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イタリアの滞在許可証の申請でわかるアバウトなラテン系の国民性

EU加盟国に3ヶ月以上住むには、それぞれの国の移民局から滞在許可証を発行してもらう必要があります。

私は現在イタリアに住んでいるので、ローマの移民局本局へ定期的に申請用キットを送らなければいけません。キットが一応受理されると、その後の細かい審査や発行手続きは滞在地のフィレンツェ移民局で行われます。

第1回目の移民局出頭時に書類確認と指紋採取が行われ、第2回目の出頭時には滞在許可証発行です。

2回目は滞在許可証を受け取るだけなので、手続きは短時間で済みますし問題はありません。

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めんどうなのは、最初のキットを送るときと、係員と対面して審査をされる第1回目の出頭時です。いくらEUに加盟してもイタリアは相変わらずラテンの国…システマチックな部分などほとんどないことがよくわかります。

キットが品切れなどの、こちらに非のない理由で申請がなかなかできないこともよくあります。笑顔で窓口へ行くと、書類に不備があっても見逃してくれたこともありました。

すでに何度か滞在許可証の申請をしてきましたが、予測できないことが毎回起こります。この難関を自在に乗り越えられるようになれば、イタリア生活上級者ということなのかもしれません。

滞在許可証の審査の注意点を、私の経験をもとにまとめてみました。

手にするための第1歩は申請用キットをもらうことから始まります

イタリアでは、外国人はローマの移民局本部へ滞在許可証の申請をしなければいけません。といっても地方からローマまでわざわざ行く必要はなく、郵便局から申請書類一式を送ればいいだけです。

簡単なようですが、予測できないことがよく起こるこの国では、書類をそろえるのも一苦労です。

たとえば、ローマへ送るパスポートのコピーなどはふだんから作っておくほうが安心でしょう。コンビニのないイタリアでは、コピー屋さんひとつ見つけるのも大変です。

必要書類が揃ったら、郵便局の窓口で申請用キットをもらいます。キットとは、A4サイズのこういう封筒一式のことです。

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フィレンツェの郵便局へキットをもらいに行くと、品切れと言われることがなぜかよくあります。うそではないのでしょうが、申請期限が迫っているときには、こういう対応には大いに困ります。

中には記入用の書類がごっそり入っています。

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ひと目で量に圧倒されますが、実際に記入する書類は半分くらいです。政治亡命者や難民申請者向け書類も混じっているので、まちがっても全部は記入しないようにしましょう。

記入済み書類とコピーをキットの封筒へまとめて収めたら、そのままさっさと郵便局へ投函しに行きます。イタリアはなにが起こるかわからない国です。急ぐにこしたことはありません。

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パソコンが壊れたから手続きはできないと言われ、投函できなかったことが数年前に実際にありました。滞在許可証の手続きをしていると、イタリアらしい予測不能ないいかげんさをじっくり体験できます。

指定された時間を信用してはだめです。第1回目出頭ではなるべく早い時間に移民局へ行きましょう

キットを送ると、第1回目の移民局出頭日時を書いた紙を郵便局で渡されます。書面上で指示されている日付は間違えるとたいへんですが、出頭時間まで正直に守る必要はありません。じつは指定されている時間はデタラメです。

なるべく早めに、できれば夜明け前に移民局前へ行って入場待ちの列に並びましょう。手続きは早いもの勝ちですし、入場させてくれるのはだいたい9時半までです。

書面に11時と書かれているからといって11時に行くと、「今日の受付はもう終わり」と言われてお巡りさんに追い返されます。なぜそんなことになっているのかはわかりませんが、書類に記載されている出頭時間にはなんの意味もありません。

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署内へ無事に入れてもらえると、早いもの順で番号札をもらえます。その日の運にもよりますが、朝7時半に列に並ぶと番号はたいてい200番くらいです。待ち時間は、3時間程度が平均でしょうか。

審査中は係員になにを言われても怒らないようにしましょう

3、4時間ほど待った頃、自分の順番が電光掲示板にようやく表示されます。私の場合、正午少し前に順番がまわってくることが多いです。

移民局の窓口の様子です。まるで銀行のようですが、ここではかなりシビアなやりとりを係員としなければいけません。

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朝早くから入場待ちの列に並ぶせいもあって、正午頃には私はたいていぐったりしています。顔つきも厳しくなりがちですが…ここは我慢してにっこり笑うべき場面です。

窓口に座っている係員も同じように疲れて、いらいらしている時間帯だからです。

係員の心象をわるくすると大変です。「書類が足りない」、「ビザが切れている」、「イタリア語で書かれた保険証をもってこい」、「指紋がうまく取れないから別の日に来い」などの難問をふっかけられます。

逆に、なぜだかわからないけれど係員と心が通じると、めんどうな審査もあっという間に終了です。

この国の移民局の審査基準は応対する係員によって変わります。私は以前に1度、とりあえず笑顔で窓口に立ったら不足書類を1枚見逃してもらえたこともありました。

笑顔効果のせいばかりでもないと思いますが、こういうときにはイタリアらしいアバウトさが素直にありがたく感じられます。ここさえ乗り切れば滞在許可証発行まではすぐなので、内心なにを思っていても無理に笑うようにして乗り切りましょう。

By 坂上

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