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一晩で髪が真っ白になるってホント?~白髪にまつわる都市伝説

2014.02.03

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「ショックのため一夜で髪が真っ白になった」「白髪になる人はハゲにくい」…巷にあふれる、白髪にまつわるさまざまな都市伝説。

ちょうど白髪が目立ち始めた人には、つい気になってしまいますね。

しかし髪に関するウワサの多くは、医学的な根拠に乏しいのが現状のようです。

抜くと増えるってホント?→NO!

まだちらほらと白髪が見える程度の人なら、鏡の前でプチプチと抜いてしまうこともあるでしょう。

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そんな時「白髪を抜いたら増えるよ!」と警告する人が、昔から必ずいるものです。しかし白髪のメカニズムからいうと、この都市伝説はウソになります。

そもそも白髪ができるのは、髪が生えてくる前の段階です。

髪の毛が作られる時、同時に「メラノサイト」という色素細胞によって色が入るのですが、何らかの原因でメラノサイトがうまく働かなかった場合は、色づけられないまま生えてきます。

メラノサイトは、髪を作り出す「毛母細胞」の周りに存在するものです。1本1本の髪は、それぞれ別々のメラノサイトによって色がつけられます。

ですから1本抜いたからといって、他の髪まで白髪になるようなことはありません。

それよりも白髪を抜くようになったころには、すでにある程度の白髪が存在しているというのが実際のところでしょう。

本人が目で確認できる髪には限度がありますから、知らない間に白髪が広範囲にわたって生えていることが多いものです。

つまり白髪を抜いたから増えたのではなく、もともと急に増え出した時期だった、というほうが正解だと思われます。

ただし白髪といえども、まだ成長途中のきちんと生えた髪である以上は、手でプチプチ抜いてしまうのは良くありません。

毛根を傷めてしまい、炎症につながる可能性があるからです。どうしても気になるならハサミで切るか、思いきって染めてしまったほうがいいでしょう。

ショックのため一夜で頭が真っ白になった人がいる?→NO!

一夜で白髪に、というエピソードはマリー・アントワネットのものが有名です。

フランス革命で処刑を宣告された時、ショックのあまり一夜にして髪が真っ白になったという逸話が残されています。

しかしこれも、白髪のメカニズムを考えるとあり得ない話です。

前述したように、髪の色は頭皮から顔を出す前に決定されています。つまりすでに生えている髪が、途中から白く変わることは基本的にありません。

ただしマリー・アントワネットの場合、宣告から処刑までに約2ヶ月の期間があったようですので、この間に白髪が増えた可能性は考えられます。

それでもブロンドだった髪が真っ白になるのは無理があるでしょう。

それよりも、処刑の前に髪を短く切られてしまったために白髪が目立ってしまった、というほうが事実に近いと思われます。

また処刑当日に白い帽子をかぶせられたことも記録に残っていますので、そのイメージが白髪につながったのかもしれませんね。

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苦労すると白髪になる?→どちらともいえない

昔から「苦労が多いと白髪になる」と、まことしやかに言われています。しかし医学的な見地からは、YESともNOともいえないようです。

マリー・アントワネットではありませんが、心労のために白髪が増える可能性は確かにゼロではありません。

というのもストレスにさらされ続けていると、「交感神経」という緊張時に働く自律神経が優位になってしまい、血管が収縮した状態になってしまうからです。

血管が収縮すると、栄養や酸素が足りなくなってあらゆる細胞の働きが低下してしまうため、黒髪を作るメラノサイトもうまく働かなくなる可能性はあります。

しかし20~30代で大量の白髪が発生しているような場合は、苦労の有無ではなく遺伝的な要素が強いと考えられています。

白髪と遺伝の関係性についてはまだ完全に解明されていないのですが、いわゆる「若白髪」には何らかの遺伝があるというのが定説です。

また急に白髪が増えた場合、苦労ではなく甲状腺の病気や膠原病が原因となっているケースもあります。

白髪と同時に体調にも変化が見られる人は、すみやかに受診することが大切です。

白髪が多い人はハゲにくい?→NO!

巷には「白髪が多い人は薄毛になりにくい」という都市伝説が存在します。

しかしそんなことはなく、白髪かつ薄毛の人はいくらでも見かけるはずです。

この都市伝説は「薄毛の進行時期」と関わっています。

たとえば頭のてっぺんや額の生え際から薄くなる「AGA(男性型脱毛症)」になる人は、40代に突入するころにはすでに髪の毛の後退が見られる場合がほとんどです。

つまり白髪が本格的に増える前に、薄毛のほうが進行するため、白髪が目立つヒマがなかった、といったほうが正しいでしょう。

一方、AGAにならない人は髪の量を保ったまま、老化によって白髪が増えていきます。

また薄くはなっても部分的ではなく全体的にまばらになるため、髪が真っ白に見えやすいのです。

実際は薄毛の人でも、残った髪が白くなっていることは普通にあります。要はどちらの印象が目立つか、という話でしょうね。

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