Global Information site~siruzou

イタリアでスリにあうのは日常茶飯事~でも被害届を出す警察ってどこ?

2014.05.08

イタリアでスリにあうのは日常茶飯事~でも被害届を出す警察ってどこ? はコメントを受け付けていません

イタリアはけっして治安のいいところではありません。先進国の中では重犯罪は少ない方ですが、スリ、ひったくり、置き引きといった軽犯罪は日常的にいくらでも発生しています。

この国の大きな町はスリだらけです。華やかな町並みを楽しく眺めていたら、知らないうちにサイフがなくなっていた…なんて旅行経験のある人もいるかもしれませんね。

なくしたサイフが戻ってくることは、イタリアではほとんどありません。気をとり直して警察へ行き、盗難証明書を発行してもらいましょう。海外旅行保険に加入していれば、この証明書を見せることで保険会社から支払いを受けることができます。

スポンサーリンク

警察署がどこにあるのかわからなくても心配はいりません。なにしろ、イタリアの町の中は警官であふれています。まずは、近くにいるお巡りさんに助けを求めましょう。

ただここで困るのは、どの警官に声をかければいいのかわからないということです。

なにしろイタリアには何種類もの警官がいます。いかにもそれらしい制服を着て拳銃を携帯している人がいても、そのお巡りさんがスリの被害に対処してくれるとはかぎりません

スリやひったくりなどの被害にあったときに、どんな制服のお巡りさんを探せばいいかをまとめてみました。

カラビニエレかポリツィアと呼ばれる警察官を探しましょう

イタリアの警察機構が誕生したのは、19世紀の初めのことです。それから約200年の時間をかけて発達するうちに、警察を名乗る組織はどんどん増えました。

第2次世界大戦後には、国家警察に加え、州や市の地方公務員の警察まで新しく設立されています。

泥棒やスリを捕まえてくれる警官ももちろんいますが、交通整理専門、脱税専門、森林警備専門の警察官などもいます。

いろいろな職務を担当している警察官が、いっせいに町中をパトロールしているのです。

ですがこれらの大半は、旅行者や外国人には関係のない人たちだといえるでしょう。

旅行者は、スリの被害の届けを受けつけ、盗難証明書を発行してくれる組織だけを覚えておけば十分です。

盗難証明書を発行できる権限があるのは、警察の中でも国家公務員のカラビニエレとポリツィアという2つの組織だけです。スリにあったら、どちらかのお巡りさんを町で探してください。

カラビニエレとポリツィアの警官は制服やパトカーに特徴があるので、外国人でもひとめで見分けることができます。

目印は、黒地に赤いラインのはいったパンツです

カラビニエレが誕生したのは、イタリア王国成立前の、サルデーニャ王国時代のことです。

イタリアの警察機構の中で一番古いだけあって、カラビニエレは組織の規模も最大級です。どんな辺鄙な村にも、カラビニエレだけはかならず駐在を置いています。田舎めぐりをしていて被害にあったら、迷わずカラビニエレに頼りましょう。

カラビニエレは、サルデーニャ王家の近衛兵をもとに作られた特殊警察です。いまも国防省所属で、警察であるだけでなく軍隊としての役割ももっています。

この組織は選りすぐりのエリート集団で、入隊には本人の能力だけでなく家系や血筋のよさも重視されます。

国家の式典などで警備を担当するのもいつもカラビニエレです。それだけに、ほかの組織よりも、制服のデザインはずっと華やかで美しく作られています。

カラビニエレのイメージカラーは、赤のポイントがはいった黒色です。

No 6-2-020 02

▲制服では、脇に赤のラインがはいった黒のパンツにこの組み合わせが生かされています。

No 6-2-020 03

▲斜め掛けをしたポシェットのような小さなバッグも、腰につけています。

スポンサーリンク

No 6-2-020 04

▲パトカーも黒地に赤のワンポイントをあしらったデザインです。

No 6-2-020 05

▲フィレンツェの町の中では、騎馬隊の人たちを見かけることもよくあります。これは、腰にサーベルをさして、颯爽とパトロール中のカラビニエレ騎馬隊です。

非常時にはもちろん機能的な戦闘服に着替えるのですが、ふだんのカラビニエレはこんなに目立つ制服で町をうろうろしています。派手なので、まっさきに見つけられるかもしれません。

旅行者のいるところにはポリツィアもかならずいます

盗難証明書を発行できるもうひとつの組織がポリツィアです。ポリツィアは、大都市などの人の多く集まる場所に重点的に配置されています。カラビニエレと違って、田舎ではほとんど見かけません。

ポリツィアも19世紀に設立された由緒ある組織です。

ただカラビニエレのような半軍隊ではなく、民間の治安維持だけを目的としています。

職務は各種犯罪の取り締まりや聞き込み、科学捜査などで、日本人のイメージする「警察」に一番近い組織かもしれません。

ポリツィアが配備されているのは、ショッピングゾーン、観光スポット、駅構内などの大勢の人が集まる場所です。

旅行でイタリアへ来るたいていの人は、ローマ、ヴェネツィア、フィレンツェ、ミラノ、ナポリなどの大都市へまずは行くでしょう。こうした町には、ポリツィアはかならず配属されています。

ポリツィアの制服のイメージカラーは水色です。制服では、シャツが水色、パンツが黒になっています。

No 6-2-020 06

▲パトカーも水色が基調です。


▼イタリア版「ランボルギーニ・パトカー」

No 6-2-020 07

ベレー帽をかぶり、チョッキを身につけて立っている姿もよくみかけます。戦闘服のようで一瞬びっくりしますが、これはポリツィアのパトロール服の1つです。用があれば、こわがらずに話しかけてみてください。

No 6-2-020 08

▲ポリツィアでは、騎馬の代わりに活躍するのはバイク隊です。

大きな町には、この2種類の警官が同時に配属されています。先に見つけたほうに遠慮なく助けを求めてください。見た目は怖そうですが、じつはどちらもふつうの陽気なイタリア人です。

時間に余裕のない旅行者だとわかれば、どちらのオフィスでも盗難証明書をすぐ気前よく発行してくれます。

By 坂上

スポンサーリンク

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます
Pocket
LINEで送る

関連記事

コメントは利用できません。

知る蔵のTwitter~フォーローをお願います

知る蔵グループ関連専門サイト