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信号がない高速道路で渋滞が起こる理由~事故じゃないのになぜ?

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年末年始や夏休みの時期になると、高速道路には渋滞が発生します。

時には40km.50kmというような長いものになることもあります。

事故や故障車が原因なら理解しやすいですが、車が多いというだけで起こるのはなぜでしょうか? そのメカニズムを見てみましょう。

みんなが同じスピードで走れば起こらない

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どんなに混雑した道路でも、皆が同じ速さで走り続けていれば渋滞は起こりません。一般道の場合には信号があるため、どうしてもどこかで停車しなければなりませんが、高速道路の場合にはその必要はありません。

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出口でしか止まる必要はないので、本来なら、交通が滞るということは起こりえないはずです。

長い渋滞を通り過ぎてみると、そこは特にどうということもない場所だった、ということがよくあります。

何の変哲もない場所を先頭に何十キロという列が連なり、そこを過ぎると、何ごともなかったかのごとく順調に走れたりします。どうしてこんなことが起こるのでしょうか?

ほんのわずかな減速で渋滞は起こります

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渋滞は非常に小さなことで起こります。わずか1km/hの減速が何十キロという長い数珠つなぎの混雑の原因ともなりえるのです。それを数学的に解明してみましょう。

100台の車が短い車間距離しかとらずに、100km/hで走っているとします。このまま走り続ければ何も起こりません。たまたま何かのきっかけで先頭の車が99km/hに減速すると、それに気づいた2台目の車は98kmに落とします。

もともと短い車間がさらに小さくなり危険になるため、距離を回復するために前車よりも少し遅いスピードまで落とすのです。

3台目の車は2台目よりもさらに少し遅い97km/hに落とし、4台目は96km/hにと後続車ほど下げ幅が大きくなります。50台目の車は50km落として時速50kmになり、90台目は時速10kmになります。

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99台目は時速1kmになって、100台目はとうとう停止してしまうのです。混雑時には、1台目の1kmの減速が100台目には100kmのスピードダウンにつながるのが、基本的なメカニズムです。

1台の車の長さを5m、前車との距離を5mとって停止したとすると、100台の行列で1kmの渋滞ができます。1000台ならば10kmとなります。

すいてる道路では、減速の連鎖は起こらない

道がすいていて、自動車同士の車間距離が十分にある場合には、1台が減速した程度では停車するまでには至りません。例え、2~3台が慌てて速度を落としても、その後に続く車がないためそこでとどまります。

スピードダウンが連鎖するのは、道路が混雑して車間距離が短い場合です。「交通集中による渋滞」と呼ばれる通り、混んでいるときにだけ起こります。

10㎞の時速差で5秒間に距離は14m縮まります

2台の自動車が時速100kmで連なって走っているときに、1台目がブレーキを使わずに90kmにスピードを下げても、2台目はすぐには気が付きません。

5秒後くらいに車間距離が縮まったことに気が付き回復しようとしますが、その時には、前車よりも遅いスピードにしなければなりません。

10kmのスピード差があると、距離は5秒間で14m縮まります。5秒間で縮まったものを5秒で取り戻すには80km/hに、10秒で取り戻すには85km/hにしなければならなくなります。

道路が混雑していて車間距離が短くなると、10kmのスピードダウンは後続の車に大きなインパクトを与えます。

例えば、車間が30mしかない場合には後続車は5秒後には16mまで接近してしまい、かなり危ない状態になります。危険を感じて急激に減速するため、それが後続車に伝播しあっという間に「停車」に至ります。

減速のきっかけとなるのは坂道です

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渋滞の6割~7割は、「サグ部」と呼ばれる箇所から起こります。サグとは道路の「谷」に当たるところで、下り坂から上り坂に転ずる部分です。上りと下りの高低差が小さいと、運転者は上りになったことにしばらく気がつきません。

下っていたときの感覚で運転を続けるため、徐々に減速してしまいます。数秒間で10km/h程度速度が落ちてしまうのです。これが渋滞のきっかけとなります。

上りになったことによるスピードダウンなので、ブレーキライトは点きません。そのため、前車の減速に後続車は気づかず速度を落とさないため、いつの間にか接近し過ぎてしまいます。

慌てて減速しようとブレーキを踏めば、後続車もそれにつられてブレーキを踏み、どんどん後ろに伝わっていきます。

この他に、トンネルの入り口や急なカーブなど、スピードダウンしやすい箇所でも、同様な減速の連鎖が起こります。

「〇〇トンネル付近を先頭に〇kmの渋滞」というような情報はいつも同じ場所がアナウンスされますが、「名所」ができるのはこのためです。

カーブの途中にあるサービスエリア付近でもよく渋滞が起こりますが、カーブにSAを設置したのは道路構造上の失敗とも言えるかも知れません。

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交通集中によって渋滞が起こるのは、サグ部などでの無意識のスピードダウンがきっかけとなり、減速の連鎖を発生させることが原因です。起こりやすい場所では、皆がアクセルを踏み込むようにすることで避けられるはず。

最近は、サグ部付近で「スピードダウンに注意」という看板が立てられるようになっているのはこのためです。サグ部に来たら、スピードの変化に気を付けましょう。

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