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能力がない人でも出世はできる?~能力主義否定のイグノーベル賞理論

指摘する重役

サラリーマンとして働いていると、「どうしてこの人が?」というような人がマネージャーとして偉くなっているのを不思議に感じることがあるものです。

どんな会社にも、有能な上司と、あまり能力を発揮できていないと思われる上司がいます。

「年功序列なのだから仕方がない」と諦めている人もいるかも知れませんが、どうして能力がない人でも出世できてしまうのでしょうか?

これについては面白い理論があります。アメリカ人のピーターさんが思いついた理論で、「ピーターの法則」と呼ばれています。ユニークですがまじめな理論です。

この法則に基づき、組織を効率化する方法を理論的に導き出したプルチーノは、2010年にイグノーベル賞を受賞しました。

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能力主義の社会は、能力があると出世する仕組み

ほとんどの企業で、能力主義が採用されています。仕事のできる人が出世しステップアップして、できない人はいつまでも同じポジションにとどまります。そういう仕組みでないと、人は仕事の意欲が湧きません。

人は他人から評価されるとうれしいものですし、評価の証としてポジションなり待遇なりがアップすれば、努力が報われたと感じます。

平社員が課長になれば給料も上がりますし、カッコも良くなります。家では奥さんからほめられ、子供たちからも尊敬されるかもしれません。

だからこそ、多くのサラリーマンが「出世」を目標に働いています。サラリーマンの組織は「出世」という目標がひとつの原動力となって回っているといえるでしょう。

仕事ができると仕事の種類が変わる?

セールスパーソンとして活躍している人がいるとします。彼・彼女は何年か実績を積み上げると能力が評価されて、課長に昇格するでしょう。そして、マネージャーとして頑張って働くわけですが、必ずしも成果をあげられるとは限りません。

彼・彼女は、「セールスパーソン」として一流の能力を持っていたことは確かですが、管理者としての能力を評価されて昇格したわけではありません。

セールスパーソンが発揮すべき能力と、課長として活躍する際に必要な能力は別物です。そのため、先日までは有能だった人が、優秀ではない課長になってしまうということが起こりえます。

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素晴らしいスポーツ選手が必ずしも有能なコーチになれないのと同じです

スポーツの世界を見てみれば、同じようなことがしばしばあります。プロ野球選手として大活躍した人が引退後にコーチや監督になっても、強いチーム作りができないということはよくあるものです。

選手として活躍する能力と、監督・コーチとして発揮すべき能力は必ずしも同じではないからです。

優秀な課長が部長になって能力を発揮し、さらに偉くなるのが階層社会

セールスパーソンから課長に昇格した人の中でも競争が生まれます。チームを上手に運営し成果をあげられた人は、いずれ部長に昇格するでしょう。そして、こんどはそのポジションでも能力を発揮できれば、さらに偉くなります。

こうして階層ごとのステージで活躍できた人だけが昇格し続けて、いずれは社長になります。能力主義の階層社会では、そのステージごとに能力を発揮できた人がステップアップを繰り返す仕組みになっています。

能力を発揮できない人はどうなるのか?

各ステージで一定の実績をあげられた人がステップアップする一方、上げられなかった人はどうなるのでしょうか? 多くの組織で「降格」という人事は行われません。

課長に昇格した人が、そのポジションでうまく仕事ができないからといって、再びセールスパーソンに格下げされることは普通ありません。そのため、能力のない課長はいつまでもそのポジションにとどまることになります。

出世できなくなった人が滞留してしまう

普通は課長の数よりも部長の数の方が少なく、部長の数よりも本部長・執行役員の数の方が少ないものです。

課長から部長に昇格できる人は一部に限られますので「課長どまり」の人が大勢滞留することになります。同じく「部長どまり」の人も多数滞留することになります。

こうして、かつては有能なセールスパーソンだった人の多くが「能力を発揮できない課長」となり、有能な課長だった人が「能力を発揮できない部長」になるということが繰り返されます。

仕事はまだ「不適当なレベル」に達していない人によってなされる!?

能力主義の社会では、それぞれの人が「不適当なレベル」に達するまで出世し、そこでとどまります。したがって、組織の中で能力を発揮しているのは、まだ「不適当なレベル」に達していない人だということになります。

「能力主義の階層社会では、仕事の多くがまだ不適当なレベルに達していない人によってなされている」というのが、ピーターの結論です。

この問題を解決して、イグノーベル賞を受賞した!?

この問題を解決する方法として、昇格に際して一定のマネジメントトレーニングを与え、新たな地位に適応能力があると認められた場合に昇格させるというような方法があります。

また、事務系と技術系とで組織形態や賃金形態を変えて、優れた技術者には管理職並みの賃金を与えるような仕組みもあります。

アレッサンドロ・プルチーノは、この問題を経営学的に分析し、有能な人を昇格させるよりも、アトランダムに選んだ人を昇格させた方が、組織は効率的になることを数学的に「証明」しました。

つまり、能力を発揮した人を出世させるよりも、適当に選んだ方が企業は発展する!?のだそうです。この「功績」により、彼は2010年度の「イグノーベル賞」を受賞しています。

なお、「イグノーベル賞」は「人々を笑わせ、考えさせてくれる研究」に与えられる賞です。

By 水の

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