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エフェクターに使われるオペアンプって何?~アナログ回路には必須?

エフェクターにもよく使われる、オペアンプという部品をご存知ですか?アナログ回路にはなくてはならないと言っても過言ではないほど使われています。

人によってはエフェクターに使われているオペアンプを交換して、音質の変化を楽しんでいる方もいるようです。特に、エフェクターの自作や前述のオペアンプの交換をするときに気をつけることなどをご紹介します。

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オペアンプの形状や回路数

オペアンプには、中の回路が1個(シングル)の物、2個(デュアル)の物、4個(クワッド)の物があります。クワッドのオペアンプは、他の物と違い14ピンの形状なので間違えることはないでしょうが、シングルとデュアルは形状が同じ場合が多いので注意が必要です。

シングルの注意点ですが、シングルは8ピン(足が8本あるという意味)のパッケージの物が多くあります。表面実装(基板の穴に足を通して取り付けるのではなく、基板のパッドと言われるハンダを付ける部分に乗せるだけの組立方法)の物には5ピンの形状の物もあります。

DIP(基板の穴に足を差し込む組立をする形状のもの)の場合は8ピンになり、見た目だけではシングルなのかデュアルなのかはわかりにくくなっています。

また、シングルは、最低限必要な5本のピン以外に3本余っている足があるため、ここに特殊な機能を追加したものがあります。

よくあるのは、オフセット調整と言われるピンで、これはケアしなくても構わないものが多いのですが、すべてがそうだとも限らない(私が知らない内部回路のものがあるかもしれない)ので、事前に調査は必要になります。

私が知っている変わった物には、オペアンプを動作させるか、停止させるかを制御するピンがあるものもあり、この場合は、特殊なピン処理をしないと動きません。

慣れた人以外は、シングルのオペアンプを交換したり、シングルが使われている回路図の場合は、回路図記載のオペアンプ以外を使うのは止めておいた方が良いでしょう。

デュアル、クワッドの場合は、シングルのような特殊ピンを備えたものはない(必要なピン以外に空きがない)ので、交換や変更に使える物は多数存在します。それでも何でも使えるわけではありません。
よく使われる8ピンタイプ▲通常の8ピンタイプのオペアンプ。
表面実装されているもの▲表面実装の8ピンタイプのオペアンプ。
変換基盤を使った形▲このような形で使用することができます。

オペアンプによる電源電圧の制限

通常、オペアンプには、型式ごとに使える電圧範囲が違います。エフェクターに使う場合は、多くの場合9V(伝統的に006P電池を使うので)で動くことが必要条件になります。

これは、使う型式の仕様書をネットで落として調べる他ありません。RSコンポーネンツ、秋月電商、マルツパーツなどで部品を購入する場合は、それぞれのサイトで仕様書を見ることができるので便利です。

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電源電圧を調べる場合の注意ですが、オペアンプは、+とーで電源を表記している物も多く、たとえば±5V~±15Vと仕様に書いてある場合、電池の電圧で言うと10V~30Vとなるので、9Vの電池では動かせません。

±で書かれている場合は、±4.5V以下の電圧で動くことが必要要件となります。9Vの電池を2本使っても良いと割り切るならばその限りではありませんが、基本は±4.5V以下(できるだけ低い電圧から動くことが理想)で動くことが要求されます。
確認しておきたい電圧の見方▲しっかりと電圧の確認を。
また、絶対最大定格電圧が9V以上であることは必須で、できれば12V以上であることを推奨いたします。これより低い最大定格電圧の物を使うと、オペアンプが故障することもあるので注意が必要です。
最大定格電圧の表示を見る
▲不具合が起こるだけでなく、最悪の場合オペアンプが壊れてしまうこともあります。

エフェクターに使用するオペアンプ特有の注意点

オペアンプをエフェクターに使用する場合、押さえておきたいポイントがあります。それは、一番初めの入力回路に使うオペアンプの入力バイアス電流(仕様書にIBと記載されている場合もあります)です。

できるだけ少ない電流値の物を選ぶことをお勧めします。エファクターの入力インピーダンスという特性は、1MΩになっている場合が多く、これより低い数値が使われているエフェクターの回路図は、私は見たことがありません。

電子回路の仕様としては入力インピーダンスが高い部類になり、入力バイアス電流の影響で動作がおかしくなることもありえます。

入力バイアス電流はできるだけ小さい数値、0.1μA未満の物を使うようにした方が無難です。仕様書にFET入力と書かれているか、MOS入力と書かれていれば、この条件はクリアしています。

入力段以降の回路に使うオペアンプにはこのような制限はありません。

最後に、いままでのまとめをして今回は終わろうと思います。オペアンプ選定のプロセスは、以下のようになります。

1.いま使われている(または回路図に書かれている)オペアンプの型式を調べます。
2.型式がわかったら、ネットから仕様書を入手します。
3.オペアンプのパッケージを調べ、シングルの場合はとりあえず変更を止めておきましょう。(ご自身で判断ができればその限りではありません。)
4.デュアル、またはクワッドの場合は、使えるオペアンプを動作電圧と絶対最大電圧で判断します。
5.入力段に使うオペアンプは入力バイアス電流に注意します。

以上、エフェクターで使うオペアンプの基本でした。

By吉原

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