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タバコは本当に百害あって一利なし?~意外なニコチンの効果とは?

タバコを吸う人の手

お酒は「百薬の長」ともいわれるのに対し、タバコは一切のメリットがないものとして迫害されています。

たしかにあらゆる病気のリスクを上げることが分かっていますが、一方で「一利はある!」とする研究結果もいくつか見られます。

特に中毒症状を引き起こす「ニコチン」には、さまざまな作用が確認されているのです。タバコは本当に百害あって一利なしなのでしょうか?

ゲームのイライラ感を抑えた!?

喫煙者がよく言うタバコの効能に「リラックスできる」というものがあります。

実際、ニコチンには気分をしずめる効果がある、とする研究結果がいくつかあるのですが、中でも興味深いのは怒りなどのネガティブな感情の抑制に関する研究です。

カリフォルニア大学の研究グループが、ニコチンパッチを活用して、被験者の怒りの感情について調べています。

その内容は、被験者に対戦型のコンピュータゲームをしてもらい、ゲームに負けると不快な音が聞こえるようにする、というものです。
また音の大きさや流れる時間などは、勝ったほうが自由に設定できることになっています。

つまりゲームに負けると、大きな音で長時間いやな音を聞かされるため、被験者は自分が勝者になった時には「報復」として、みずからも相手に大音量で長く騒音を響かせたくなります。

しかしニコチンパッチを貼った被験者は、そうでない被験者よりも報復感情が少なく抑えられたという結果が出ています。

また脳の代謝にも変化が確認され、どうやらニコチンには怒りをしずめる作用があるらしいことが分かりました。

実際、禁煙したことのある人の中には、強い怒りの感情が襲ってきた時に、ついタバコに手を出したくなった経験を持つ人が多いと思います。

もちろん最初から喫煙習慣のない人の場合、ニコチンがなくても怒りを制御できるはずですから、タバコを推奨するものではありませんが、こういった作用が確認されているのは事実のようです。

ニコチンは、アルツハイマー病を予防する!?

ニコチンには、他にもアルツハイマー病やパーキンソン病といった脳の疾患を予防する効果が指摘されています。

特にアルツハイマー病の罹患者が、喫煙者には少ないという研究報告が多数あります。

その理由は、ニコチンが「アセチルコリン」という神経伝達物質の受容体にくっつくことです。

アルツハイマー病の患者では、脳内のアセチルコリンが少ない傾向がみられるため、治療でもアセチルコリンを増やす薬が使われています。

しかしニコチンはアセチルコリンに似た構造を持つため、その受容体にくっつき、同じような働きをするものと考えられるのです。

ちなみにアセチルコリンが増えると、意欲を向上させる「ドーパミン」や、気分を安定させる「セロトニン」も増加します。

実際の正体はニコチンなのですが、脳が「アセチルコリンが大量に出ている!」と勘違いした結果、ドーパミンやセロトニンが増えるようです。

タバコを吸うと前向きな気持ちになったり、幸せな気分になったりするのも、まさにこれが原因だとされています。

ニコチンは、潰瘍性大腸炎の治療に効果あり!?

もう1つ、ニコチンの効用で注目されているのは、「潰瘍性大腸炎」という病気の治療効果です。

潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜に炎症やびらんが起こるもので、大腸がんと合併する確率も高い難病です。

この病気の治療に、ニコチンが一定の効果を上げるという研究結果があり、実際にニコチンパッチが薬として期待されたこともありました(実際は効果が十分でなかったといわれています)。

また禁煙した途端に潰瘍性大腸炎を発症した、もしくは再発したというケースも多く報告されており、因果関係が疑われています。

ただし同じ炎症性の腸疾患であるクローン病では、タバコは重大なリスクファクターとされているため、なぜ潰瘍性大腸炎には有効なのかは不明です。
もちろん治療に活用されるとしても、タバコではなくニコチンパッチですので、喫煙がいいというわけではありません。

結論:タバコには「一利」はあるが、損のほうが大きい

これらの他にも、ニコチンには「記憶力や集中力を高める」といった脳の活性化作用が報告されています。ですから仕事中はタバコを手放せないという愛煙家も多いのでしょう。
しかしここで忘れてはいけないのは、「メリットとデメリットのバランス」です。

もともとニコチン自体は、タバコの葉に含まれる天然由来の有毒物質です。

世の中には、毒であっても使い方によっては薬になるものが多数あります。

トリカブト(附子)もそうですし、フグの毒も鎮痛剤として用いられています。

また逆に、薬であっても副作用が強ければ毒になります。

抗がん剤などはまさにそうで、薬ではあるものの、健康な細胞までむしばむリスクがあります。

つまり薬と毒は紙一重であり、どちらのメリットが大きいかによって選択するものです。

ですからニコチンも基本的に毒ではあるものの、それを逆手にとれば人体に「一利」は与える可能性がある、といえるでしょう。

ヒステリックな嫌煙家は認めたがらないかもしれませんが、少なくとも「ニコチン」には、おそらく一利あるのです。

しかし「タバコ」となると、話があやしくなります。もともと発がん性物質はニコチンではなく、タールのほうです。

また葉が燃える段階で一酸化炭素が発生し、酸素の運搬を妨害します。

その結果、血圧の上昇や血流の阻害、がんの誘発などさまざまなリスクが生じます。つまりタバコは、薬として使うにはあまりに「副作用」が多すぎる代物なのです。

ですから結論としては「一利はあるかもしれないが、損のほうが圧倒的に多いのだから、吸わないに越したことはない」のがタバコだといえるでしょう。

By 叶恵美

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