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FACETASMの服から読み解くデザインの「遊び心」

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テキスタイルの面白さにおいて、FACETASM(ファセッタズム)の右にでるものはいません。

次世代をになう国内ファッションのひとつでもある同ブランドは、立ち上げ当初からのユニークさを現在も変わらずもち続けています。

服は日用品であるため多くの方が無難なものを選びがちですが、日々にいろどりを与えるためにも面白さは重要です。ではどのような面白さが必要か、ということへの答えを、同ブランドのもつ遊び心を通して導きだしてみましょう。

2007年立ち上げの「多彩な顔をもつ」という意味のブランド

FACETASMは2007年に設立された、「Humor of Pop」をコンセプトにかかげるブランドです。ブランドの名前は「いろいろな顔をもつ」という意味合いがあり、さまざまな角度からものごとを見ることを重要視しています。

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デザイナーの落合宏理さんは生まれも育ちも東京であり、文化服装学院を卒業した方です。卒業後は服飾関係の会社に就職し、テキスタイルの仕事を7年ほど、そしてインテリアや内装などを手がけるNGAPにも勤めていました。

独立前の経験がデザイナーの服作りに大きな影響をおよぼしているのはたしかで、FACETASMの服は他にはないユーモラスなテキスタイルが特徴です。またモードとストリートの境に位置するようなデザインもひとつの魅力でしょう。

モードとストリートの境にある、テキスタイルが魅力的な服

服は基本的にユニセックスで着られるものが多く、モードとストリートのどちらにも属さない、着る時を選ばないものも多いです。上記のようなデザインであることには、デザイナーが青春時代を過ごした年代が関係しています。

彼が10代を過ごした時期は、いわゆる「裏原系」と呼ばれたアンダーカバーやア・ベイシング・エイプがはやっていた時代です。同時に海外のモードブランドも勢いがあったので、両方をうまくミックスして取り込んだのでしょう。

モード的かつストリート系の魅力のある服▲おかげで上の画像のように、モード的なテイストを感じさせる一方で、ストリートにある魅力もあわせもった服を作るように同ブランドはなりました。画像からも少しですが、テキスタイルの美しさを感じることもできるはずです。

ユーモアかつポップだが、柄自体はクラシックなものも多い

FACETASMのテキスタイルがなぜ常に遊び心の満ちたデザインかと言えば、ほぼすべてがオリジナルということが理由でしょう。ちまたで人気の柄や模様を使わず、自分達が「これ」と決めたものを使うことで魅力が引き立ちます。

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ポップな刺繍をつけ加えてユーモアなデザインに変化▲画像を見ればわかりますが、柄自体はどちらかと言えばクラシックなものです。しかしポップな刺繍をつけ加えることでクラシックで上品なデザインが、見事にユーモアにあふれたものに変化し、人々に面白さを感じさせます。

上記のように、一見かたい雰囲気になりがちな柄に現代らしいかわいさやかっこよさを追加することこそ「ユーモア」や「ポップ」と呼べる行為でしょう。そして現在の多くのファッションが忘れがちなことでもあります。

ポップなだけでは、一過性のものになってしまう

レディスのものなどは特に傾向が強いですが、昨今は「かわいさ」や「セクシー」と言った「ポップな女性らしさ」を前面に出すことがよしとされる風潮があります。たしかに一時的な魅力は、クラシックなものより優れているでしょう。

しかし受け入れやすさや取っつきやすさを重視したデザインは飽きが早く、味わい深さもないので流行が過ぎれば使えないといったデメリットがあります。そして消費が早い商品は、使い終わればなにも残りません。

トレンドに敏感であることが悪いわけではありません。ですが、世の流れにばかり意識が向いているものには「遊び」はあっても「心」が欠けているため、どこか物足りなく、本当の意味で日常をいろどるものにはならないでしょう。

大事なのはクラシックを一新する遊び「ニュークラシック」

では真に面白さを与えるデザインとはなにかと言えば、つみかさねた歴史によって作られたクラシックのよさに、ひと工夫くわえることです。現代にも受け入れられる魅力をそなえたデザインに進化させることと言ってもいいでしょう。

同時にそれは、いくつかのブランドが現在でも有名なものとして残っている理由でもあります。伝統的な服がもつ魅力を残しつつも、時代にあったアレンジをすることで「ニュークラシック」として長く残るのではないでしょうか。

絶妙な感覚で「遊び」を加えたファッション▲つまり、遊び心とは一から十まで楽しさやかわいさで満ちたものにすることではありません。今までつちかわれてきた味わい深いデザインを壊さないように、絶妙な感覚で「遊び」をくわえること、と言えるでしょう。

オリジナリティあふれるテキスタイルが魅力の服

FACETASMの服はオリジナリティあふれるテキスタイルが魅力の、ユーモラスなものです。コンセプトの「Humor of Pop」という言葉にある通り、服に遊びを入れることを忘れず、人々の日常に面白さをもたらしてくれます。

ですが、ポップでありつつも決してトレンドとともに消えていくようなデザインにはしていません。同ブランドの服は常に「遊び」をくわえつつも、有名なブランドがもつようなクラシックを失わないデザインにされています。

きっとデザイナーが、服における「遊び心」の在り方をよく理解しているからでしょう。「遊び」に「心」をくわえるためには、ポップなだけでなく年月とともに深まる、伝統的な魅力あるデザインでなければいけないということです。

By筒井

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