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不妊原因となる卵子の老化の問題~凍結保存に期待はできるのか?

妊婦をイメージする女性

最近、不妊原因の1つとして大きく取り上げられるようになった「卵子の老化」。多くの女性はこの事実についてほとんど知らされないまま過ごしてきたため、いざ子どもを持とうと思った時に大きなショックを受けることになります。

卵子が古くなると何がいけないのか、また凍結保存はできるのかどうかについても見ていきましょう。

卵子は、自分と同じ年数だけ歳をとっている!

卵子の元になる「原始卵胞」は、生まれた時から卵巣の中に蓄えられています。つまり女性が20歳になる頃には卵子も20歳、30歳になる頃には30歳になっているのです。

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厳密には胎児の段階で蓄えられますので、むしろ本人の年齢より上といえるかもしれません。

しかしこの事実は長い間、ほとんど語られてきませんでした。保健体育の授業で教わることもなく、女性たちはとにかく男性と同じように勉強し、就職して働くよう促されてきたのです。

そして30代も半ばを過ぎてようやく結婚・出産を考えるようになった頃、卵子の老化について知らされて衝撃を受けることになります。「もっと早く知っていれば、違う道があった」と後悔する女性たちは後を断ちません。

最近になってNHKをはじめとするメディアがこの問題を取り上げるようになり、ようやく女性たちの間にも知識が広まってきたところです。

卵子が古くなると何がいけないのか?

精子と卵子のイメージ図
卵子が老化すると、さまざまな問題が出てきますが、まずは「妊娠率の低下」が挙げられます。

私たちは約200万個の原始卵胞を持って生まれてきますが、実際に排卵が始まる頃にはおよそ20~30万個にまで減少しています。さらにその後も1回の月経周期につき約1,000個が減るといわれますので、どんどんストックは目減りする一方です。もちろん原始卵胞は、後から補充されることはありません。

さらに卵子の質も歳とともに低下するため、妊娠する確率は大きく下がってしまいます。ここがいくつになっても毎日新たに精子が作られる男性と、決定的に違うところだといえるでしょう。

また妊娠が成立しても、「染色体異常の増加」という問題が立ちはだかります。染色体は全部で46本あり、2本ずつ23対に分かれますが、古くなった卵子はうまく分裂できずに「22:24」など偏りやすくなることが分かっています。その結果ダウン症などの障害や流産などにつながるのです。

あるデータでは、20歳の女性の妊娠で染色体異常が起こる確率は「1,500人に1人」であるのに対し、30歳では「1,000人に1人」、35歳では「400人に1人」、そして40歳では「100人に1人」と報告されています。

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卵子の凍結保存は、まだ完ぺきとは言えない!?

冷凍保存の貯蔵庫
このような卵子の老化に関する知識が広まるとともに、卵子の凍結保存を望む女性たちが増えてきました。未婚のうちにとりあえず卵子を採取して保存しておき、いずれ時が来た時に活用できるようにするためです。

もともと卵子の凍結は、がんの治療で放射線療法を受ける女性など、卵子に何らかの影響が考えられる場合に限りおこなわれてきました。しかし不妊の悩みが深刻化する今、日本生殖医学会もついに健康な女性にも凍結保存を認め、2013年にはガイドラインを作成することになったのです。

ただし卵子の凍結保存は、私たちが考える以上に難しい技術を必要とします。未授精の卵子は普通の細胞と比べて非常に大きい上、球形を維持しているため、冷凍によって壊れやすいからです。

最近では「ガラス化法」などの新たな方法が開発され、成績はだいぶ向上しているようですが、実際に凍結保存された卵子で妊娠・出産したケースはまだまだ少なく、さらなる臨床が待たれます。

また費用面での問題もあります。クリニックによっても異なりますが、採卵~凍結には数十万~100万かかるところが多く、さらに1個ごとに年間の保管料も発生します。

保存する卵子の数は、念のためを考えると1個というわけにもいきません。たとえば10個保存するとしたら、年間で10万ほどかかることもあります。

しかも凍結保存した卵子による妊娠率はまだ10パーセントといったところですので、「これで安心」とはまだ言えないのが現状です。

後悔しないために、出産を見据えた人生設計を!

昔と違って、今は人生の選択が1人の若い女性にすべて委ねられている時代です。結婚するもしないも自由、子どもを持つ・持たないも自由という状況は、逆に女性たちにとって大きな負担になっているともいえます。

仕事で足場を築こうと必死になっている時期に、いわゆる「適齢期」を迎え、少し落ち着いた頃にはすでに卵子の老化が進んでいる…現在、不妊治療で苦労している女性たちは、まさにそんな社会のゆがみの影響をダイレクトに受けた世代だといえるでしょう。

卵子の凍結保存も1つの選択ですが、同時に1人ひとりの女性ができる限り早くから自分の人生を設計し、後悔しない生き方を選んでいくことも大切です。

「卵子はあなたと共に歳をとっていく」-不妊治療で苦しむ女性たちの中には、そのメッセージを身を持って若い世代に伝えようと活動している人もいます。女性が安心して出産・子育てしながら社会でも活躍していける、そんな日本になっていくことを期待したい今日このごろです。

By 叶恵美

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