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キリバス共和国が海に沈んでしまう!~日付変更線を曲げた国の危機

キリバスの国旗

太平洋のほぼど真ん中にあるキリバス共和国が、海に沈みかけています。

国の平均海抜は2m。山のない島です。世界銀行の予測では、2050年までに国の半分から8割が水没するとされています。このままでは、いずれ国土が無くなってしまうという危機に瀕しているのです。

ちなみに、東経180度(西経もおなじ)付近にあるこの国は、1995年に日付変更線の位置をずらして、世界で一番早く一日の始まる国となりました。21世紀を世界で最初に迎えたのもこの国です。

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日付変更線をずらしたキリバスってどんな国?

オセアニアにあり、ハワイとオーストラリアの中間に位置し、赤道をはさんで33の島々から成り立っています。もとはイギリス領でしたが、独立の際、アメリカから周辺の島を譲り受け、非常に広いエリアにまたがる国となりました。

33の島々をすべて合わせた面積は730km2(外務省データによる)と、長崎県の対馬(696km2)ほどしかありません。

島が点在しているため、南北に赤道をはさみ、東西には日付変更線をはさむ幅4000kmと広い海域を有しており、排他的経済水域(EEZ)では世界屈指の大国です。国民は10万人ほどで、33の島のうち21の島に点在して暮らしています。

平均すると一つの島に5000人ほどしか住んでいないということになりますので、村の集合体のようなものです。国家元首といっても人口10万人の国の大統領ですので、規模的には日本の地方都市の市長なみと言えなくもありません。

赤道直下にありながらも湿度は低く風もあるため、比較的過ごしやすい気候。小さな国なので当たり前かもしれませんが、和気あいあいとした国民性で争いや犯罪はほとんどありません。女性がひとり旅をしてもまったく安全な国だそうです。

月曜日に西から東に電話をかけても、まだ日曜だから仕事をしていない!?

キリバスは北半球、南半球、東半球、西半球にまたがる世界で唯一の国です。そのためかつては、日付変更線が国の真ん中を通っており、変更線の東と西とでは日付が異なりました。西側と東側の時差が24時間ちかくあるという、これも世界で唯一の国でした。

そのため、国内で役所同士が連絡を取り合う際には、西側の島の役所が月曜日の朝に東側の島の役所に電話をすると、現地はまだ日曜日の朝で出勤していないというややこしいことになってしまっていました。

金曜日に東側から西側に電話すると、相手は既に土曜日です。実質的には週4日しか仕事にならないという不便さがあったのです。

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時計の針を一日進めてしまった国です

国内で日付が異なるという不便さを解消するため統一しようということになり、1995年に日付変更線を国の一番東端の島まで移動させました。経度では30度ほど、距離で3300kmほどずらしたのです。

世界地図を広げてみると、太平洋のど真ん中で日付変更線はコの字型に曲がっているのが分かります。

これによって「世界で一番最初に一日が始まる国」になるということで、観光的なメリットも考慮してのことでした。実際に、21世紀を最初に迎える国として、観光的には成功しました。

国の東端にある島のひとつ「クリスマス島」(キリティマティ島)は、世界で最初にクリスマスを迎える島というダジャレのようなことになりました。

12月31日が消えた!?

1995年1月1日に日付変更線が変えられた際、もともと変更線の東側にあったライン諸島、フェニックス諸島では、12月30日の次が1月1日となり、12月31日がありませんでした。空白の一日ができてしまったのです。

ハワイとライン諸島はほぼ同じ経度にありますが、ハワイの方が一日遅い日付です。このあたりを船や飛行機で通った場合、めまぐるしく日付が前後を繰り返すことになります。

地球温暖化で海に沈み始めた国土

キリバスは環礁(サンゴ)でできた島ですが、もともと標高は数メートルしかありません。それが地球温暖化の影響で海面が上昇し、ますます低くなっています。じょじょに海に沈んでしまっているため、国土面積は20年で半分になったと言われます。

島のいくつかでは地下水が海水にかわるなど居住不能となりつつあり、村ごと移転をした地域もあるそうです。将来、すべての島が沈没する危険性があり、全国民が移住せざるを得ない事態となっています。

2014年2月には、キリバスに最も近い国のひとつであるフィジーの大統領が、もし水没した場合には全国民を受け入れると発表し、現時点ではもっとも可能性の高い移住先と目されています。

国のアイデンティティが消える!

仮に国土が沈没してしまっても、それぞれの人々が暮らす場所は見つかるでしょう。どこかの国が支援することは間違いありません。日本もこれまでに累計で180億円の援助をしており、世界で3番目に手を差し伸べている国となっています。

ただし、住む場所が見つかったとしても、祖国が消滅してしまえばとても残念なことです。文化も国民としてのアイデンティティも失ってしまうのですから。

by 水の

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