アコースティックギターのボディーにも使われます。硬質で音響特性にも優れており、指板材として広く普及しました。

なかでも、現在は非常に希少価値の高い「ハカランダ」は、ローズウッドの中でも最上級とされており、ヴィンテージギターやヴィンテージライクなハイエンドの楽器に使用されます。

ローズウッドと一言でいっても、実は非常に多くの種類があり、ハカランダをはじめとしたブラジリアンローズウッドやアジア産のインディアンローズウッドなどがあります。

一般的には、無塗装のオイル仕上げで使われることが多い木材なので、湿気に弱く、手入れ次第ではコンディションを悪くしかねない木材です。

立ち上がりとアタック感に優れたメイプル指板でアグレッシブに

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メイプルのサウンドは、立ち上がりに優れており、明瞭な音が得られることから、好んで使用する人も多いのではないでしょうか?とくに、傾向としてギタリストよりもベーシストに多く好まれている木材です。

ローズウッドよりも立ち上がりが早く、高域特性に優れているのでアタック感が魅力的です。3つの指板材の中でもっとも倍音成分に富んだサウンドが期待できます。

メイプル指板は、基本的に塗装されていることが多く、硬質な木材なのでもっとも手入れが簡単な指板材だと言えます。はじめは真っ白な色をしていますが、使っていくうちにラッカーの変色とあわせて飴色がかってきます。

これがまた、多くの人を魅了している理由の一つでもあるのではないでしょうか?

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最上位として位置づけられるエボニー指板・その真相は?

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エボニー指板は、真っ黒な指板材として知られています。非常に密度の高い木材で、ローズウッドに比べても木目が細かいことから、白っぽくならず、ローズよりも立ち上がりの早いダークな音色が特徴です。

機械的に解析してみると、エボニー指板の音響特性は、上記2つの指板材と比べても明らかに立ち上がりが早く、メリハリのある音色が期待できます。

同じく立ち上がりとアタック感に優れていることで知られるメイプルと比べると、メイプルが高域成分に優れているのに対して、エボニーは下の帯域から上まで比較的バランス良くまとまって出てきます。高価な価格も相まって高級器に使われます。

このエボニーですが、本来の理想的なエボニーは無塗装で本当に真っ黒な色をしています。これはエボニーの木からほんの一部しか採れない芯材を使用しており、楽器・家具ともに最上級の木材と位置づけられています。

しかしながらハカランダ同様、ワシントン条約によって規制されている木材で、近年では質の高い真っ黒なエボニーはほとんど採れません。そのため、色にムラのあるエボニーや、エボニーの亜種を着色して使用しているのが一般的です。

常識的な価格帯の普通の生産ラインで量産されている楽器などでは、まず間違いなく着色エボニーを使用しています。今やエボニーの着色は当たり前ですが、なかには、ローズ指板やメイプルを黒く着色してエボニーに見せかけているものもあるため、注意が必要です。

オイルの役割について・指板のオイルはこまめに塗ったほうがいいの?

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これについては賛否両論あるでしょう。しかし、何事も塗りすぎて良いことはありません。オイルを塗ると、厳密にいえばギターのサウンドが変わるって知ってましたか?

オイルで保湿することによって、サウンドの傾向としても少しウォームに働きます。私はわりとドライでカラッとした音が好みなので、必要最低限しかオイルを塗らないことにしています。

ちなみにオイル系は、指板の保湿の意味あいが強いと思われがちですが、オイルを塗ることによって、多少なりとも撥水効果が生まれます。湿気が多い日本では、夏場こそしっかりと手入れしてあげることで、余計な湿気から木材を保護するのにも役立ちます。

オイルは、あくまでも無塗装の指板に塗ることを目的としています。塗装されているメイプル指板などでは、塗膜を溶かしてしまうかもしれないので禁物です。

自分の好みの音色を木材から選んでいくのは、プレイヤーにとってのこだわりどころです。楽器の使いかたや手入れのしかたも考えて選んでいくと良いでしょう。

by[tak近江]

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