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うつ病に似ている病気~パーソナリティ障害、統合失調症、認知症

2014.01.25

うつ病に似ている病気~パーソナリティ障害、統合失調症、認知症 はコメントを受け付けていません

頭の回転が素早く、心配りがあり、魅力的である一方で、急に怒りだしたり、他人を傷つけたり、依存心が強かったりと、感情や行動のコントロールがうまくいかず、対人関係が安定しないといった症状がみられる場合があります。

このような人々は、日常生活でもトラブルが多く、「困った人」「あまり関わりたくない人」などと思われてしまうことがあります。

境界性の人格障害

このように、感情や考え方が極端に偏っていたり、他人とうまく関わることができないために不適応を起こしがちな病気を「パーソナリティ(人格)障害」といいます。

パーソナリティ障害にはさまざまな類型がありますが、トラブルをしばしば引き起こすことが原因で注目されがちなのが「境界性パーソナリティ(人格)障害」です。

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この病気には、対人関係が非常に不安定になりやすく、見捨てられることに対する不安が強く、感情の波が小刻みに揺れやすいという特徴があります。

たとえば、同一人物に対して、穏やかな態度で接する日もあれば、なじる日もあるなど、日によって態度が変わってしまうことがあります。

人の愛情を試すために問題行動を起こす場合も

このような接し方は、親、学校の教師、治療者、恋愛の対象、配偶者などを代表として、ある程度親しい関係にある人に対してみられます。

怒りなど衝撃的で激しい症状が表れるため、周囲の人は振り回され、対応に困りますが、本人の言動の蔭には、埋めようのない空虚感があると考えられます。

たとえば、親が困るような行動を次々と起こすような子どもは、「それでも親は自分を受け入れてくれるか」と試しているわけなのです。その行動の蔭には、親に十分に愛されていないという不安があるのでしょう。

しかし、本人はそのような行動に出てしまう自分に嫌悪を感じており、問題行動を起こせば起こすほど、空虚感は癒されないのです。

20歳前後に多い統合失調症

統合失調症は、脳の働きの障害が原因となって、人の声が聞こえるといった幻聴や、実在しないものが見える幻視、あるいは、「誰かに殺される」などといった妄想が起こる心の病気です。

それに伴い、人と関係を構築しながら家庭生活や社会生活を送ることが困難になってきます。

病気の為に、「感覚・思考・行動」が歪んでいるということを自覚しにくい側面もあります。

発症率は、民族や地域のいかんにかかわらず、100~120人に一人といわれる、ごくありふれた病気です。発症年齢は、10~50歳がほとんどですが、そのうちの大半が20歳前後となっています。

薬物治療が中心で、回復に向かえばリハビリも可能に

統合失調症の治療は、激しい症状が表れ、家族だけでは対応が困難な場合には、入院が必要となりますが、ほとんどが外来で行われます。入院する場合、長期間に及ぶと社会復帰が困難となるため、短期間に止めるのが一般です。

薬はドーパミンの作用を抑制する抗精神病薬をメインとして使うのが一般ですが、意欲の低下、眠気、目が見えにくい、便秘、手指の震え、口渇、筋肉のこわばり、月経の変化、体重増加、血糖上昇の副作用などに注意する必要があります。

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定期的に、主治医に薬の効果、および、副作用につき、チェックしてもらいましょう。

薬によって病状が軽快してきた場合、リハビリテーションを行いましょう。リハビリは、日常生活や社会生活を円滑に送ることを目的としており、生きる意欲や希望の回復につながります。

生活技能を獲得することによって社会生活の質を向上させる「生活技能訓練」や、仕事に対する集中力・作業力・持続力などの回復を目的とした「作業療法」、対人関係や集団交流に慣れるための「デイケア」など、患者さんに合わせたさまざまなものがあります。

記憶障害が顕著な認知症

認知症のうち、その約60%は、アルツハイマー型認知症、約30%は、脳血管性認知症であるといわれています。

アルツハイマー型認知症は、アミロイドという特殊なたんぱく質が脳の全体に蓄積することにより、健全な神経細胞が破壊され、脳の働きが衰えて、脳の委縮が生じるもので、それにより、脳が活動するのに必要な酸素や栄養素を補給できなくなり、神経細胞が変性することで、認知症となります。

そのほか、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症など、さまざまな種類があります。

特定の出来事全てが記憶から欠落してしまう

認知症では、知的機能にさまざまな障害が表れてきますが、その症状として代表的なものは、記憶障害です。

年齢を経ると、誰でも物覚えが悪くなるものです。電気を消し忘れた、昨日会った人の名前を忘れたなどといったことは、多くの人が経験していることでしょう。

物忘れや物覚えの悪さは、全体の一部分のみが欠落しているのに対し、認知症は、特定の出来事全てが記憶から欠落しているというのが特徴です。会った人の名前はおろか、誰かに会ったという出来事自体を覚えていないのです。

忘れていること自体を自覚することができない

また、記憶障害だけでなく、簡単な計算ができなくなる、文字が書けなくなる、判断力が失われる、日時・時刻や自分の居る場所がわからなくなる(失見当識)など、知的機能の全般的な低下が表れます。

そのため、自宅にいるにもかかわらず、「家に帰る」と言い出したり、実際に荷物を持って家を飛び出したりすることもあります。そのようなとき、引き留めようとすると、興奮したり、帰ろうとして徘徊し出してしまう場合もあります。

譫妄といって、夜中に興奮したり騒いだりする現象や、お金をとられたといった妄想にかられることも少なくありません。

知的機能の低下は、年をとれば、誰でもある程度はみられるものですが、普通の高齢者は、そのことを自覚しているのが一般です。

しかし、認知症の人は、忘れていること自体を自覚することができないため、日常生活や社会生活が困難となってしまいます。

うつ病の場合にも、意欲や集中力が低下するため、物覚えが悪くなるという現象がみられます。このため、高齢者がうつ病になると、認知症ではないかと、家族に勘違いされがちなので、注意する必要があるといえます。

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