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イタリアの落書きがうますぎる~これってプロフェッショナルの仕業?

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世界中どこの町でも、よほどの田舎でないかぎり建物の壁に落書きはつきものです。

日本のように清潔感第一の国でも、大都市ではお店のシャッターにペイントでなにやら書きなぐりがあったりします。

イタリアももちろん例外ではありません。

ローマの地下鉄構内などひどいものです。だれがいつの間にやるのか、壁はもちろん電車にまでスプレーがかけてあります。

私の住んでいるフィレンツェでも、建物の壁の落書きは日常風景のひとつです。消してもキリがないせいか、よほど価値のある歴史的建造物でもないかぎり、壁のイタズラ書きは放置されています。

普段の通り道に落書きが増えたところで、私もほとんどなにも気にならなくなっていました。

ところが最近は、ふと目を引くようなイタズラ書きがあります。

イタズラ書きといっては失礼なほどの、これはだれかプロの「作品」なのではないかと思えるくらいのクォリティです。

夜中に自分の作品を、壁に残していくプロがこの国にはいるのでしょうか…

こんなものが出てくる理由まではわかりませんが、さすがは芸術の国と思える落書きを集めてみました。

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最近のニューフェイスは、名作のパロディシリーズです

絵が特に好きな人でなくても、なんとなく見たことのある顔というものがあります。近頃は、美術の教科書にも登場するような、名作をアレンジした落書きが増えています。

これはボッティチェリ作の「ヴィーナスの誕生」の主人公ですね。ただし、シュノーケリング用のマスクをつけています。

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前日まではたしかに何もなかったはずの壁に、ある日いきなりこのイタズラ書きが現れました。

場所は、ごく普通のアパートの入り口の真横です。人通りの多い場所に面しているので、犯人は昼間ではなく、真夜中にこっそり作業しているにちがいありません。

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名作にマスクをつけるというこのパロディは、どうやらシリーズ化したようで、町中で着々と数を増やしています。

私の家の近くには、こんなバージョンも出ました。こちらはミケランジェロ作「ダビデ像」のパロディです。

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これの元ネタは絵ではなく彫刻です。この像の顔にマスクをつけようとは、よく思いついたものです。

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かわいい天使のバージョンもでました。

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最初はあまりの出来のよさに驚いただけですが、次第に不安になってきました。こんなに精巧なイタズラ書きは見たことがないからです。

いくら夜中でも少しくらいは人も通ります。他人に見咎められずに、ゆっくり描いていられるはずはありません。

しかもどう見ても、プロが描いたとしか思えない出来栄えです。

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指で絵をこすってみたら、表面に紙の感触がありました。

どうやらこの「マスクをつけた名作」シリーズは、プロのイラストレーターの作品のようです。まさか絵のコピーを作者が壁に糊で貼り付けて回っているのでしょうか?

これはかなり手間のかかるイタズラだと思います。壁にスプレーでめちゃめちゃな落書きをするほうが、はるかに楽です。イタズラの目的を考えても意味がないかもしれませんが、ここまでされると、その動機をふと知りたくなります。

さらに別のシリーズも発見しました。

標識をアレンジしたイタズラです

町の景色の中にあまりに溶け込んでいて、一瞬見過ごしてしまいそうになります。

よく見ると、この進入禁止の標識は少しおかしいのがわかりますか?

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別の場所では、このバリエーションをみつけました。

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スプレーをかけられているのでわかりにくいのですが、横棒の上に小鳥がとまっています。

どちらも少し古びていますし、「マスクをつけた名作」シリーズよりも昔からあるようです。なかなか味があるのに、高い位置にあるせいで気づく人が少ない、気の毒なイタズラだといえるかもしれません。

触ることができない位置なので、どうやって道路標識に細工をしてあるのかはよくわかりませんでした。ずいぶん長い間、雨にもさらされてきたようですし、糊で紙を貼り付けたものではないようです。

とはいっても、ラインのはみだしもなく、素人が描き加えたにしては上手すぎます。これもプロの方の「作品」なのかもしれません。これの作り方は不明です。

夜中に道路標識にイタズラ書きをしているところをみつかったら、プロであろうがなかろうが、警察へ通報されそうなものですが…そこまでして、公の標識に落書きをしたくなる気持ちはどうもわかりません。

でも思うに、イタリア人とは、激情にまかせてついイタズラをしてしまう人たちなのではないでしょうか?感情がたかぶると、どんなプロフェッショナルであっても、仕事を忘れて犯罪すれすれの落書きもしてしまう…そんな部分がイタリア人にはあるように思います。

天下のミケランジェロだって、落書きをしていたことをご存知ですか?

しかも、路地裏の建物の壁にこっそり描いたなんてものじゃありません。当時の市庁舎の壁の上に、かの天才は堂々とイタズラを残しているのです。

こちらが、ミケランジェロが怒りにまかせてつい彫ってしまったと「いわれている」作品です。

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ただの筋彫りで立体感はありません。

「マスクをつけた名作」シリーズで取り上げられた「ダビデ像」の作者が彫ったにしては、これはあまりにお粗末です。

とはいえ、イタズラとしてちょいちょいと刻んだだけだとしたら、ミケランジェロといえどもこの程度が限界なのかもしれません。

伝説よれば、これは、ミケランジェロに借金をした男の横顔です。この人物がお金を返さないまま逃げたので、巨匠が怒りにまかせて、目立つ場所に彫り付けたものだといわれています。

真偽はわかりませんが、このイタズラ自体はたしかに古いものです。筋彫りとはいっても、素人が刻めるものでもありません。ミケランジェロかどうかは別としても、プロの手で彫られたものということだけは間違いないようです。

この横顔を見るたびに、たとえプロでもイタリア人とは、感情にまかせて平気で落書きをしてしまう人たちではないかという思いが強くなります。

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