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人間の愛が競馬の世界に奇跡を起こすのか~「ステマ配合」

Rennbahn

近年の競馬界では、「ステマ配合」と呼ばれる奇跡的な配合に注目が集まっています。

先日引退した6冠馬オルフェーヴルや、2冠馬にしてGⅠ4勝を現在までに挙げているゴールドシップの活躍で有名になりました。

しかし実はその前後にも、オルフェーヴルの兄でGⅠ3勝のドリームジャーニーや、重賞2勝のフェイトフルウォーなど、同じ血統の活躍馬が出ているのです。

なぜこの血統の馬たちがそんなにすごいのかというその理由を考えてみたいと思います。

ただし、従来の難しい血統に関するロジックではなく、ここではあえて「人間の愛」という、競馬においてはある意味タブーを犯す考え方でアプローチしてみたいと思います。

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ステイゴールドとメジロマックイーン

「ステマ配合」とは、「父ステイゴールド、母の父メジロマックイーン」という血統的特徴をもつ配合をいいます。

ステイゴールドもメジロマックイーンも日本を代表する名馬でした。

前者は、ビッグレースで2着が多く、非常に小柄だったこともあって多くの日本人にとって愛さずにはいられないキャラクターの名馬でした。

後者は馬格に優れ、一時代を築いた名馬で、少し古い競馬ファンならその名前を知らない人はいないというくらいのチャンピオンホースでした。

とは言え、どちらも輸入種牡馬全盛の時代を生き抜いた馬であり、特に、父も母も内国産のメジロマックイーンは、種牡馬として大成することなく一生を終えました。

つまり、この名馬の血を伝える産駒はごく少数の牝馬だけに限られたのです。

ニックス配合を超える奇跡的配合

そういう事情もありましたが、とにかくメジロマックイーンの血を伝える牝馬の希少性がこの奇跡の配合を奇跡たらしめているという考え方ができます。

というのも、いわゆるニックスと呼ばれる血統の競走馬は、その数が多いのが普通だからです。

「ニックス」というのは、競走実績が非常に優秀な血統配合のことを指します。

日本ではサンデーサイレンス×ノーザンテースト、サンデーサイレンス×トニービンなどが知られ、これらがそう呼ばれました。

優秀な産駒がたくさん出る可能性が高い血統の組合せだけに、ニックスを持つ競走馬は非常に多くなります。

これは人気の血統を語る上での大きな特徴です。その意味では、希少性の高い「ステマ配合」は、厳密にはニックスでさえない奇跡的な配合なのです。

ではいったい何が奇跡を生んだのか?

オルフェーヴルやゴールドシップのお父さんであるステイゴールドの特徴は、全身バネ仕掛けのような鋭い動きをすることでした。

そして、ステマ血統の馬たちは、どれもその特徴がよく現れています。

近年屈指の名馬であるオルフェーヴルやドリームジャーニー、さらにゴールドシップは、それぞれ性格も脚質も走法もまったく異なります。

しかし、どれもみな「身体のバネが異常に発達している」という印象を与えます。

それはつまり、ステイゴールドの子だからではないかという疑問もあると思います。しかしステイゴールドの子は他にもたくさんいます。

でも、バネという点ではステマの馬たちに大きく見劣ってしまうと言わなければなりません。

それに「バネが利く」というのは、ステマ配合以外の名馬(たとえばディープインパクトやアグネスタキオン他)にもたくさん見られる特徴で、いわば名馬の条件でもあります。

その観点からすると、「バネ」が奇跡を呼んだ根拠のすべてを言い表す特徴とまでは言えない気がします。

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「人間の愛」が奇跡を呼ぶことができるのか

ステイゴールドとメジロマックイーンは、あのディープインパクトを管理した池江泰郎元調教師が手塩にかけてつくりあげた名馬でした。

そして、ドリームジャーニー、オルフェーヴルの兄弟は、元調教師の息子である泰寿調教師の管理馬でした。

ステイゴールドのやんちゃな性格はよく知られるところです。

しかしメジロマックイーンという雄大な最強ステイヤーも、その見た目からは考えられないくらい、実は厩舎内では非常にやんちゃで甘えん坊であったというエピソードがあります。

池江親子は、そうした個性的な(言いかえれば「扱いづらい」)名馬に持てる限りの愛情を注いで育て上げたと聞きます。

両馬とも人間臭く感じるくらい頭の良い馬だったそうです。それはもしかしたら、その血の中にしっかりと「人間の愛」の記憶も刷り込んでいたという証だったのかもしれません。

ということは、それが子どもたち、孫たちにも伝わったと考えるのも不自然ではありません。

人間の愛を知る馬たちは、人間が、「がんばる自分」を愛し、尊重してくれることを生まれながらにして知っていたのではなかったか――そんなふうに私は感じるのです。

終わらない奇跡~第2、第3のオルフェーヴルと出会う日

ゴールドシップは池江泰寿厩舎ではなく、須貝尚介厩舎の管理馬ではありますが、とにかく人の愛情に敏感な馬だと聞きます。

そばを通っただけで恐れる馬もいるくらいの雰囲気を備えながら、人間が遊んであげないとその巨体を躍らせて抗議するという、なんとも愛らしい一面を持っているそうです。

ゴールドシップが「人間の愛」を知っているからこそ、普段他馬を威嚇する姿からは考えられない人間臭さをも備えているのではないでしょうか。

オルフェーヴルは有馬記念を圧勝して引退し、これから父としての新たな人生を歩みます。ドリームジャーニーの子は、いよいよ2015年にデビューを控えます。

ということは、そういう「超個性的」な名馬に出会う日もそう遠くないことを意味します。

それは、もしかしたら第2、第3のオルフェーヴルとの遭遇であるかもしません。奇跡はまだまだ終わらない――これは私だけでなく、多くの競馬ファンの願いなのではないでしょうか。

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