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キリング・フィールド(ポル・ポトによる虐殺の跡地)に行ってみました

2014.04.09

キリング・フィールド(ポル・ポトによる虐殺の跡地)に行ってみました はコメントを受け付けていません

先日、プノンペンの「キリング・フィールド」を回ってきました。

キリング・フィールドとは、一言でいうと「ポル・ポト時代に虐殺が行われた跡地」で、カンボジアには多くの「キリング・フィールド」があります。

その中で一番有名なチュンエクには、写真のような慰霊塔が建てられています。

カンボジアを訪れる際に「キリング・フィールド」と言ったらチュンエクを指すことが多く、外国人がプノンペンに来た際にかなりの確率で足を運ぶスポットの一つとなっています。

ここではそのチュンエクの慰霊塔などを回って感じたことや、現地に残る虐殺の傷跡について書きます。

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キリング・フィールド(チュンエク)の行き方&回り方

行き方は至って簡単で、プノンペン市内でバイタクやトゥクトゥクの運転手さんに乗せてもらうだけです。

普通に歩いているだけで、空港でもどこでも「キリング・フィールド!」と言いながら運転手さんが近寄ってくるので、探すのにはまったく苦労しません。

トゥクトゥクは比較的値段が高いので往復15ドル~20ドル。バイタク(バイクに2人乗りする)だと5ドル程度です。

距離は片道15km程度で、時間は1時間程度でした。

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到着して入り口で6ドルを払うと、上のようなオーディオとイヤホンを渡されます。

場内を回りながらその場所の番号を押すと、その場所でどのような虐殺が行われたのか、という歴史が語られます。

また、場所とは関係なく虐殺自体がどんなものだったかという、犠牲者の方々の証言などもあります。

(以下、キリング・フィールドに残っている虐殺の現場を紹介します)

キリング・ツリー

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この「キリング・ツリー」と呼ばれる木は、クメール・ルージュの兵士たちが、子供たちの頭を叩きつけて殺した木です。

最初このチュンエクを発見した人々は、この木になぜか人間の歯や衣服などがたくさん付着しているのを見て、不思議に思ったそうです。

後に付近で発見された子供たちの遺骨や、人々の証言などから、子供が叩きつけられて殺されたことがわかったそうです。

銃殺は弾丸を消費するし、ナタなどで殺害するのも武器を劣化させてしまうので、子供は木に叩きつけて殺そう、ということだったのでしょう。

「雑草を取り除くなら根っこから」というのがクメール・ルージュの思想の一つだったそうです。

そのため、将来敵になる可能性がある子供たちも、根こそぎ殺すことになったのでしょう。

マジック・ツリー(菩提樹)

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この木には、巨大なスピーカーがぶら下げられていました。

そのスピーカーから大音量の音楽を流し、銃殺などをする際の悲鳴やさまざまな音をかき消すためです。

ここで虐殺が行われているということは、当時も当然極秘にされていたはずなので、外部にそれを気づかれないようにしていたのでしょう。

音楽を流すのは「ただの集会か何かが行われている」と感じさせるため、できるだけ陽気な音楽が選ばれていたようです。

拝観者用のオーディオでは、ディーゼル発電機の音も混ぜて、当時流された音楽の雰囲気を再現した音源もありました。

日本の歌でいうなら「青い山脈」のような陽気な音楽に「ドゥルルルル…」という発電機の音がバックでずっと流れている音源です。

そのミスマッチさはホラーの演出にも使われそうな恐怖感がありました。

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犠牲者の方々の衣服・遺骨・埋められた穴

【遺骨】
実際に発掘された犠牲者の方々の遺骨です。

かなり風化しているため一見遺骨とはわかりにくいですが、中心の下顎の骨を見ると、遺骨であることがはっきりとわかります。

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【衣服】
犠牲者の方々の衣服がガラスケースに入れられています。

この中には衣服だけではなく、「目隠しのために使われた布」「手足を縛るのに使われた布」なども含まれています。

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【人々が埋められた穴】
このように、人々が埋められた穴で土地はでこぼこしています。

今はだいぶ風化してなだらかになっていますが、発見された当時はもっと生々しい「埋葬跡」だったことでしょう。

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慰霊塔

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順路の最終地点は、慰霊塔です。

ここに入る前に、最後の音声を必ず全部聞いてから入るように言われます。

慰霊塔に入る前には、犠牲者の方々に哀悼の意を表し、靴や帽子を脱いで入ります。
(写真の撮影は許可されています)

中にはこのように、犠牲者の方々の頭蓋骨が並んでいます。

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ガラスケースの下の方には、虐殺に使われた鉄棒・斧・ナタなどの武器も保管されています。

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キリング・フィールドを回ってあらためて、世界平和とか遠くのことを考えつつも(むしろ考えるからこそ)、身近な人々・仕事を何よりも大事にしようと思いました。

by 藤井誠二

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