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GPS衛星は実は「針の進みが遅い時計」が積まれているだけなんです

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カーナビや携帯電話、スマートフォンにはもはや必ず搭載されているであろうGPSシステム。

現在位置を知るだけでなく、目的地までの道案内をしてくれたり、犯罪から身を守ってくれたりと、様々なことに活用されています。

GPS衛星には色々な機能が備わっているようにも思えますが、実は「針の進みが遅い時計」が積まれているだけというのをご存知でしょうか?

あなたがGPSに関して何となく知っている知識は、実は誤解ばかりかもしれません。GPSシステムの仕組みを、そんなよくある間違いを解消しながら見て行きましょう。

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携帯電話の電波が届かない場所でも、使えるのはなぜ?

車の運転中に携帯電話やスマートフォンを使うことはないでしょうが、こんな疑問を抱いたことはありませんか?「電波が届かない場所なのに、なぜカーナビでは位置がわかるのだろう?」

携帯電話の電波とGPSの電波の強さが違うのでしょうか? それもありますが、実はもっと明確な違いがあるのです。

GPSシステムとは、GPS衛星が発する電波を使用しています。地球の約二万キロ上空を一周12時間という速さで、30機以上もの数が飛び回っています。これは地球上全域を十分にカバーできる数なので、範囲が非常に広大なのです。

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GPS衛星の電波から逃れようと思えば、地中深くに潜るか、地球を遠く離れるしかありません。一方携帯電話の場合、基地局から数十キロも離れれば届かないという状況になってしまいます。

GPS衛星はただ時間を発信しているだけ?

カーナビでルート検索を行った場合、カーナビとGPS衛星との間で何らかの通信が行われている、と思われてはいませんか? 実はそれがよくある誤解なのです。

カーナビで表示されている地図は、GPS衛星が送信してきたものではありません。カーナビの中に元々組み込まれた地図情報を、今の位置に合わせて表示しているだけなのです。地図上にあるコンビニが潰れていた、などよくあるのはこのためです。

ルート検索についても同じく、GPSではなくカーナビに搭載されたコンピューターがその都度ルート検索をしています。

実際のところ、GPS衛星が送信している情報というのは「時刻」と「衛星の位置」なのです。GPS衛星には、数千年から数万年に一秒の誤差という、高精度な原子時計が組み込まれており、その時計の情報を発信し続けているのです。

GPS衛星との距離は最低でも二万キロは離れているため、衛星から発信された「時刻」をカーナビや携帯電話で受信した頃には、僅かな時間差が生まれます。

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この時間差から、GPS衛星との「距離」を計測できます。ひとつのGPS衛星との距離がわかったところでどうにもなりませんが、最低でも3機のGPS衛星との距離がわかれば、経度・緯度が特定できてしまうのです。4機目が見つかれば高度もわかります。

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日本では、6機ほどのGPS衛星が常に上空を飛んでいるため、現在位置の特定は簡単です。ただしGPS機能では方角を知ることはできませんので、別途コンパスなどが必要になります。

「ウラシマ効果」は本当にあった!時計が遅れている理由

GPS衛星に組み込まれた原子時計は高精度ですが、実は私たちが日頃使っている時計と比べると、ほんの僅かに遅く時間が進むようになっているのです。

アインシュタインによると、速く移動する物体は時間の進み方が遅くなるそうです。これは「ウラシマ効果」などとも呼ばれますが、遠い宇宙の旅から帰ってくると、地球では何百年もの時間が過ぎていた、などという話はSFなどで度々取り上げられます。

これと全く同じことが、実は「一秒でおよそ4キロメートル」という猛スピードで移動しているGPS衛星でも起きているのです。

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もしも、GPS衛星の原子時計が地球の時計とピッタリ同じであれば、年間で0.014秒ほどの遅れが出てしまいます。一年でたった1秒にも満たないずれですが、わずか1日分のずれにより、カーナビには11キロもの誤差が生まれてしまいます。

これでは使い物になりませんので、年間で0.014秒ほど「遅く進む」原子時計がGPS衛星に積まれているのです。

アメリカの軍事目的の衛星だった

GPS衛星は、アメリカが軍事目的で打ち上げた衛星です。先のイラク戦争では、GPSによる誘導爆弾などにより、早期に指揮系統を失わせる活躍をみせ、世界中の注目を集めることになりました。

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これらの、強力な武器としても応用可能なGPS衛星は、民間の誰でもどころか、敵国でさえも利用可能です。しかし、現時点ではGPS衛星が発信している信号には二種類あり、そのうち一つが暗号化された軍事目的の「より正確な」信号なのです。

軍事目的の信号であれば、その誤差は数センチ程度だと言われています。我々が普段受信しているGPS信号では、およそ10メートルほどの誤差があるようです。

この誤差を埋めるために、独自のシステムが活用されることも珍しくありません。例えば携帯電話の場合、複数の基地局と電波が繋がっていれば、GPS機能はなくとも現在位置が特定可能です。

2000年以前はもっと大きな誤差を加えていた事がありました。この「大きな誤差」が解除された理由として、GPS関連の技術において、アメリカが主導権を握っておきたいという意図もあったようです。

GPSにより、間違いなく我々の生活は向上しました。今後もずっと手放せないものとして、そこにあり続けるでしょう。しかし戦争の技術も大きく向上させてしまったのは、なんだか皮肉に思えて仕方ありません。

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