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どこまで自動車保険に請求できる?もしあなたが交通事故の被害者になったら

2014.01.08

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自動車保険選びの際などに、自分が事故の加害者になってしまった場合のことは誰もが考えるでしょう。

では、自分がそんな被害者になってしまった場合のことを考えたことはありますか?あまりいないのではないでしょうか。

筆者は損害保険会社の損害調査・査定員として数年間にわたってさまざまな事故の被害者に会ってきました。

「こんな時のための保険なんだから損害はすべて賠償してもらえるんだろう」そう考えている方がほとんどです。

もちろん「損害」に関しては保険で対応することができます。

しかし、どこまでが損害なのか、そしてどこまでが保険で対応可能なのでしょう。

保険会社と被害者が揉めてしまう理由のほとんどはそこにあります。

これまでに筆者が実際に見てきたケースを参考にしながら、自分が被害者になってしまった場合のことを考えてみましょう。

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壊されたブロック塀、どこまで復旧してくれる?

自動車による物損事故の被害物の中でも特に多いのがブロック塀です。

これが自動車事故によって損害を受けてしまった場合、どのような対応を受けることができるのでしょうか?

倒壊するなど、完全に壊れてしまった場合、損害を受けた範囲が復旧の対象となります。

一見まったく問題がないように思えますが、これがトラブルの原因となってしまうことも少なくありません。

設置されてからある程度の時間が経過しているブロックは経年による劣化や日焼け、汚れなどによって変色してしまいます。

その一部分が損害を受け、新しいブロックによって復旧した場合、当然色に違いが出てくることになります。

これでは美観が損ねられてしまいますので、損害を受けていない箇所も新しいものに変えてほしい、そんな請求を受けるケースも少なくありません。

しかし、このような請求が認められるケースはほとんどありません。

もし、これを認めてしまうと、極端な話、ブロック一枚を破損しただけで、数十メートルにわたるブロック塀をすべて交換しなければならなくなってしまうためです。

保険で対応することができるのは壊れてしまった範囲だけなのです。

思い出の品が壊されてしまった!その精神的な痛みは賠償できる?

金額として算出することのできないものは賠償することができません。壊されたものは父の形見だった…そんなケースもあるでしょう。

同じものを購入することができたとしても、それは別物ですので何の意味もありません。

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ですが、思い入れ、思い出に関しては金額として算出することができませんので、基本的に損害保険の対象外となってしまいます。

筆者もこのようなケースでは、金額の算出の際にとても心が痛みました。ですが、思い出はお金に換えることはできないもの、そう考えて納得するしかありません。

どんなに古いものでも新しく購入する費用がもらえるの?

事故によって壊れたのはとても古いパソコン…でも新しいものの購入費用が賠償されるんだよね?そう思われている方も多いかと思います。

ですが、これは間違いです。あくまで現在の価値に換算されて支払われることになります。

税金の計算などでも使われる減価償却にかけ、支払われる賠償額が算出されますので、古いものが壊されてしまったとしても、新しいもので賠償されるということは基本的にありません。

しかし、この減価償却にかけてしまうとどんなに高価なものであっても、ほとんど価値がなくなってしまうケースも少なくありません。

これでは当然被害者側としては納得することができないでしょう。

ですので、このような場合はまだ十分に使用が可能であったことを証明できれば、同等程度の中古品の再調達価格などで賠償されるケースもあります。

もちろん、これはケースバイケースですので、保険会社が提示してきた金額に納得することができないのであれば、担当者と話し合いをするようにしましょう。

時間はお金に換算できる?

事故によって仕事へ行くことができなかった、どうしてくれるんだ!被害者の方からそう言われてしまうこともありました。

この場合、具体的に事故によって仕事に行くことができなかったことで、金銭的な損害が出たのかが重要となります。

一日仕事を休まなければならなくなったことで、収入がいくら減ってしまった、ということを証明することができればもちろん支払いの対象となります。

ただ手間がかかっただけ、という場合は金額として算出するのが難しいですので、対応することができないケースがほとんどです。

最終的には担当者のさじ加減?

損害が発生しているものの、その被害額を算出するのが難しいケースも少なくありません。

例えば、建物の壁や塀などに少し擦ってしまった場合などでは、いろんな復旧の方法が考えられます。

機能上は問題ありませんので、簡単な洗浄で済ませてしまうという方法もあれば、再塗装し、完全に傷跡が見えないようにするという方法もあります。

どちらの方法をとったとしても復旧と言えるでしょう。しかし、洗浄と再塗装では大きく費用が異なってきます。

復旧方法の判断が難しい場合は、最終的に査定の担当者のさじ加減によって金額が決定してしまうということもあります。

すべての事故、そして被害状況や被害物を想定して金額を決めておくことはできませんので、ある程度決められたルールの中で、最終的に判断するのは人間です。

こう考えると、保険会社の担当者との交渉がとても重要であることは言うまでもありません。自分が納得することができるまで交渉する、これも一つの手段です。

さまざまな事故の現場を見て、その被害額を算出してきましたが、一つとしてまったく同じ事故は存在していません。

そうなれば毎回損害額も異なっています。保険で対応が可能な範囲をある程度把握した上で交渉することがとても大切です。

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