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日本が長寿国になった本当の理由~江戸時代の平均寿命は30代だった!

2014.05.15

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日本は、世界の中でもトップレベルの「長寿国」です。

2012年の統計によれば、女性は86.41歳で世界1位、男性は79.94歳で世界5位となっています。

しかし日本人が長生きするようになったのは戦後のことで、それまではむしろ世界の中でも短命なほうでした。

なぜ日本人はここまで寿命を伸ばせたのか、また今後もその座をキープするために私たちが気をつけるべきことなどについてまとめてみました。

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戦後は「人生50年」がやっとだった!

日本人の平均寿命の歴史を紐解いてみると、なんと平安時代~江戸時代(幕末)まではさほど変わらず、男女ともに30代半ばだったといわれています。その間、何百年と経っているにも関わらず、栄養状態や衛生状態、医療事情などに目覚ましい変化がなかったことがうかがえます。

そんな日本人の目標は「人生50年」。しかもそれをようやく達成できたのは、戦後の1947年のことでした。男性が50.1歳、女性が54歳とともに50歳越えし万歳三唱でしたが、欧米の先進国と比べると15歳以上下回っていたとのことです。

しかし戦後の経済復興の勢いと同じく、ここから日本の驚異的な追い上げが始まります。1965年には男性で70歳、女性で75歳と先進国とほぼ横並びになり、1984年には男性で74.2歳、女性で79.8歳と、ついに世界の中でもトップクラスの平均寿命に。

そして現在、押しも押されもせぬ「長寿国」としてその名をとどろかせています。

たった数十年間で、日本人が長生きするようになった理由

運動しているシニアの3人組
数百年間も平均寿命が変わらなかった日本なのに、この数十年の間に一体何が起こったのでしょうか?平均寿命が大きく伸びた背景には、以下のような要因が考えられます。

1.感染症への勝利

日本に限らず、感染症による死亡率が下がったことは長寿の大きな要因です。昔は赤痢や結核、腸炎や肺炎といった細菌性の病気で命を落とす人が多かったのですが、20世紀に世界初の抗生物質「ペニシリン」が開発されたのを機に、さまざまな特効薬が生み出されるようになりました。

同時に衛生状態も改善したことによって、特に日本人の「清潔好き」が功を奏するようになったことも大きいでしょう。

2.小児医療の充実

感染症による死亡率の低下は、特に体の弱い乳幼児の寿命を大きく伸ばしました。そもそも平均寿命とは、すべての0歳児の平均余命を表した数値ですから、幼くして命を落とす子が大幅に減ったことは非常に大きなポイントです。

また現在でも、日本の乳幼児死亡率は世界の中でも断然低く、世界一といわれています。それだけ小児医療が発達しているということです。

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3.栄養状態の改善

戦後、肉類を多く食べるようになったことで、それまで不足しがちだった動物性タンパク質を摂取できるようになったことも長寿の重要な一因です。

もっとも、近年では食べ過ぎによる生活習慣病が増えていますが、栄養状態が良くなったこと自体はむしろ日本人の長生きを後押ししたといえるでしょう。

4.国民皆保険制度の確立

日本では、戦後わりと早い段階で国民皆保険制度が広まったことも素晴らしい出来事でした。経済状況に関わりなく、誰もが平等に高品質な医療を受けられるようになったのです。同じ先進国でも、アメリカでは所得による寿命の格差が大きいといわれています。

5.健康に関する教育の広まり

日本の識字率は世界一であり、すべての子どもが平等に教育を受けることができます。ですから健康についても、基礎的な知識を広めやすい環境といえるでしょう。

さらにもともとの勤勉な国民性も手伝ってか、「塩分は控えめに」「適度な運動を」と言われれば、それに素直に従う人が多いことも長寿につながっているのかもしれません。

今後も守りたい!日本ならではの生活習慣

日本の朝食
日本が平均寿命を大きく伸ばしてきたのは、上記のような「社会の変化」によるところが大きいと思われますが、これらはいずれも他の先進国にも見られるものばかりです。他国と違うところがあるとすれば、もともとの生活習慣でしょう。

たとえば以下のようなライフスタイルが、社会の変化と合わさってさらなる相乗効果を生み出したものと考えられます。

1.低脂肪な日本食

ヘルシーな食事の見本として、今や世界中で注目されている和食。野菜や海藻類、大豆製品が多い一方、肉類などの脂肪分が少ない食事は、まさに生活習慣病を防ぐのに最適です。

また日本人が日ごろから飲んでいる緑茶には、カテキンやビタミンCが含まれており、動脈硬化や発がんを防ぐ効果があります。

もっとも昔の日本では、特に魚がとれない山間部ではタンパク質が不足し、栄養状態は必ずしも良かったとはいえないでしょう。しかし欧米型の食事が蔓延している今の日本は、むしろ昔の粗食を取り戻すべきだといえます。

2.じっくり温まる「入浴」文化

昔から温泉を愛で、首まで熱いお湯に浸かる習慣のあった日本人。このような入浴スタイルを持つ国は世界でも珍しく、血行促進のほか「リラックス効果」の点でも優れているといわれます。
もちろん衛生上もいいことは間違いありません。

3.肥満が少ない

これも食生活と密接に関係がありますが、欧米の先進国と比べて、日本はまだまだ痩せ型の国です。もっとも今後はどうなるか心配なところではありますが、肥満が少ないということはそれだけ生活習慣病にかかるリスクも減り、長生きできる確率が上がります。

特に日本の高齢層の肥満率は世界の中でもかなり低く、日本のお年寄りはとにかく体をこまめに動かす人が多いともいわれています。その意味では、たとえばベッドではなく床に布団を敷いて寝る文化も、毎朝毎晩、重たい布団を上げ下げしなければいけないため、自然と運動になっているといえるのかもしれません。

上記のような日本ならではの文化を大切にしていけば、今後も末永くご長寿国として君臨することも夢ではないでしょう。

By 叶恵美

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