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ライフプランナーたちのすごい稼ぎっぷり~平均年収1800万円?

2014.02.01

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20年ほど前から「ライフプランナー」と呼ばれる男性の外務員が活躍し始めたことで、生命保険の業界地図は変わりました。

それまでの「生保のおばちゃん」とは違い、見た目も颯爽(さっそう)としてビジネスマンらしさをかもし出しています。

顧客ウケが良く、一味もふた味も違う話法と説得力で、どんどん保険を売ってきました。

彼らの活躍によって、25年前にはほとんど存在を知られていなかった会社が、今は売り上げランキングの上位に顔を出しています。すべてが彼らの力ではありませんが、かなり大きな役割を果たしたのは事実でしょう。どうしてこれほどまでに活躍できたのでしょうか?

長く生保業界に在籍した経験を持つ筆者が、ライフプランナー台頭の歴史の裏側に迫ります。

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1979年にソニーとプルデンシャルの合弁で誕生しました

ライフプランナーというのは保険の外務員のことで、現在は女性もいますが、かつてはすべて男性でした。1979年にソニーと米プルデンシャル生命が合弁で立ち上げた「ソニー・プルデンシャル生命」が、男性外務員のパイオニアです。

大卒でサラリーマン経験のある男性に限定して外務員の採用をスタートし、ライフプランナーと名づけたのが始まりです。Life Planner の頭文字をとり、「LP」と略称されます。

話法が「おばちゃん」とは違いました

ライフプランナーは、「おばちゃん」の「義理人情なにわ節」的な販売方法とは一線を画し、論理的な話法でセールスを始めました。それまで、多くの日本人が、「なんとなく」入っていた保険に加入の意味づけをし、理解させて販売したのです。保険を「押し売り」されるものから、「納得して買うもの」に変えました。

年収が1千万円しかないと恥ずかしい!?

ライフプランナーは顧客に圧倒的に支持され、とてつもない勢いで拡大していきました。当時の生保のおばちゃんたちの年収は、100万円台、200万円台というのがザラです。中には数千万も稼ぐ人がいましたが、ほんの一握り。

20万人と言われた女性外務員のうち、1000万円以上稼ぐ人など、めったにいませんでした。500万稼いでいれば「そこそこできる人」というレベルです。

そんな中、ライフプランナーたちの中には1000万円以上稼ぐ人が続出し、中には1憶以上稼ぐ人も現れます。2億稼いだという人もいました。男性が保険を売ればとにかく売れるという時代になったのです。

今ではライフプランナーの勢いもだいぶ下降してしまいましたが、一時は平均年収1800万円とも言われていました。1000万円程度しか稼げない人は社内で肩身が狭い思いをするほどだったのです。

活躍できた理由のひとつは、ライバルが弱かったこと

ライフプランナーが成功できた理由はいくつか挙げられます。ひとつは、ライバルとなる「おばちゃん」たちのレベルが低かったこと。「毎年10万人が入れ替わる」と言われるほど離職者も多く、顧客とのコネクションが弱いため、契約を奪いやすかったという背景もあります。

顧客に商品説明が十分なされておらず、突けばいくらでもホコリのでる保険だったこともあります。商品そのものは悪いものではありませんでしたが、どうしてその保険なのかを顧客に理解させていないことが「おばちゃん」たちの一番の弱点でした。

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LPは見込み顧客を持っていた!

理由のふたつ目は、男性LPたちが高い志と情熱、強いコネクションを持っていたこと。サラリーマンとして活躍していた男性が生保の外務員になるわけですので、家族を養うために稼がなければなりません。

100万や200万の収入では暮らせませんので、必死に働きました。おそらく、活動量では「おばちゃん」たちの10倍くらい働いたでしょう。

サラリーマン時代の人脈を持っていたことは、とても大きな要素です。当時のLPの採用基準には、入社後に保険の話のできる人を300人リストアップできるかどうかというものがありました。

最初の1年間に、それだけの人に保険を提案するためです。アプローチ先をたくさん持っていましたし、すでに人間関係ができている見込み顧客ですので、大きなマーケットとなりました。

「ニードセールス」という話法が効果的だった!

三つめは、話法が論理的だったことが挙げられます。LP達の使う話法は「ニードセールス」と呼ばれ、顧客の心理の中にある必要性や欲求を引き出す手法です。

日本の生命保険の加入率は9割ほどと言われます。どうしてこれほど高いかといえば、「入っておいた方がいい」という心理があるからです。例え実際には押し売りされて加入しているとしても、全く必要ないと思っていれば契約することはめったにないはず。

心のどこかに「加入すべき」「入れば安心」という気持ちがあります。ただ、その心理を突き詰めて考えたことのある顧客はあまりいません。

ライフプランナーの話法はそこを突くところから始まります。「どうして・何のために、あなたは保険に入っているのですか?」と質問することで、顧客の心に迷いが生じるのです。心理が不安定になるとスキができ、相手の言葉を受け入れやすくなるという点を、LPは利用しています。

顧客の不安心理をあおることで動機付け

「保険に入ると安心だから」と顧客が答えれば、「では、いくらの保険に入ると安心なのですか?」と尋ねます。これに明確に答えられる顧客はめったにいません。そして、続けて、「あなたの保険では、いくら支払われるのですか?」と聞くと、多くの客が答えられません。

一昔前までは、「おばちゃん」から加入していた人の多くが、自分の契約している保険の内容や保険金額を知らなかったのです。「必要だからと加入しているのに、いくらの保障が必要なのかも知らず、契約の中身も知らない。

それで、安心できるのですか?」と論理的に詰められると、反論のしようがなくなります。顧客の不安心理を煽(あお)ることで、契約の動機づけにさせるのです。

それまで、保険の契約に際して、論理的な思考をしたことのなかった顧客たちは、たちどころに降参します。80年代、90年代には、ライフプランナーたちはこんな話法で次々と顧客を驚かし信頼を集めて、マーケットを拡大していきました。

最近はライフプランナーの活躍にも陰りが見られ一時ほどの勢いがなくなりつつあります。マーケットの変質ということもあるでしょうし、保険の通販や銀行での窓口販売の影響もあるでしょう。日本の保険マーケットを画期的に変革した集団ですので、再浮上を期待したいところです。

by 水の

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