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コンサート市場が大盛況なのはオヤジとYouTubeのせい?

musicians play on stage

音楽業界全体としては、CDは売れず、曲のダウンロードも減り、あまり景気がよいとはいえない状況です。

しかしそんな中でも、コンサートの市場だけはこの10年以上の間、不況知らずの活況を呈しています。

リーマンショック(2008年)以降も順調にのびつづけ、10年前と比べると観客動員数も売上額もほぼ2倍の規模に成長しています。

いったいどうしてなのでしょうか? 第一次ベビーブーマー世代のリタイヤと、You Tubeなどの動画サイトの隆盛とが関係していそうです。

10年で2倍に伸びたコンサート市場の急成長ぶり

コンサートプロモーター協会の調べによると、2002年の年間総売り上げは約814億円。それが、2012年には1,701億円へと倍以上に伸びています。総入場者数も1,670万人から3,228万人へとほぼ倍増です。

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同じ期間に、わが国GDP(の国内総生産)が499兆円から475兆円へと減少しているのと比べると、突出した成長ぶりがよくわかるでしょう。

2008年のリーマンショックでは世界的に大きな景気減退があり、わが国の経済成長率はマイナス5.5%となりました。このときでも、コンサート市場は2008年の1,074億円から2009年の1,255億円へと約17%も伸びているのです。

ベビーブーマーのリタイヤが大きな要因

Rock concert
こうした成長の大きな要因の一つとされているのが、第一次ベビーブーマー世代の存在です。「団塊(だんかい)の世代」ともよばれる終戦直後の数年間に生まれた人たちで、2006年以降に順次、60才の定年を迎えています。

現在の20代は一世代につき130万人~150万人程度の人口ですが、第一次ベビーブーマーは230万人前後います。大人数の世代が定年を迎え退職金を受けとって、「毎日が日曜日」の暮らしを始めたわけです。

時間とお金にゆとりのある人々が、大量に消費マーケットに流入したことで、コンサート市場が活性化されたと言われています。彼らはファミリー志向がつよく、コンサートに夫婦や親子で行くケースがとても多いため、その分、入場者も増加します。

団塊世代は音楽好きの世代です

一般的には、ポピュラーミュージックは若い人たちが好み支えるものですが、団塊の世代は音楽に関心の高いグループです。彼らが10代の青春時代を迎えたころに大流行したのが、アメリカのロック。

50年代にはエルヴィス・プレスリーが、60年代にはビートルズが登場し、その日本での人気を支えたのは団塊世代です。70年代に日本の音楽界でフォークソングブームやニューミュージックブームが生まれたのも、団塊の人々のエネルギーからです。

60年代の高度成長期には、彼らがレコードを買いコンサートに足を運ぶことで、音楽界が成長したのです。

CDは売れない時代

日本レコード協会の調べによれば、1990年代にはCDなどの音楽ソフトは年間5億枚近く売れていました。それが2002年には3億5千万枚、2012年には2億9千万枚へと減少しています。売上高も、1990年代には6,000億円前後だったものが、2002年には4,814億円、2012年には3,108億円へと減りました。

CDが売れない時代になっているのです。その要因の一つは、音楽配信サービスの登場です。

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音楽配信サービスもピークを過ぎ減少傾向

2005年のダウンロード件数は約2億6千万回。売上高は342億円でした。2009年には4億7千万回、910億円に達し4年で売り上げは3倍近くになりました。

しかし、それ以降は減少し、2012年には2億7千万回、542億円、2013年には、2億1千万回、416億円へと4年で半減してしまいます。

You Tubeのおかげで、音楽は買わなくてもいい時代になりつつある!?

CDも買わない、ダウンロードもしないで、音楽ファンはどうやって曲を聴くのでしょうか? You Tubeで聴くことが多くなったのだと言われています。

スマートフォンの登場で、わざわざお金を払って曲をダウンロードしなくても、いつでも好きな時に好きな曲を検索して聴くことができるようになりました。You Tubeがあれば、曲を購入しなくてもよくなってしまったのです。

参考記事:動画サイトで誰もがコンテンツメーカーになれる時代が到来!?

曲の寿命が短いので買うのがもったいない

また、30年、40年前に比べて現代は曲の寿命が短くなりました。新しい曲にすぐに飽きてしまうようになっています。

1970年代に日本で初めてのミリオンセラーアルバムとなった井上陽水さんの「氷の世界」は、113週間にわたってトップ10に入りつづけました。74年度、75年度と2年連続で年間の最高セールスを記録したのです。

1枚のアルバムが2年以上も売れつづけるということは、曲の寿命が短くなった現代ではありえないでしょう。すぐに飽きてしまうものにお金を使うのは「もったいない」と考えるのは当然ではないでしょうか。音楽配信サービスではなく、You Tubeで済ませる背景には、こうしたこともあるでしょう。

ミュージシャンが食えなくなってコンサートが増えた!?

music band
CDも売れずダウンロードもされないと、ミュージシャンは収入が減ってしまいます。それで、コンサートを盛んに行なうようになっています。これは日本に限ったことではなく、世界的な傾向です。

そのため、60年代~80年代に活躍した大物海外アーティストがしばしばツアーのために来日するようになっています。ポール・マッカートニー、ローリングストーンズ、クイーン、シカゴ、ボブ・ディラン、TOTO、ディープ・パープルなどなど。

団塊の世代が熱狂した歌手・バンドが次々にやってくるようになりました。70年代に活躍した日本のフォークシンガーも復活しています。

最近の日本の音楽グループが大人数化しているのは、コンサートでの演出効果を意識してのことかもしれません。

こうして、公演回数は2002年の年1万回から2012年には2万回へと倍増しました。団塊世代はお金のない若いときには年に1度いければいい方だったのに、今では毎月でも行かれます。若い人たちもCDや曲の購入にお金をかけずに済む分、コンサートにお金をかけられるようになっています。

こうして、コンサート市場の大盛況が生まれているのです。

by 水の

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