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これが本物のR&Bだ!~黒人ソウル・シンガーならこの3人を聴け

日本でもずいぶんまえから、音楽ジャンルの1つとしてひんぱんに使われている「R&B」。もちろん「R&B」とは「リズム・アンド・ブルース」の略です。

どうも最近、邦楽・洋楽問わずその意味が変わってきているとは思いませんか?長い歴史を持つR&Bは、本来クールではなく熱くアツく魂を叫ぶ音楽なのです。

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人種差別的なカテゴライズから派生したのがR&Bの始まり

R&Bという言葉の起源は、音楽雑誌の「ビルボード」が音楽チャート上、アフリカン・アメリカの音楽を“レイス・ミュージック(人種音楽)”と言うカテゴリーとして扱っていたことに始まります。

人種差別的なニュアンスがあったのでしょう。その後第二次世界大戦を経て呼び名が変わりリズム&ブルース略してR&Bとして認知されていったようです。

抑えきれない感情を歌に込めてシャウトするシンガーたち

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▲シャウトするオーティス・レディング

筆者が思うR&Bシンガーの定義、それは男女問わず“汗をかきながらシャウトする”こと。現在の“ドラムン・ベースに乗ったクールなバラード”的なイメージとは真逆といえるかもしれません。ここに紹介するシンガーたちの音楽を聴けば、暑苦しくも魂を揺さぶられる魅力に気づいてもらえるはずです。

若きR&Bの帝王として、ロック・ミュージシャンと渡り合ったオーティス・レディング

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▲オーティス・レディングの20代とは思えない堂々たる貫録!

1941年アメリカ・ジョージア州に生まれたオーティス・レディングは、1967年にツアーへ向かう自家用飛行機の墜落により若くしてこの世を去るまで、多くの名曲を遺しました。

1964年にSTAX / VOLTレーベルからアルバム『Pain in My Heart』でデビューした彼は、そのおおきな体とダイナミックな歌唱で黒人としては異例の活躍をしたシンガーです。

有名なのは1967年に出演した音楽フェス「モントレー・ポップ・フェスティバル」でのステージ。白人の音楽祭に黒人が出演することに難色を示すミュージシャンもいたようですが、結果的にザ・フーやジミ・ヘンドリックスとならび伝説のステージとして評されることとなりました。

バックにしたがえたスタックス所属の盟友バンド、ブッカー・T&ザ・MG’sのギタリスト、スティーブ・クロッパーと作り上げた楽曲は名曲ばかり。

「I Can’t Turn You Loose」、「Respect」などのジャンプ・ナンバーはもちろん「I’ve Been Loving You Too Long」や死後一番のヒット曲となった「(Sittin’ On) The Dock of the Bay」といったスロー・ナンバーも味わい深く心にしみます。

なかでもオーティスの魅力を最もよく伝えている曲が「Try a Little Tenderness」。バラード調の前半から一気に白熱する後半の展開は、じつにスリリングで興奮させられます。

日本でも忌野清志郎がフェイバリット・アーティストとして彼の名前を挙げており、1992年にはブッカー・T&ザ・MG’sとともにアルバムを制作、日本に招いてツアーをおこなったことでも知られています。

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R&B史上最高の男性デュオとして、ヒット曲を連発したサム&デイヴ

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▲“ソウル・ダイナマイト”!!サム&デイヴのステージ

1961年にサム・ムーアとデイヴ・プレイターにより結成された最強のソウル・コンビ、サム&デイヴは通称“ソウル・ダイナマイト”と呼ばれました。ソウル・デュオという形がいまでは珍しいですし、あとにもさきにもこの2人を超えるコンビはいないのではないでしょうか。

彼らが歌ったヒット曲は超有名なソウル・スタンダードばかり。「ソウル・マン」「ホールド・オン(Hold On, I’m Comin’)」「アイ・サンキュー」など、あなたも一度は聴いたことがあるはずです。オーティスの死と入れ替わるように活躍をした彼らですが、81年にはデイヴ・プレイターが抜けてはなればなれに。

82年にはサム1人で来日し、RCサクセション主催フェス「THE DAY OF R&B」に登場しました。その後もサムはたびたび来日しており旧知の仲である忌野清志郎が復活を遂げた際にはステージに招き入れ共演するなど、日本のファンにもお馴染みです。

昨年は清志郎の追悼イベントに出演し、70歳にもなる年齢とは思えないほどのドデカい声で武道館に集まった観客の度肝を抜いたのも記憶に新しいです。

「ダンス天国」とド派手なスーツで一時代を築いたソウル・シンガー、ウィルソン・ピケット

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▲「ナ~ナナナナ~」でおなじみのウィルソン・ピケット

3人目は、ウィルソン・ピケット。代表曲「ダンス天国」のコーラス「ナ~ナナナナ~」を聴けば恐らく90パーセント以上の人が聴いたことがあるはずです。

代表作『エキサイティング・ウィルソン・ピケット』は、「イン・ザ・ミッドナイト・アワー」「634-5789」「ダンス天国」の3曲がR&Bチャートで1位を獲得しました。

収録曲はもちろんのこと、赤いスーツに身を包んだジャケットが最高すぎる!このビジュアルこそまさに“リズム&ブルース”であり、“R&B”というジャンルを表しています。

一方で派手に明るく太いリズムに乗せてシャウトし、一方ではスローなバラードに魂を込めて切々と歌う。体全体で表現する熱い音楽こそがR&Bです。時代が変わり音楽ジャンルも変容していきますが、本物のR&Bはいつも色あせることなく現代音楽シーンに影響を与え続けています。

(文 岡本貴之)

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