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うつ病と間違われやすい不安障害にはどのようなものがあるか?

女性/寒気

「不安障害」とは、はっきりとした危険がないにもかかわらず、ある状況に対し、強い不安や恐怖を感じる心の病をいいます。不安障害には多くの類型がありますが、主なものにつき、説明しましょう。

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広場障害~すぐに逃げられない状況に適応できない

一人での外出、大勢の集まる場所、列に並ぶこと、橋の上、電車や車での移動など、速やかに移動することが難しく、逃げることのできないような場所や状況に対し、強い不安を感じるという症状です。「広場障害」の有病率は、男性よりも女性に多くみられるという報告があります。

主な症状-強い不安を感じることに対して恐れを抱いたり、うつ状態に陥ったりします。症状が軽い場合には、ある特定の、或いは、一つ、二つの状況を回避するだけで、通勤・通学などができ、生活には支障ないといえます。

重症の場合には、すべての交通機関を利用することができなくなり、近場の最低限必要な場所に行くことしかできなかったりと、仕事や生活にも支障をきたす場合があります。ひどい場合には、常に誰かが側にいないと不安に感じたり、家から外に一歩も出られなくなることもあるでしょう。

主な治療法-抗うつ薬や抗不安剤を服用することから始めます。症状が軽減してきたら、一人で外出したり、それまで避けていた場所を最終目的地に設定し、少しずつ歩いていくことができるよう、移動距離を徐々に延長していくなどの行動療法を並行して行います。

パニック障害~発作を繰り返し起こす

パニック発作を繰り返し起こすという障害で、一度発作を起こすと、発作の再発が心配になったり、発作による動悸が激しく、死んでしまうのではといった心配が生じたりします。

その特徴としては、検査をしても、身体上の異常は見当たらないにもかかわらず、パニック発作を繰り返してしまうことです。発症年齢は30歳前後が多く、男性よりも女性の方が、より高年齢にて発症します。

主な症状-突然、強い恐怖や不快感が生じるパニック発作が起きます。発作は、10分から、長くて一時間程続きます。具体的には、動悸、発汗、震え、息苦しさ、窒息感、胸痛や胸部の不快感、吐き気や腹部の不快感、めまい、現実感の喪失、感覚マヒ、冷感や熱感などで、死の恐怖を附随する場合もあります。

主な治療法-抗うつ薬や抗不安薬などによる薬物治療、および、認知行動療法を行います。不安を解消するためには、パニック発作を抑制することが必要です。よって、薬物治療は重要であるといえます。

主に使われる薬は、抗うつ薬の場合、SSRIのパロキセチン塩酸塩水和物(商品名:パキシル)と塩酸セルトラリン(商品名:ジェイゾロフト)です。

SAD~人から見られることが辛い

他人に見られることに対し、強い不安や恐怖を感じるため、社会に出ていくことができなくなります。

人前で何かをすることで、「悪い評価を受けるのではないか――」、「周囲から注目を浴びるようなことをして、恥をかくのではないだろうか――」などと強い不安に駆られたりします。

主な症状-顔がほてる、脈が加速し、息苦しくなる、発汗、手足・全身・声の震え、吐き気、口渇、トイレが近くなる、めまい、パニック発作などです。「対人恐怖」も社会不安の一つで、人に見られると発作が起こるというものです。

どの症状が強いかにより、「赤面恐怖」「表情恐怖」「発汗恐怖」などと呼ばれたりしますが、いくつかの症状が重なっていることが多いようです。社会不安を起こす人は、自己評価が低く、他人から批判されたり、軽蔑されたりするのではといった恐れを抱いている場合が多いと考えられています。

主な治療法-抗うつ薬や抗不安薬を服用したり、心理療法を行ったりします。家族は何とかして外へ出そうとしたり、自信を持たせようと励ましたりしますが、逆効果となりがちです。現状を認め、少しずつでも本人に自信がついてくるのを待ち、見守る姿勢を大事にしましょう。

特定の恐怖症~高所、水、閉所など

特定の対象や状況などに対し、強く持続的な恐怖を感じます。高所、嵐、水、閉所、飛行、自動車運転、特定の動物や虫、注射、血液、怪我など、特定や対象は多種多様で、その対象となるものによって「高所恐怖(症)」「閉所恐怖(症)」「動物恐怖(症)」などと呼ばれます。

動物、高所や水などの自然環境が対象となるものは、通常、小児期に発症するものです。また、閉所や飛行などを対象とするものは、小児期と20代半ばに発症のピークがあります。さらに、血液や注射などを対象としたものは、家族性が強いといわれています。

主な治療法-抗うつ薬や抗不安剤を使った薬物治療、および、心理療法や認知行動治療法を行います。

日常生活で不安なことを打ち消しても念頭に浮かぶ?

