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血便が出た!大腸がん?それとも痔?~基本的な血便の見極め方

排便時、便器の中が真っ赤に染まっていた…もしくはトイレットペーパーに血のようなものがついている…そんな時、思わず脳裏をかすめてしまうのが「大腸がん」という言葉です。

ただし実際は痔のこともありますし、大腸がん以外の腸の病気の可能性もあります。

詳しくは検査が必要ですが、基本的な「血便の見極め方」についてご紹介します。

真っ赤な血、ポタポタと垂れる血は「痔」の可能性が大!

真っ赤な鮮血で、トイレットペーパーにつくような水っぽい血の場合は、痔の可能性が高いでしょう。

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痔にも色々あり、「いぼ痔(痔核)」や「切れ痔(裂肛)」、肛門近くに穴が開く「穴痔(痔ろう)」などがありますが、主に出血が見られるのはいぼ痔と切れ痔です。

いぼ痔の場合、痔核が奥のほうにできる「内痔核」と、肛門近くにできる「外痔核」に分かれます。

外痔核は痛覚のある場所にできますから、出血以前に痛みで分かる人がほとんどです。

痔に苦しむ男性

しかし内痔核は痛覚のない部分に発生するため、突然出血してびっくりする人もたくさんいます。

症状によっては、排便時に便器が真っ赤に染まるほどの出血が見られることもあります。

初期段階であれば薬物治療ができますが、放置すると痔核がつねに肛門から出たままになってしまい、最終的には手術になりますので、早めの受診が大切です。

一方、切れ痔は肛門が切れた状態、いわば「キズ」です。痛みやかゆみをともなうことが多く、出血量は少ないことが一般的です。

多くは自然に治りますが、便秘がちな人では慢性化することもありますので、治りが悪い場合は念のため受診することをおすすめします。

ちなみに大腸がんでは、鮮血というより赤黒い血が多いのですが、肛門に近い直腸やS字結腸にできたがんの場合は鮮血が出ることもあります。

ですからいずれにせよ、念のため受診して検査を受けたほうが安心です。

赤黒い血、便にべっとりとついた血は「大腸がん」を疑おう

大腸がんの場合、多くは鮮血というより、赤黒い血が見られます。

また痔と違ってポタポタと垂れるような感じではなく、ネバネバしていることがほとんどです。

大腸は、小腸で栄養を吸収された食べ物のカスが運ばれてくるところです。

そして水分を吸収しながら、ゆっくりと腸管の中を進ませていき、便の形にして肛門から排泄します。

しかし大腸のどこかにがんがあると、そこから出血するため、血の混ざった便ができるのです。

特に肛門から遠ければ遠いほど、血が古くなるために色が黒っぽくなります。

また便がまだ柔らかい状態のため中に混ざりやすく、真っ黒に近い「タール便」と呼ばれるものが出てくることもあります。

一見すると血かどうか分かりにくいのですが、「黒=古い血」の可能性が高いですので、ぜひ受診するようにしてください。

ただし前述の通り、肛門に近い部位にできた大腸がんの場合は、痔に似た血が出ることもあります。

すでに排泄間近という箇所で出血しているため、新しい血が付着するからです。

この場合は、形として出来上がった便の周りに付着しますので、便の表面に赤い血がまとわりついている様子が多く見られます。

また大腸がんの場合、早期であればあるほど出血量は少なく、進行すればするほど多くなります。

特に初期段階では肉眼で発見できないこともありますので、40歳を過ぎたら年に1度は「便潜血検査」を受けましょう。

この検査なら、目に見えない潜血を検出することができます。

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他に考えられる血便の原因とは?

痔や大腸がん以外で血便が出る病気としては、「潰瘍性大腸炎」があります。

30代以下の若い層に多い病気で、大腸に原因不明の潰瘍が発生するものです。

ネバネバとした血便が続き、人によっては苺ジャムのように見えることもあります。

また下痢を繰り返しやすいのも特徴です。

一方、高齢層に多い腸の病気に「虚血性大腸炎」があります。

これは腸に血液を送る血管が狭くなることで、腸の血流が悪くなった状態です。

特に糖尿病などの生活習慣病にかかっている人に多く発症します。

急な血便と、右側の腹痛が代表的な症状です。

他にも血便が見られる腸の病気は色々ありますので、便の色が気になる場合はぜひ消化器科や内科を受診しましょう。

すべてが大腸がんとは限らず、むしろそれ以外の原因のほうが多いといえます。

どんな病気であれ、早期発見、早期治療が大切です。

血便で受診したら、どんな検査を受ける?

血便が見られた際に受ける検査としては、まず「直腸診」があります。

医師が指を肛門から挿入して、中の様子を調べる検査で、直腸にできた大腸がんの場合はこれだけでも診断の目安をつけられることがあります。

より詳しく調べるためには「大腸内視鏡検査」がおこなわれます。

肛門から内視鏡を入れて、中を直接確認する検査で、ポリープなどの病変をすぐに発見できます。

またお腹の外から中を見る「エコー検査」がおこなわれることもあります。

さらに真っ黒なタール便の場合は、胃や十二指腸などの肛門から遠い部位からの出血の可能性もあるため、「胃内視鏡検査(胃カメラ)」も重要な検査です。

胃がんや胃潰瘍のほか、さらにさかのぼって食道からの出血もあり得るため、胃カメラでしっかりと調べる必要があります。

このように血便は、消化に関わるあらゆる器官の異常が考えられる症状です。

病気を早期発見するためにも、できれば排便時には便の色をチェックする習慣をつけましょう。

また40歳を過ぎたら定期的に、大腸がん検診や胃カメラの検査を受けることをおすすめします。

ただし家系的にリスクが高い人は、もっと若いころから受けておくと安心です。

By 叶恵美

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