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腎不全とEDの深い関係~透析患者の半分以上がED!?

腎臓の説明をする医師

ED(勃起不全)と関わりの深い病気はたくさんありますが、その1つに腎臓の疾患があります。特に「慢性腎不全」をわずらう男性のうち、7割近くがED症状を抱えているともいわれるほどです。

腎臓の病気と勃起機能には一見、関連性がないように思えますが、腎臓は「内分泌機能」といってホルモンの産生もおこなう臓器ですので、機能が低下するとEDにつながることがあるのです。

命の危険もある「慢性腎不全」ってどんな病気?

人工透析をする患者
私たちの腹部に左右一対ある腎臓は、不要物をろ過して尿を作るための重要な臓器です。この腎臓の機能が低下する病気が「腎不全」ですが、中でも長い年数をかけて少しずつ低下していき、治療が難しくなった状態を「慢性腎不全」といいます。

最初は無症状ですが、腎機能が半分以下に低下すると貧血や夜間頻尿などさまざまな症状が出るようになります。特に腎機能が10パーセント以下にまで下がると、尿として排泄されるべき老廃物が体内に残ってしまう「尿毒症」となり、放置すれば死に至ることもあります。

これを防ぐためにおこなわれる治療の1つが、「人工透析」です。定期的に体内の血液をろ過することで不要物を排出し、体内の水分や電解質を正常に維持します。

そんな慢性腎不全の男性患者に多く見られる症状が、EDです。特に人工透析を受けるまでに悪化している男性ほど、リスクは高くなるといわれています。
中でも60代以上の男性では、9割近くの人がEDともいわれるほどです。

慢性腎不全でEDになる理由とは?

EDで悩む男性
慢性腎不全がEDを引き起こす原因の1つは、「男性ホルモンの分泌低下」にあります。

男性の体では、性欲や性機能を高める「テストステロン」という男性ホルモンが分泌されていますが、腎不全の男性患者では分泌量が減ることが確認されています。

テストステロンの多くは精巣で作られますが、一部は腎臓の上部にある「副腎」から産生されるため、腎不全になると分泌が低下するのではないかと考えられます。

さらに、腎不全では性欲の喪失に関わる「プロラクチン」というホルモンが過剰に分泌されやすいことも一因です。男性なら誰でも、射精後に性欲が大きくダウンすることがあると思いますが、これがまさにプロラクチンの作用です。

つまり腎不全になると、性欲を高めるホルモンは減る一方で、性欲を失わせるホルモンが過剰になるため、EDにつながりやすいのです。

もう1つ重要な弊害が「貧血」です。腎臓には尿を作る働きのみならず、さまざまなホルモンを分泌する機能もあります。

その1つに、赤血球を作る「エリスロポエチン」というホルモンがあるため、腎機能が低下すると血が作られにくくなってしまうのです。
こうして起こる貧血を「腎性貧血」といいます。

勃起が起こるためには、海綿体に多量の血液が集まる必要がありますから、血流量の不足はそのままEDにつながります。

腎不全以前に「糖尿病」が関わっている可能性も

慢性腎不全によるEDには、「糖尿病」という別の病気も関わっていることがあります。

そもそも慢性腎不全になるきっかけとして、もっとも多いのが糖尿病です。「糖尿病性腎症」といって、糖尿病の3大合併症の1つに数えられています。

もともと糖尿病はEDの重要なリスクファクターです。血糖値が高い状態が続くことで血管がダメージを受けるほか、神経に栄養や酸素が運ばれなくなって神経障害も起こりやすくなります。

勃起には血管、神経のいずれも大切ですので、これらが両方おびやかされる糖尿病は、EDの大きな引き金です。

ですから、まずは糖尿病によってEDのリスクが上がり、さらに腎不全となってさらにそれが顕著になるというパターンが多いものと思われます。

慢性腎不全の男性が受けられるED治療とは?

バイアグラを手に持つ医師
慢性腎不全にかかっている男性がED治療を受ける場合、腎機能の程度によって方法が変わってきます。

たとえばED治療薬には、バイアグラのほかにレビトラとシアリスがありますが、中でも制限が厳しいのがレビトラです。基本的に腎機能が正常な場合にのみ服用できますから、腎不全にかかっている男性には処方が見送られます。

一方シアリスは、腎不全ではあっても透析を受けるまでに悪化していない男性は基本的に服用できます。ただし透析を受ける段階になると、服用できるのはバイアグラのみです。

薬は体内で効き目を表した後、腎臓で代謝されて尿として排泄されます。ところが腎機能が落ちていると、代謝がうまくいかず薬の血中濃度が高いままになってしまい、さまざまな副作用につながるのです。

しかし臨床試験の結果、バイアグラの副作用は他の2剤に比べて許容範囲内とされているため、重い腎不全の男性でも服用できる可能性があります。ただしもちろん人によりますし、最初は少量から始めて様子を見る必要がありますので、必ず医師の指示に従うようにしましょう。

薬の使用が不可能な場合は、「ICI(陰茎海綿体注射)」や、「VCDカンキ(陰圧式勃起補助器具)」などの治療法もあります。

By 叶恵美

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