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下痢や嘔吐の症状があったときに看護師が特に心配することは?

2014.03.22

下痢や嘔吐の症状があったときに看護師が特に心配することは? はコメントを受け付けていません

突然起こった下痢と嘔吐の症状に、あわてた経験がある方も多いと思います。

医療現場でも、こういった症状がある患者さんには細心の注意を払います。

今回は看護師が恐れる下痢と嘔吐の症状について、いくつかご紹介していきたいと思います。

下痢の症状で特に注意が必要なのは脱水

一般的に下痢というと、便が水のようになる状態をイメージすることでしょう。形のない便に加え、お腹がギュルギュルと音を立て、腹痛を伴う方も少なくありません。

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下痢を起こした時にまず念頭に置かなければいけないのが脱水です。下痢は便が水様であることから、多量に水分が失われます。つまり、「体から水が脱する」という脱水症状を起こしやすいのです。

また、体の中から水分が失われることで循環血液量も低下しますので、血圧は低下します。その一方で、少ない血圧で体の隅々まで血液を回さなくてはいけませんから、脈の回数を多くしなくてはなりません。

その結果、血圧で補えない分、何回も心臓を動かさなくてはいけず、頻脈となります。

下痢の便で心配される周囲への感染

脱水症状のほかにも下痢と聞いて看護師が恐れることがあります。それは、周囲への感染です。

何らかの病気で下痢の症状が出ている場合、その下痢の便から感染経路がつくられます。他者に感染させるルートには大きく3つ、「感染源、感染経路、宿主」というものがあり、逆にこの3つを断ち切れば、感染は回避できます。

便の取り扱いには注意が必要

医療現場では、下痢を含めた便の取り扱いに関して、とても注意を払っています。

便は接触して感染するということが一般的に考えられますが、実は接触ばかりではなく便が蒸発することによって、そこに含まれるウィルスが空気中に漂い、空気感染することも考えられるのです。

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医療従事者は、この感染経路を遮断するために、オムツを二重にしてビニール袋に詰めたり、手袋やエプロンなどを使用するといった工夫をしています。

さらに、ノロウィルスなどは、アルコール消毒は効果がありませんので、次亜塩素酸ナトリウムという薬品を使って対処していることもあります。

嘔吐の回数によっては食道にダメージを与えることも

日常生活においては、お酒を飲み過ぎて吐いてしまったり、ノロやロタウイルスからくるウイルス性胃腸炎から感染して、下痢や嘔吐を引き起こすことがあります。

嘔吐の症状には、いくつか種類があり、嘔吐の回数に注目してみると、1日に1回の嘔吐で済んでしまうものや、1時間に5回以上も嘔吐するケースもあります。

嘔吐の量にもよりますが、嘔吐をすればするほど、食道にダメージを与えてしまいます。胃酸が逆流することによって、酸が食道を刺激して、炎症を引き起こしてしまうのです。

嘔吐も、脱水症状を引き起こします

本来ならば、口から摂取した水分は、体に吸収されるのですが、再び嘔吐という形で口から水分が出てしまうので、体に水分を蓄えることができません。

やはり、嘔吐も下痢と同様に、体液を大量に消失させ脱水症状を引き起こしやすくします。

脱水は、血圧や脈拍といった生命に関わるものに影響し、自覚症状としても倦怠感や疲労感を大いに感じることでしょう。経口補水液等で脱水予防が必要です。

仰向けで嘔吐すると危険!

さらに、嘔吐する体位や性状を考えてみると、仰向けで嘔吐した場合、吐いたものが呼吸と重なって、空気を吸い込む時に吐いたものが気管に入ってしまいます。

気管に吐いたものが入るということは、胃酸が気管に付着して炎症を引き起こすだけでなく、本来無菌であるはずの気管に菌やウィルスが入り込むことで、いわゆる誤嚥性肺炎にも発展します。

誤嚥性肺炎は右側によく起きやすいです。なぜなら、右の主気管支の方が太く、短く、角度が急であるために、吐いたものが右肺に入りやすいからです。

誤嚥性肺炎になってしまうと、それを引き金に呼吸状態が悪くなり、命を落としてしまうケースもあるので、注意が必要です。

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