「強迫性障害」には、特定の思考や衝動、心象が繰り返し、頭に浮かぶ「強迫観念」と、ある行動を繰り返し行ってしまう「強迫行為」とがあります。強迫観念の例としては、汚染、不吉、病気、死、性的な観念、暴力的な観念などで、これらの観念が、打ち消しても何度も浮かんでくるというものです。

強迫行為の例は、手を洗う、順番に並べる、確認する、数を数える、祈る、声に出さずに言葉を繰り返すなどです。強迫観念が原因となって強迫行為を繰り返すことも多く、最も一般的であるのが、汚染恐怖により繰り返し手を洗うことです。

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また、自分の部屋から出られなくなったり、浴槽に入るのさえ不潔に思われ、入浴できなくなることもあります。その他、外出の際に、火の元の始末や鍵のかけ忘れが不安になって、何度も確かめてしまうとか、不安のため外出できなくなってしまうというケースもよくあります。

この病気は慢性になりやすく、ストレスがある場合、悪化する傾向がありますが、余程重症でなければ、徐々に回復し、日常生活や家事ができるようになるでしょう。

主な治療法-家族が強迫行為をやめさせようとしてもうまくいきませんので、早めに精神科医に相談する必要があります。原因は不明確なので、患者さんによって、対処法はさまざまですが、一般的には、心理療法や抗うつ薬、抗不安薬などを用いて治療します。

通常とは異なる観念や癖をもつ人はいますが、それが苦痛でなく、日常生活を送るのに支障がなければ、治療の対象にはなりません。

全般性不安障害~悪い考えが続き不快症状を引き起こす

「自分や家族が今にも病気になるのではないか」、「事故にあいはしないか」などの不安や緊張が慢性的に継続し(診断基準は6か月以上)、精神的・身体的な症状を引き起こします。原因は不明で、慢性的な生活上のストレスが関係しているといわれていますが、それが直接の原因ではありません。

患者さんは女性に多くみられ、20代での発症が多数であるという傾向があります。うち半数ほどは、うつ病、適応障害、人格障害など、他の心の病を附随するという報告もあります。

不安の対象は一つではなく、「経済的に食べていけないのではないか」、「仕事で大きな失敗をしてしまうのではないか」など、健康、仕事、生活などの面で、次々と出てきます。

症状の強さには起伏があり、仕事や学校生活に支障をきたす場合もありますが、学校や仕事長期間休まなくてはならないことは、ほとんどないといってよいでしょう。

主な症状-不安や緊張の他、イライラ、悲観、集中困難、首や肩の凝り、頭痛・頭重、ふるえ、動悸、めまい、発汗、頻脈、睡眠障害、疲れやすくなるなどが挙げられます。日常のストレスの影響を受けつつ、快方に向かったり、悪くなったりして、多くの場合、何年にも亘って続く場合があります。

主な治療法-症状は激しくありませんが、長期間続くため、本人はとても辛く感じることとなります。我慢せず、精神科や心療内科に相談しましょう。抗うつ薬や抗不安剤を使ったり、心理療法を行うなどしますが、回復までに時間を要する場合もあります。

患者さんの中には、不安を解消しようとアルコールなり、それが原因でアルコール依存症になってしまう人もいます。アルコール以外の方法でリラックスできるよう、心がけましょう。

PTSD~非日常の出来事や想像を超えた出来事がトラウマに

災害や事故、犯罪被害など、瀕死ともいえる程の衝撃的な出来事を経験したり、目撃したことが心理的トラウマ(心の傷)となり、数週間から数か月、場合によっては、数年後に出現する病気をいいます。

PTSDとは、post-traumatic stress disorderの略称です。1970年代、ベトナム戦争から帰った米兵の精神障害が問題となり、1980年代にPTSDという言葉が初めて使われるようになりました。その後、事故や災害、犯罪などに巻き込まれた人にも、同様の反応が確認されました。

日本では、阪神・淡路大震災の後、この障害に対する関心が高まりました。近年では、東日本大震災によるPTSDも早急に対応すべき課題となっています。

火山の噴火、洪水、火災、戦争、爆発事故、交通事故、犯罪被害、拷問や日常的に繰り返される虐待、DV(ドメスティック・バイオレンス)など、直接的な経験だけでなく、目撃した経験もトラウマとなり得ます。

PSTDのきっかけとなる出来事は、日常的には起こらないことで、自分や大切な人の命にかかわるような出来事を示します。

主な症状-フラッシュ・バック、回避や感情のマヒ、睡眠障害や過覚醒などがあります。フラッシュ・バックとは、トラウマとなった出来事が突然、繰り返して脳裏に浮かぶことをいい、大変な苦痛を伴います。

テレビでニュースを見たことがきっかけとなって、何度も夢に見るなどということは珍しくありません。回避とは、出来事を思い出すことを避けることをいいます。事故にあった人が、車に乗れなくなるなどです。

感情のマヒは、豊かな感情を持つことができず、自分の未来を想像することができなくなり、心を閉ざして引きこもったりします。眠りが浅く、悪夢にうなされ、熟睡することができません。

過剰に警戒し、些細な物音にひどく驚いたり、動悸が出たりします。抑うつ状態を合併するケースもあります。遭遇した出来事が衝撃的であるほど、発症率は高くなるといえます。

小さいころの衝撃的な体験の存在や、ストレスに対し弱いなどといった個人的素質のある人、あるいは、子ども、高齢者などが発症しやすいといわれています。

主な治療法-症状が出た場合、軽く考えずに、早めに精神科などの専門医に相談する必要があります。

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