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ピロリ菌とは?~50代以上の8割が持つ胃がん発症率5倍の悪魔

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昔から日本人に多かった「胃がん」。原因としては塩分量の多い食事や喫煙などが挙げられますが、明らかな因果関係が認められているものの1つに「ヘリコバクター・ピロリ菌」があります。

胃がんと診断された人のうち、ピロリ菌を保菌していない人のほうが珍しいといわれるほどです。

特に保菌率の高い50代以上の人、また若くても胃の調子が良くない人は、ぜひ一度検査を受けてみましょう。

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胃に住み着くやっかいな細菌、ピロリ菌とは?

ヘリコバクター・ピロリ菌はらせん型の細菌で、ヒトやイヌなどの胃に住み着きます。

通常、胃は「胃液」によって強い酸性に保たれているため、細菌は生きられないのですが、ピロリ菌はそれを中和させる酵素をみずから作り出し、難なく定住してしまうのです。

ピロリ菌に感染すると、自然に除菌されることはほとんどなく、そのままいつまでも住み着いてしまいます。

またピロリ菌は、胃を保護する粘膜の中にまで泳いで行けるため、そこで増殖して炎症を起こし、「萎縮性胃炎」や「胃潰瘍」のリスクを上げます。

まさにやっかいな居候のような存在です。

特に胃の粘膜が薄くなる「萎縮性胃炎」が慢性化すると、胃がんにつながる可能性が高まります。

ピロリ菌を持つ人すべてが胃がんになるわけではありませんが、持たない人と比べると発症率は5倍にもなるといわれます。

萎縮性胃炎は胃がんの前段階といえる病気ですので、まずはピロリ菌の検査を受け、萎縮性胃炎を防ぐことが重要です。

50代以上の日本人のうち、8割が保菌者!?

ピロリ菌の保菌者は、一般的に先進国に少なく、途上国に多いのが特徴です。

しかし先進国であるはずの日本では、今でも50代以上の8割近くが保菌するともいわれるほど高い確率となっています。

それは日本の水道整備が遅れていたからだと考えられます。

ピロリ菌の感染ルートはまだ不明な点も多いのですが、井戸水や川の水から感染するケースが多いことから、戦後まだ上下水道が整備されていなかった頃にこれらの水を飲んでいた人の保菌率が高いのです。

またピロリ菌は口を通して感染することも分かっています。

特に5歳未満での感染が多いため、ピロリを保菌している親が口移しで子どもに食べ物を与えると家族内感染が起こります。

一方、大人になった兄弟間や夫婦間での感染は少ないといわれています。

他には保育園や幼稚園での感染や、不衛生な医療機器による医療感染などが経路として推測されています。

もっとも現在の日本では衛生状況が良くなったため、若い世代の新たな感染率はかなり低くなっているようです。

ですから特に気をつけるべきなのは、50代以上の世代と、親がピロリを保菌している子どもだといえるでしょう。

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ピロリ菌の有無はどうやって調べる?

ピロリ菌は胃がんの重大なリスクファクターであることから、国も検査を積極的にすすめています。

ピロリ菌の検査としては、内視鏡と使うものと使わないものに大きく分けられます。

内視鏡を使わない検査では「尿素呼気試験法」が、もっとも精度が高い方法として活用されています。

尿素を含んだ試験薬を飲む前と飲んだ後で呼気を測定するものです。

ピロリには尿素を分解する作用があるため、保菌していれば二酸化炭素が多く検出されます。

他にも血液や尿の中に、ピロリに対する抗体があるかどうかを調べる「抗体測定」や、便の中のピロリを調べる方法などもあります。
 
内視鏡を使った検査は、いわゆる「胃カメラ」で、一般的には胃炎や胃潰瘍などの検査で異常が見つかった場合にいっしょにおこないます。

胃の粘膜を採取して顕微鏡で調べる、もしくは組織を培養してピロリ菌が増えるかどうかを確認します。

検査の結果、陽性であれば保険適用で除菌治療を受けることが可能です。

治療は2種類の抗生物質と、胃酸の分泌を抑える薬を1週間服用するというもので、これだけで8割の人が除菌できます。

1ヶ月後に再び検査をおこない、まだ除菌できていなければ、もう1度薬を飲みます。2回の薬物治療による除菌率は、90パーセント以上です。

ピロリ菌の検査に加えて、生活習慣の改善と定期検診も

このようにピロリ菌の検査を受け、必要に応じて除菌治療をおこなうことで、萎縮性胃炎とそれに続く胃がんのリスクを減らすことができます。

特に50代以上の人は、ぜひ一度は受けていただきたい検査です。

また家族に胃がんや胃潰瘍の既往歴がある場合、もしくは慢性的に胃の調子が良くない場合は、若い人でも受けたほうが安心でしょう。

検査費用は、既に胃炎や胃潰瘍にかかっている人の場合のみ保険が適用されますが、それ以外の人は自費となります。

それでも内視鏡を使わない検査の場合はおよそ5,000円程度です。

またネット上には、自宅でできる検査キットも販売されています。便を採取して送るだけでピロリ菌の有無を調べてもらえますので、活用してみるのもいいでしょう。

もちろん胃がんの原因には、ピロリの他にも塩分の過剰摂取や喫煙などがあります。ピロリ菌の検査を受けるとともに、生活習慣に気をつけることは大切です。

また40歳を過ぎたら、職場や自治体などで胃がんの定期検診(バリウムX線検査)を無料もしくは格安で受けることができますので、ぜひ受診するようにしましょう。

By叶恵美

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