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老衰で寿命をまっとうするのが理想~でもそもそも老衰って何?

笑顔の看護師と高齢者

大きな病気をすることなく、ギリギリまで天寿をまっとうする…それが人間にとって、もっとも健康的で幸せな最期といえるのかもしれません。

そんな死を巷では「老衰」と呼びますが、実際に診断を受けるケースはそう多くないのが実情です。

一体どんな時に老衰と認定されるのか、また老衰で亡くなるにはどうしたらいいのかについて考えてみましょう。

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老衰による死は「ゆっくり」が基本

老衰を定義するなら、「老化によって体の各機能が低下し、生命活動が維持できなくなることで迎える死」といえるでしょう。他の言葉では「自然死」や「寿命が尽きる」などと表現されることもあります。

老衰の場合、まずは徐々に元気がなくなっていき、食べる量も減っていくことが一般的です。そして眠る時間が増えていき、最終的には呼吸と心臓の停止をもって死が完成することになります。ですからほとんどの場合苦しみはなく、まさに「眠るかのように」亡くなることが多いのです。

体が死に向かって静かに準備を整えていく、それが純然たる老衰の姿だといえるのかもしれません。

日本の老衰死は昔より減っている!

日本における老衰死の割合は、2012年の統計によれば死因全体のうち4.8パーセントで、5位となっています。ちなみに1位は悪性新生物(がん)、2位は心疾患、3位は肺炎で4位は脳血管障害です。

もちろん年代によっても異なり、80代以降から老衰の占める割合が少しずつ増えていきます。とはいえ90代でも変わらず5位であり、100歳以上になってようやく死因の1位(31.6パーセント)となっているのです。

つまり100歳を越えるまでは、何らかの病名がつくことが多いと考えられます。

ところが過去のデータを見ると、老衰死の割合は今よりも多かったことが分かります。おそらく数十年前なら、ある程度の年齢のお年寄りが亡くなった場合、特に死因を突き止めたりせずに「老衰」と判断していたからでしょう。

しかし今ではCTや解剖などで死因を特定しやすくなったため、「老衰」と片づけるケースが少なくなりました。

さらに平均寿命が伸びたことで、がんにかかる人が増えたことも一因です。もっとも高齢者の場合、がんを患っていてもそれが直接的な死因とは限らないのですが、やはり明らかな持病があるケースではそれが死因とされることが多いようです。

100歳を越えないと「老衰」認定は難しい!?

カルテに記入する医者
そもそも死因は、医師が記す「死亡診断書」に基づきます。死亡診断書は、戸籍の処理や火葬の手続きに必要なだけではなく、国が発表する死因の統計にも関わりますので、医師はできる限り正確に記載するよう努力しているようです。

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ただし100歳を越える大往生の場合、死因を「老衰」とするかその他の病名(肺炎など)にするかについては、医師によっても判断が違うといわれます。

肺炎の症状がまったくないまま純粋な老衰で亡くなる人もいますが、多かれ少なかれ肺炎を併発して亡くなる人のほうが多いため、このあたりの判断は非常に難しいといえるでしょう。中には、遺族に「どちらで書くか」をたずねる医師もいるほどです。

それでも100歳を過ぎていれば、多少の肺炎も各臓器が寿命をまっとうした結果だと捉えられ、「老衰」と記載されるケースが多いようです。一方、同じような亡くなり方でも80歳くらいの場合、まだ平均寿命に達していないことから「老衰」と書くのに抵抗のある医師がほとんどだといわれています。

実際は人によって体の機能にも差があるはずですが、やはり「老衰=最低でも平均寿命を越えてから」という暗黙の了解が横たわっていることがうかがえます。

このように死因の特定は、意外と難しいものです。特に大きな病気もなく、眠っている間に亡くなったような場合は「心不全」とされることが多いのですが、実際は老衰だったのかもしれません。解剖をおこなったとしても、本当の死因を特定するのは容易ではないでしょう。

日本人の死因2位を「心疾患」が占めているのは、もしかしたらそんな事情もあるのかもしれません。

「自然に死ぬ」ということが難しい時代

葬式のイラスト
まとめてみますと、「老衰」で亡くなるためには少なくとも次の2点を抑えておく必要がありそうです。

1.平均寿命をオーバーしていること(できれば100歳以上)
2.「直接的な死因となる病気」にかかっていないこと(がんなど)

これを実現するだけでも、かなりの運と努力が必要になりそうです。がんや生活習慣病にかからないよう、なるべく若い頃から正しい生活を送り、まずは元気に平均寿命越えすることが目標となります。
しかも平均寿命は年々延びていますから、ハードルは高くなっていく一方です。

さらに今では延命治療が盛んですので、本当の意味での「自然死」は難しいという現状もあります。1分1秒でも寿命を延ばすために何やかやと管や機械をつけられ、その人が持っている本来の生命力とは違うところで生き永らえている人も少なくありません。
今後もますます医療が発達することで、さらにそんな人が増えていくと予想されます。

一体、本当に自然な老衰とは何なのか。旅立つ人、看取る人どちらにとっても本当に穏やかで幸せな最期とはどんなものなのか。医療の発達とともに見失いがちなこの問題について、あらためて考えてみるのもいいかもしれませんね。

By 叶恵美

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