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アラブ首長国連邦の成長がすごすぎる!40年で人口が40倍!

2014.02.25

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アラブ首長国連邦は、アラビア半島の右端(南東側)にある小さな国です。

サッカーのアジア大会などで日本と対戦したこともあるので、ごぞんじの方も多いでしょう。UAE(United Arab Emirates)と略称で呼ばれることもあります。

この国は、なんと40年間で人口が40倍にふくらみました! いったいなにがあったのでしょうか?

北海道ほどの小さな国で、人口の大爆発が起こりました!

国土面積は83,600km2と日本の4分の1以下。しかも国土の大部分が砂漠で、人が暮らせるエリアは限られています。

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40年前1971年の建国当時の人口は22万人と、日本なら地方都市並みでしかない規模。北海道は面積84,357km2、人口は65万人ですので、それと比べると小ささが分かるでしょう。

それが2012年には人口921万人(世界銀行調べ)と42倍になっています。地方の小都市が、東京並みの大都市になったようなものです。

とてつもない急成長をして、世界一高い160階建てのビル「ブルジュ・ハリファ」も建ててしまったアラブ首長国連邦ってすごくないですか?

普通ではあり得ない人口爆発!?

40年で人口が40倍になるためには、どのくらい一所懸命に子づくりに励めばよいのかを試算してみます。22万人のうち、仮に子づくりのできる世代が20万人いたすると、10万カップルが成立します。各夫婦が一人ずつ子どもをつくれば10万人の人口増です。

これを40年繰り返して、各家庭が40人の子どもをつくれば400万人増えることになりますが現実的ではありません。ここでは仮に5人ずつとしましょう。すると、5年間で50万人の人口増です。

こうして生まれた第二世代の50万人が15年後に結婚すると、25万組のカップルが誕生します。それぞれが5人ずつ子どもをつくると、5年間で第三世代125万人が誕生します。25年間で人口は、22万+50万+125万=197万人に増える計算です。

第三世代125万人も同じように15年後に結婚して5年で5人ずつつくると、62.5万カップルから312.5万人が誕生します。これだけがんばっても、40年後の総合計の人口は197万+312.5万=509.5万人。まだまだ921万人には届きません。

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人がまったく死なず、みんなが15才~20才で結婚して5年で5人子どもをつくるというかなり無理な設定でも、人口は23倍にしかなりません。40倍は不可能な数字です。では、アラブ首長国連邦には何が起きたのでしょうか?

なんと、外国人が80%!?

UAEの人口増加の要因は外国人労働者の流入です。この地域では1950年代にドバイとアブダビで石油が発見され、発展し始めましたが、本格的に成長し始めたのは、71年に「アラブ首長国連邦」が建国されてからです。

石油開発にともなう外国人労働者の雇い入れが急増して、人口が爆発的に増えたのです。現在では、在来のアラブ系国民は総人口の2割にも満たなくなくなりました。

エジプトなどのアラブ諸国やインドをはじめとするアジア諸国からやってきた外国籍の住民が、人口の大半を占めるようになったのです。

最近では、石油資源への依存度を下げ、中東地域の金融と流通、観光リゾートの一大拠点へと変貌を遂げています。世界一高いビル「ブルジュ・ハリファ」は、その象徴とも言えます。それも、人口増に拍車をかけています。

男性ばかりの国です!

外国人労働者の多くは、建設現場を中心とする肉体労働者やホテルなどのサービス業に就いており、大半が男性です。女性労働者はフィリピンなどから入ってくるメードや介護士などに限られます。

また、外国人労働者には単身での入国しか認められず、家族を伴って居住することはできません。長期在住者でも国籍取得はめったに認められず、国内での結婚、帰化は困難です。そのため、必然的に住民は男性ばかりとなります。

現在の同国では、女性は男性の半分以下しかおらず、男性ばかりの国となっています。つまり、国中に一人暮らしの男性があふれているわけです。そうとうむさ苦しいのではないかと心配になります。

そもそも、「首長国連邦」ってなに?

「首長」とは国の代表のことで、「首長国連邦」はいくつかの国が集まってできた「国」ということになります。アブダビ、ドバイ、シャールジャ、アジュマーン、ウンム・アル=カイワイン、フジャイラ、ラアス・アル=ハイマの7つの国の連合国家です。

各首長国の首長は絶対君主制による「国王」で、世襲により継がれています。国家の大統領は、7首長国の合議により決められることになっていますが、実態としてはアブダビ首長国の一族が務めるしきたりです。

副大統領はドバイ首長国が務めます。アブダビとドバイは石油が産出されるもっとも豊かな「国」ですので、発言力も大きいのでしょう。

ゆりかごから墓場まで、一生楽してくらせる国です

一般の国民には選挙権はなく民主的な政治運営はなされていませんが、国民の不満は少ないようです。

石油資源の採掘による潤沢な国家財政があるため、税金はなく、大学までの授業料や、医療費はすべて無料。在来のアラブ系国民は、原則として国家公務員になることができますので仕事に困ることもありません。

「国民」同士が結婚すると国家から祝い金が支給され、低所得者には住宅が支給されます。全人口の2割のアラブ系国民にとっては、非常にめぐまれた高福祉の環境が整っているのです。「夢の国」と言えるかもしれません。

外国人労働者が多数を占め、男性が圧倒的に多いといういびつな人口構成は、今のところは大きな社会問題とはなっていないようです。ただ、石油資源と外国人労働者に頼りきりで、楽な生活に慣れ過ぎた「国民」は厳しい環境に弱いとも言われています。

働かなくても暮らしていけるため無職のまま過ごす人も少なくないそうです。それが果たして幸せなのかどうか…。微妙なところではないでしょうか?

by 水の

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