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アンディ・サマーズ~ポリスのサウンドを作り上げた個性派ギタリスト

70年代から80年代にかけて大成功をおさめた3ピースバンド、ポリス。そのバンドサウンドに強烈な個性を与えていたギタリストがアンディ・サマーズです。

優れたギタリストでありながら、決して派手なプレイをするタイプではありませんでしたので、彼はギターヒーローとして取り上げられることはあまりありませんでした。

しかし、アンサンブルの中におけるギターという点ではアンディのプレイはとても優れたものでした。

筆者は、彼から多くのことを学びました。その一部をここでご紹介したいと思います。

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独創性に溢れたオリジナルトーン

冒頭で、派手なプレイをするタイプではない、と書きましたが、そのサウンドはかなり派手で個性的なものでした。

現在では多くのエフェクターを駆使し、さまざまなサウンドを出すことはもはや常識となっています。そのスタイルの原点となったのが、アンディ・サマーズでした。特に彼が巧く使用していたのが、ディレイ、コーラス、リバーヴなどの空間系エフェクターです。

これらを使い分け、組み合わせることによってサウンドに、そして楽曲に個性をプラスしていました。これがなければ、ポリス独特の世界観は決して生まれなかったでしょう。

ギターの役割は派手にソロを弾くことだけじゃない…イングヴェイなどの派手なテクニカル系ギターに夢中だった筆者は、サマーズからそんな大切なことを教わりました。

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ギターコレクターでありながら、使うのは一本で十分

アンディ・サマーズは多くの貴重なギターを所有しているコレクターとしても知られていました。しかし、実際に彼がプレイしていたのはその中の数本だけです。

このことに関して彼はインタビューでこう話しています。

「一本のギターだけをずっと弾くほうがずっと良い音を引き出せる。」

この言葉の通り、トラブルなどがない限り彼は常にサンバーストのテレキャスターをプレイしていました。

ギタリストであれば、さまざまなギターを手にしたいと思ってしまうのは仕方のないことです。しかし、そのギターの本当の良さを引き出すには、一本を弾き続ける必要があるのです。

筆者もかなりのコレクター気質で、次から次へと新しいギターを購入し、メインギターがコロコロ変わっていました。しかし、サマーズのこの言葉を聞いて、一本のギターにも向き合えていない自分が恥ずかしくなってしまったのを覚えています。

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ギターを弾くのではなく、音楽を奏でる

サマーズのギターは冒頭でも書いた通り、楽曲のアンサンブルの中で輝くものです。しかし、彼らが活躍した1980年代は派手なギターの全盛期です。

エディ・ヴァン・ヘイレンやイングヴェイ・マルムスティーン、スティーヴィー・レイ・ヴォーンなど、派手なギター・ソロプレイヤーが人気を博した時代です。誰もが彼らに憧れ、必死にギターソロを練習したものです。

そんな中にあって、どうしてサマーズはまったく違った方向性のギタリストであり続けることができたのでしょうか。

そこにはサマーズのミュージシャンとしてのこだわりがありました。彼はギターを弾くのではなく、音楽を奏でることを重要視していたのです。そして、彼の、そしてポリスの求める音楽に派手なギターソロやテクニカルな速弾きは必要なかったのです。

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前述の通り、独特のサウンドを作り上げるなど、非常にギタリストとして彼は高い才能を持っていました。時々、彼のプレイスタイルから、その才能やテクニックが疑問視されてしまうことがあります。

しかし、他の誰がポリスでギターを弾くことができたでしょうか?おそらく、彼以外のギタリストではポリスのサウンドを作り上げることはできなかった、筆者はそう考えています。

自己顕示欲がとても強く、誰よりも大きな音を出すことばかり考えていた筆者、彼のこの姿勢にも強い感銘を受けました。忘れられてしまいがちですが、ギタリストであるよりもまず、ミュージシャンであること。それが一番大切なことなのです。

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自分自身を貫く強固な信念

2007年、ポリス結成から30周年となった年に、ポリスは活動休止宣言をした86年以来の本格的な活動をスタートさせました。

この再始動後のアンディ・サマーズのプレイがまるで変わっていなかったことに筆者はとても感動したのを覚えています。見た目は確かに老けていました。ですが、ギターを手にすると、20年前と何もかわらないサウンド、そしてプレイを聞かせてくれたのです。

多くのミュージシャンは年齢を重ねるごとに変化して行きます。流行を追って自分を変え続けるという人も少なくありません。

しかし、サマーズは強い信念を持って変わることを拒み続けたのです。

流行を追い続けることこそ正しいことだ、そう考えていた筆者はまた考えさせられました。自分の考えの焦点が合っていないために、変わってしまうことは決して正しいことではありません。

このように、筆者はアンディ・サマーズから本当に多くのことを学んできました。これらのエピソードから筆者と同じように何か感じ取っていただけたら、幸いです。

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