Global Information site~siruzou

かまいたち現象という突然皮膚に切り傷ができる不思議な現象の正体

突然、皮膚に鋭い切り傷ができる…しかしほとんどの場合痛みはなく、しかも通常では考えられないようなスピードで治ってしまう。

そんな不思議な現象は日本に昔からあり、「かまいたち現象」といって妖怪のしわざだと考えられてきました。

しかし科学がこれだけ発達した今でも、実はこのかまいたち現象の謎は完全には解き明かされていません。真空説、あかぎれ説、小石説、霊傷説…あなたはどれを支持しますか?

人体だけを攻撃してくる、不思議な「かまいたち」

子供のケガ(擦り傷)
かまいたち(鎌鼬)とは、日本で古くから言い伝えられている妖怪です。つむじ風に乗り、鎌のような爪で人の皮膚を切りつけるといわれています。

日本全国で伝承されていますが、特に甲信越地方をはじめとする雪国に多いことが特徴です。

スポンサーリンク

そして冷たい北風が吹く日に現れることが多く、その爪で引っかかれた人は突然スッパリと皮膚が切れてしまいます。

ちなみに、かまいたち現象で傷を受けた際の対処法も全国各地に伝えられており、「呪文を唱える」「古い暦を黒焼きにして油と混ぜ、膏薬にして傷口に塗る」などさまざまなパターンがあります。

いずれにせよ、各地で昔から起きていた現象であることに間違いはありません。

かまいたち現象でつけられた切り傷で不思議なのは、痛みや出血が少ないことです。深く傷つけられた場合は出血することもありますが、それでも痛みはほとんどないといわれています。

ですから本人もいつやられたのか分からず、気づいたら切れていた、というケースが多く見られます。

さらに、人体以外のものが切り裂かれる事象も報告されていません。かまいたちの狙いは、あくまで人の皮膚のようです。

長らく支持されてきた「真空説」は、誤りだった!?

昔は妖怪のしわざと考えられていた現象も、現代科学をもってすれば謎解きは容易…なはずなのですが、かまいたち現象に関しては今なお謎が残されています。

最初に言われるようになったのは「真空説」です。台風の目と同じく、つむじ風の中心も真空状態となることから、そこに皮膚が触れることによって裂けるというものです。

この説は長らく支持され、漫画やゲームの世界でも「真空波」としてとり入れられるようになりました。

たとえば人気ゲームソフト「ドラゴンクエスト」では、この現象をもとにした「バギ」「しんくうは」「かまいたち」といった技が登場しています。

しかし実際は、つむじ風によってできる気圧差はごく小さい上、一瞬で消えてしまうため、人の皮膚を傷つけることは不可能であることが分かっています。

また人体以外のものが切り裂かれることがないという事実も、真空説を否定しているようです。

スポンサーリンク

寒い地域ならではの「あかぎれ説」と「小石説」

他に言われているのは「あかぎれ説」です。寒い場所にいると皮膚の血行が悪くなり、ジンジンとしてくる「しもやけ」になります。

その状態で乾燥の影響をも受けると皮膚に亀裂が生じ、切り傷のようなものができます。これが「あかぎれ」です。

確かにかまいたちは寒い地域によく伝えられてきた妖怪ですから、一見すると理にかなっているように思えます。

しかし画像を見ると分かるのですが、あかぎれは手の甲や指先などがパックリと裂けることが多いのに対し、かまいたちの傷は腕や脚に走るような傷が多いことが分かります。

これらが果たして同じものであるのかどうかは、今ひとつ不明です。

さらに現在もっとも有力とされているのが「小石説」です。とがった小石や木の葉がつむじ風によって巻き上げられ、それが皮膚に当たることで切れてしまうとする説です。

特に冬場は空気が乾燥しているために、ちょっとした刺激でも傷を受けやすいといわれています。

一面の小石

ただしこれもあくまで仮説であり、確証を得るには至っていません。というのも、かまいたち現象は必ずしも風の吹いている時に起こるとは限りませんし、衣服で守られているはずの腕や脚が傷つくケースが多いからです。

またある程度の深い傷でも治りが異常に早いことも、今の医学では説明がつきにくいとされています。

人の念によって攻撃を受けてしまう!?「霊傷説」とは

唐傘おばけと人魂
そんな謎だらけのかまいたち現象を、「霊障(霊傷)」だとする意見も存在します。オカルトチックですが、なかなか興味深いためご紹介しましょう。

スピリチュアルな世界では、肉体は乗り物であり、本体は魂であると考えられています。

この魂にも「幽体」があり、死後は肉体を脱ぎ捨てて幽体となってあの世へ行くといわれています。自分の体から抜け出してしまう「幽体離脱」で知られるものです。

この幽体が何者かによって傷つけられると、それが肉体にも表れて切り傷や青アザになる…これが「霊傷」です。

特に誰かから強く恨まれたりすると、幽体が攻撃を受けやすいとされています。「サイキックアタック」と呼ばれることもあります。

その説を支持する人々によれば、必ずしも恨みを買うような悪い行為をした人だけではなく、世界中の優れた霊能者や、「世直し」をしようとする人々もアタックを受けやすいとのことです。

それを快く思わない存在がいるためだとか…。

「そんな非科学的な」と思う方もたくさんいると思いますが、実際、現在の医学では説明のつかない傷はたくさんあるものです。

かまいたち現象は、まさに現代に残された数少ないミステリーの1つだといえるでしょう。

By 叶恵美

スポンサーリンク

Pocket
LINEで送る

関連記事

コメントは利用できません。

知る蔵のTwitter~フォーローをお願います

知る蔵グループ関連専門サイト